2019年版の換気について ⑨  全熱交換型換気扇の給排バランス

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少し前の話になるが、最近建築技術関連の仕事をしたのでその⑨を取り上げたい。

以前のブログで全熱型換気扇は使い方によっては半分以下の換気効率であると話題に上げた。それにちょっとだけ関連する記事がこの1月号にあったので紹介したい。

筆者は環境系で最も有名な方のお一人で建研の理事で研究統括をされている澤地先生である。

それによると

ポイント① 熱交換率と有効換気率

ポイント② 給気量と排気量のバランス

ポイント③ 換気エネルギー効率、比電力

ポイント④ 清掃容易性

となっている。

ポイント①は簡単でカタログに載っているし、建築環境関係の方ならわからない人はいない。特に有効換気率は顕熱換気扇にはカビ対策で重要と先回の⑧で申し上げた。
有効換気率を考慮した熱交換率η’の計算式が載っているので参考にされたい(単純にη’=ηt×eではないので以前の値は修正した)。
η’=ηt-(100/e-1)×(100-ηt)
ηt:カタログ表記の熱交換率、e:有効換気率
である。

ポイント②がわかりにくい。
下の図をご覧頂きたい。

内容説明のために図を建築技術1月号より転載した。

(b)図の時にηが70%→47%になるのであるが、これは給気量100に対し47%なのかだと思うが算定式がない。ただ(b)の場合は漏気は50となっているがこれが他の部位からの故意の排気ならどうなるのだろう。単純に排気の半分50は熱交換は全くないまま捨てられる。残りの50の排気からη70%の熱交換で回収するなら50×0.7=35であり47にはならない。排気が給気の半分の少量だから(d)図のとおり熱交換率が上がり35→47になるのか?これだと上昇率は1.3倍にもなる。わかりにくい・・・。

ポイント③も簡単で風量を動かす単位あたりの消費電力が低い方がよいに決まっている。

ポイント④はいつもオーブルデザインがいっているとおり設備は単純構造でメンテナンスが肝心である。換気扇本体が天井裏に隠れているより壁にある方が楽だし気がつく。更に個別型換気システムより集中型換気扇の方が本体が一つなので簡単である。設置する場所は床下が楽で簡単にメンテナンスできるし、OAフィルターもサイクロンフードを採用すればメンテナンスが数倍楽になる。このように特に高齢化社会になる今後の住宅は単純でメンテナンスしやすいことがポイントトップに来るはず。

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