土地条件が90%影響するのが住宅 その3 斜面の盛土

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数日前に熱海市で痛まし事故(又は事件)が起こった。災害と言わず事故(又は事件)にしたのは、概要がわかってきたからである。2週間ほど前に、土砂災害と洪水は起こることが大抵予測できると私は言ったが、今回の土石流が事件であれば昔から住んでいる人でも予測はできない。

様々な報道や発表によると、この土石流の原因は谷間を埋めた盛り土の工事が正しく行われていなかった可能性が高いとのこと。
流れた起点に近い所の勾配は200mで50m下がっているので角度で表すと14度(報道では11度)、建築的な表現なら2.5寸勾配と比較的緩い。よって盛り土以外では普通は流れ始めることは今回の雨量ではないとされる。例えば最近奉仕に行っているotomo vie centの裏山は角度では30度くらいあり、今回の箇所の倍あるが、土砂災害危険地域に指定はされていない。

腐葉土から長い年月かけてできた表層は浸透性がよくみず道も有効に機能する。

ではなぜ緩い山が流れて来たのか?これがみず道と私が呼んでいる、表層部分下に流れる水の隙間が盛り土によって機能しなくなった為と考えられる。

みず道は腐葉土と地山の隙間である極浅いところで顕著な高低差によって運ばれる水で有り、その量は結構多い。「て・こあ」の裏山では相当な量の雨が降ったときに、勾配30度以上あるにもかかわらず目の見える表層では流水にはまずお目にかかれない。ほとんどが一度地面(地表から数十センチから1mくらい)に吸い込まれから数日間かかけて山の下あたりのところから流れている。「て・こあ」の裏山は20年くらい前に一度崩落防止工事を県が行っており、一番下の部分は盛り土による土留め(じゃカゴ)が行われており、今まで経験した豪雨においてもこの部分から雨水が出ていることをみたことがない。つまり盛り土の下部分のみず道で流れている。まだこのみず道が機能しているので山は健全であると判断できる。もしこれが1kmも離れていたなら判断はまず無理で、冒頭の文言になる。だから山の開発行為には規制がかけられる。

但し・・・正しい盛土でも自然の表層でも長い時が経過すれば、植物がある限り腐葉土は造られ表土も厚くなり、下部の土が圧密され雨水の浸透性を失って限界を超えると表層が崩れることになる。そして隆起が起こらない限り最終的に地形は平らにならされて行く。

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