新潟版  東日本大震災から学ぶ家造り① 土地選び

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多くの命が失われ、多くの人の人生を狂わせ落胆させた大震災。

ここから何を学ばなければならいのでしょうか?

それは当たり前ですが、一番大事な自分の命を守ることです。

自分の命を守ると考える人は「家族の命」も大事にします。

私は建築士ですからその専門分野の「家」という事でお話しします。

家造りにあたっては先ずどこに住むか=家を建てるかを決めなくてはなりません。阪神淡路大震災、中越地震後オーブルデザインのコラムで申し上げたとおり、

中越地震後の教訓として

「まずは地盤(形状)の良い土地を選ぶこと!!」

今回のような津波による大災害をもたらしたこの地震後、私はこの地盤の中に地域も考慮に入れる必要は無いのかと自問自答しました。
しかし、それはやはりそこまで必要無いのではないかと思います。例えば先日のブログで紹介した新潟市はその殆どが「ゼロ海抜地帯」です。本来なら人が住める所(電気が無ければ)ではありません。しかし、先人の勇気ある人たちが開拓して堤防を造り、潟を埋め、巨大なポンプ場を造る事で住めるようにしました。また他の山間部では山を切り崩し平らにして住宅地を造りました。これらを否定する事は狭い日本ではできません。だからこのような土地と共存する事がやむえないのです。但しそんな危険な土地以外に選択肢があればそちらを選ぶ事は言うまでもありません。

その条件の悪い地域との共存のためには、自分の立ち位置を知り、もしもの場合は、どこにどのように逃げ、自分の命と家族の命を守るか話し合う事が必要でしょう。

さて、家族がみんな揃う住宅はそれで良いのですが、問題は子供が通う学校です。子供が学校に行っている時は自分(親)の意志が及ばない事が普通です。また子供は自己の意志より、教師の指示に従います。親が直接守る事はできません。その為に学校の建物、そしてその場所は確実に安全で無ければなりません。多くの子供の命が失われた大川小学校の悲劇、ニュージーランドの悲しみをくりかえしてはなりません。

つまり・・・どこに住まうかを考える時には、子供が通う学校が安全かどうか大事なのです。そしてそれは先ず「耐震性」でありその次に今回のような「水害」の及びにくい場所かどうかです。なぜ最初に「耐震性」かと言えば、建物が崩れたら「水害」になっても逃げることすらできませんし、上階に避難する事も不可能です。

さて家造りの一番最初はどこに住まうかという「土地」を決めることですが、以前お話ししたとおり土地は「直感」が第一、次に子供の通う学校の建物が「耐震性」がしっかりあるか、「水害」「山崩れ」は大丈夫か?になります。

教育委員会が一刻も早く学校の校門に「この建物は耐震等級○×」とか「耐震等級を満たさない」と表記を義務付けしてほしいものです。そうすることで耐震強化があっと言う間に進むと思います。愛するわが子を耐震性がない建物に一日7時間も置いておく訳にはいきません。

PS(ここからは原発関連)
一昨日の報道TVで、原発から30km以上ではあるが、結構放射線が高い値を示すある小学校で始業式がおこなわれており、その映像が目に焼き付いた。全員マスクをした小学生が校内で笑顔?で遊んでいた。その放射線数値(土壌中から)は、「そのグランドに今後1年間24時間いると20ミリシーベルトを超える」といっており、続けて「それはこの校庭であり部屋に入っていたり、帰ったりすればその1/10です。だから安全」と校長は言っていた。
ぞっとした。そんなマスクしなければ、そのグランド舞い上がった砂(埃)で体内被曝し、受ける放射線量は急に大きくなる。ましてやストロンチウムがあるかどうかもまだ分析されていないはず・・・。これは夢をみているのか?いつからこんなに安全に無関心になったのだろう。 先生お願い。無関心は愛の反対側の行動だよ。    わたしにできる事はないのだろうか・・・。

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コメント

  1. オーブルの浅間です。 より:

    11時07分様
    コメントありがとうございます。
    小学校の校長先生の根拠は、一番上のsaccho様の指摘どおり責任をとりたくないので、政府の指示(これが根拠といえるか)にしたがっているのでしょう。
    学校の校長が学校内での事に責任をとらなくなったら、誰が若い命の責任をもつのでしょうか・・・と言いたくなります。
    人によっては放射線はそんなにきつく考えなくても良いと主張される学者や医療関係者がいますが、その方は必ずそういった現場では「放射線計測機」を持っていますし、厳重な装備をしています。だから目に見えない放射線がわかり、数値できっかり100mシーベルトまで大丈夫と、恐怖は無いのです。
    子供がそんな機器をもっているでしょうか?そんな重装備なマスクをしているでしょうか?実際はどのくらい浴びたか、吸い込んだか誰もわかりませんから、より余裕を持ちましょうというのが国際的な決まりごとだったはずです。そこを勘違いして20mシーベルトまでなら大丈夫!などと人ごとのように言えるのであってこれは弱者への「思いやり」がたりないと感じました。なぜならこの事故が起きる前は1mシーベルト/年が普通の人の規定だったのが急に説明も無く20mシーベルトに変更されたのでつい力が入りました。すみません。

