2011年2月に掲載したグラフ。この内容で議論が掲示板で発生した。懐かしいですね。
覚えていらっしゃいますか?
2年も前のブログ↓で
http://arbre-d.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-fc72.html
「熱交換換気システムの境界」のシリーズを行いました。
エアコン暖房時には・・・
消費電力の大きい熱交換換気するよりも、消費電力の少ない熱交換なし換気扇の方が、暖房時の電気代が安くなる(つまり省エネ)と言う事を・・・。
それが今回の国の省エネ住宅評価システム・・・「住宅・住戸の省エネルギー性能の判定プログラム」で裏付けされました。またまたこれは先見性といってよいでしょう。
拍手!!!
まず・・・「住宅・住戸の省エネルギー性能の判定プログラム」とは何か?
この3月から施行される改正省エネ基準に使われるプログラムで、凄い事は公開されているので、普通に建て主さんでも使え、判断できるということです。そのプログラムで入力する外皮のU値、η値などはちょっと難しいですが、そこは専門家に聞きましょう。
まず上のHPに行き、その左の省エネ基準のバーをクリックすると、
同意しますか?が表われ、同意するにして
この画面がでます。そして画面の半分より下のグレー部分の「一次エネルギー消費量算定プログラム(住宅用)を使用する」をクリックすると、
直ぐに算定式が表われます。その項目全てを記入すると、自分の家の一次消費エネルギーが一般的な家と比べどのくらいであるかが示されます。これが省エネ基準の評価になります。
これって凄い事ですね。間取りやプランを細かく入力しなくとも、一次消費エネルギーが評価されます。そもそも一次消費エネルギーとはついてはここをご覧ください。
そのプログラムで計算すると・・・(自分で比較計算する時間がないので日経ホームビルダー2013年1月号のP40に掲載している数値)
5地区(旧Ⅳ地区 新潟市)120m2 DCモーター換気 | |
熱交換削減エネルギー | 1.7GJ |
熱交換採用で削減されるエネルギー | 2.3GJ |
差 | -0.6GJ |
高効率エアコンによる全居室暖房で廊下など暖房機がない |
となり、熱交換によって消費されるエネルギーを、高効率エアコンによって移動できるエネルギーの方が、熱交換されて回収されるエネルギーより多くなることを示しております。
つまり温暖地で「ダクト式エアコン」による家中暖房をしなければ、熱交換換気扇を使わない方が、一次エネルギー消費は少なくなり「省エネ」の家となります。
これで当事務所SSプランの家でも、Q値を下げるために使った熱交換換気システムを使わなくとも、超高断熱高気密住宅としての評価ができるようになりました。
では参考で今回行われる完成見学会のQ値0.94w/m2Kをこのプログラムに入れてみると
高効率エアコンによる全居室暖房で廊下など暖房機無
太陽光発電の創エネは不計算
熱交換SPF0.52(壁付けQハイファン)
熱交換なしSPF0.15(第一種壁付け換気)
となり熱交換型換気扇を採用しない方が2984GJ省エネに評価されます。
つまり熱交換換気をすると8191GJの消費があり、一方熱交換無しの換気では2731GJのエネルギーですみます。その差なんと5460GJ。一方換気による熱ロス分エアコンが多く動きますが、COPが高いため2476GJのエネルギーを使えばOKですから、熱交換無しの場合が2984GJ少なくなるわけです。
でしょう・・・当ブログで2桁の連載で特集した換気の話・・・この頃からはっきり提言していたように高効率エアコンを使えば一般的な熱交換型換気扇を使わなくとも消費エネルギーは少なくなります。但し快適性(温熱分布や湿度維持)は話が別となります。