ここ何回か換気とRH(相対湿度)等の話題をブログで取り上げているが、「緑の家」のオーナーさんから
「トイレの樹脂サッシ枠に結露したが・・・」
との問い合わせが冬期になると複数件ある。RH(相対湿度)50%の家で窓があり床下暖房のない2階トイレは戸を閉めてあると温度が数度下がるのでまずトイレに結露が発生する事になる。
「緑の家」の冬期の室内は・・・
高効率のエンタルピー交換(所謂湿気の交換までを行う全熱交換)をする換気設備とお風呂場CF(循環ファン)が設置されているので、加湿器や加湿をしなくとも22度のRH(相対湿度)50%になることもある(在室時間や家の大きさ等に左右される)。
ご入居時には住まい方説明等で、
「12月から2月までの冬期は22度RH(相対湿度)40%前後が理想で45%を超える事にないようにして下さい」
との空気質をお願いしており、
「もしRH(相対湿度)が45%を超える時はお風呂CF(循環ファン)を排気換気に切り替えてRH(相対湿度)を下げるようにしてください」
と伝えている。
しかし毎年冬になるとTVやラジオから無責任でアナウンスされる
「風邪予防には湿度は高めの50%から60%にして」
に洗脳されて高湿度がよいと思っていつの間にか室内RH50%を超えていても気にしなくなる・・・というより高湿が良いと思ってしまう。しかし冬期の高湿(RH45%以上)は結露を引き起こすので注意が必要。これは現在の樹脂サッシの枠性能が悪いためである。
またRH(相対湿度)は温度によって変わるので温度も大事。
22度RH45% 未満・・・ここまでは簡単な数値で覚えられるが・・・
実はRH(相対湿度)は温度によって違うのでそこで勘違いをする事があるかも。これは前回のブログで説明しているがもう一度おさらいする。
22度RH(相対湿度)45%の露点温度は9.5度。
仮に24度あれば実はRH(相対湿度)40%まで下げないと同じ露点温度の9.5度にならない。
室温が多少変わろうとも樹脂サッシの窓下枠部分は室内の温度の影響よりも、外の気温の伝熱とコールドドラフトの影響を受けやすいので、同じ表面温度と思ったほうがよい。よって露点温度は9.5度より上げない事が新潟県の平場での考え方。山間部やもっと北の地域では更に低いRH(相対湿度)とする方がよい。具体的には一日外気温-2度~-4度より上がらない環境なら22度でRH(相対湿度)30~35%程度。この空気なら露点温度が6.5度まで下がるのでサッシ枠での結露の可能性はほぼ無くなる。
冬期に換気量は多ければ多いほど室内は乾燥する。「緑の家」の換気量は
- シックハウス法以上
- 一人あたり25m3以上
の多い方で決定している。
よって家の気積(空気の容積)が小さい時は2で換気量が決定されるため、比較的換気量は少なく湿度が上がりやすい。一方1で決定される場合は乾燥しやすい傾向になる。また洗濯物の量や人の在室時間によっても大きく左右されるので、やはり湿度計(正確な)を見ながら換気量を調節することが求められる。湿度調整方法は簡単で浴室CF(循環ファン)を使うか排気換気にするかでRH(相対湿度)が簡単に変わるし、ロスナイでも通常「弱」で換気量が設定されているが「強」にしたり、ダイヤル目盛りを上げる事でRH(相対湿度)を簡単に調整できる。
床下暖房の1階のトイレや、2階のトイレで窓が結露する場合はトイレの戸を少し開けることで(可能な時)トイレ内の室温が居室とほぼ変わり無くなるが、これから家の計画をする人は、トイレの窓をあえて設けないという方法もある。マンションでは超高級でない限り浴室とトイレに窓はないのが普通であり窓が無いことが特別な事では無い。
またトイレCF(循環ファン)を設ける事も有効であるため一つの選択肢になる。
20年前はトイレ、脱衣所、玄関にさえ暖房機(温水パネル等)を設置して温度を上げるようにしていたが、床下暖房の標準化で、1階の暖房機は不要。2階の小さな隔離空間の暖房をどうするかになる。