  2. オーブルの浅間です。 より:

    斎藤様
     コメント感謝致します。
    そのとおりで若い世代の選挙推進を支持します。
    最近はネット世代というか、ネット依存とか、オタクとか、ニートとか多くなっていますが、その方々の中でも凄く冷静にかつ専門的にやりとりされている方が多く見受けられます。
    もしかしたら日本はこういう人たちが引っ張って行くのではないかとも実は密かな期待をしております。 自分で物事を判断し見極められ、そのベースに「愛」があれば最強でしょう。これからの若い世代に期待をしております。その為にも私は負の遺産を少なくしたいと思ってます。

  3. 匿名 より:

    放射能の累積(積算)をどう報道するのでしょうか。X線1回で50マイクロシーベルト。浅間さんが3月25日のブログで示されたことを考えています。汚染の強い地域では1日1回X線を浴びる現実。
    あるひとつの教育現場では「日常生活と放射線」(資源エネルギー庁原子力2002年をもとに文部科学省において作成)が掲示されていて、『累積』は考慮されていません。
    文科省作成に信頼度があるというのが学校の立場です。
    20キロ、30キロという同心円的な放射能の拡散はなくて、スポット的につよい放射能汚染があると思います。TVで報道された、小学校の校長の説明は何を根拠としているのでしょうか。

  4. 齋藤真也 より:

    政府は大学に金を出す事で専門家に都合のいい事ばかり言わせて来たのだと思います。
    電力会社は、エネルギー政策の美名の元に市場を独占して政権に献金して来ました。
    マスコミに多くの広告を出す事で報道を封じて来ました。
    今までは、事故を隠蔽して、市民はそれで黙って来ました。
    今回の事件ではいかに「政府に飼われている専門家」が危険か良く分かったともいます。
    未来と直面する子どもたちにも選挙権を与えるべきですね。
    高校2年生になったと同時に選挙に参加させれば良いと思うのです
    http://p.tl/ZUU5

  5. オーブルの浅間です。 より:

    saccho様
    ご投稿ありがとうございます。
    原発自身は、私達また諸先輩方が良かれと思って選択してきましたので、正しい情報を得た今、今後の計画を修正すれば良い事だと思います。が、問題はおっしゃるとおり「政府」です。
    「政府」lって一体誰?どの人なの?
    政権が変わっても市民よりも前政権の何を守ろうとしているのか・・・わかりません・・・。
    「パニックになるから」と国民を信用していないから「我々も国を信用できない」のです。それが風評被害を生みそれを国民のせいにするその感性・・・
    最近のCMの「馬鹿!というと馬鹿という・・・こだまだよ」そのものです。 
    この事がわかっただけで感謝です。そして一人一人がしっかりしていくことで明るい未来に繋がること期待し、それを信じてます。

  6. saccho より:

    この震災での対応ではっきり判りましたが、残念ながらこの国の政府は国民の生命安全を第一には考えてくれません。これは考えるほどに本当に恐ろしい事です。何のための国、何のための政府なんでしょう。信用も信頼もできません。TV等主要なメディアも政府の広報となってしまっています。やはりこの国にはジャーナリズムは育っていませんでした。
    またさらに、政府とは独立し子供たちの生命安全を守る大切な砦である教育界(地元教育委員会)も政府の言いなりです。万難を排してでも子供を守る側に立って欲しかったのですが、、。中には心ある校長、教職員の方々もいらっしゃる事と思いますが、これでは太平洋戦争の教訓が全く生かされてないと言っても過言ではないでしょう。中央政府のご意向を第一として子供たちの生命の安全を蔑ろににてしまっているのですから。是非、心ある教職員、またPTAを含めて正しく冷静な判断が出来る大人たちが何とか立ち上がって子供たちの未来を守って欲しいです。せめて子供と妊婦さんだけでも安全が確保されるまで暫く疎開していただきましょう。いまは非常事態です。
    浅間さんのこのブログ、原発被災地の方の何人かでも見て頂いているといいのですが。