基礎工事  「緑の家」の基礎コンクリート

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小新ゼロエネ住宅のコンクリートの出荷伝票。呼び強度36N/mm2で発注。

新潟では春真っ盛りで、各地で住宅の基礎工事が行われております。
小新の家も基礎コンクリート打ち込みが先週の末行われました。コンクリートの発注強度つまりコンクリートの呼び強度を33N/mm2にしようか36N/mm2にしようか迷ったのですが、36N/mm2で指示しました。この読みは当たり、今週のこの寒さからすれば36N/mm2でよかった思います。これを温度補正と言います。

背の高い基礎を立ち上がりとベーススラブを一発で打ち込む。

「緑の家」のコンクリートの設計強度は21N/mm2で構造計算します。木造住宅なら18N/mm2でも圧縮、せん断の面から見て問題ないのですが、余裕を見て21N/mm2で計算しております。

コンクリートは最初は上の写真のようにどろどろしておりますが、これが時間が経つと水とセメントが反応して固まる訳です。水が蒸発して固まるのではなく水と反応して固まるので、水の中でコンクリートを養生(使う)させるのが一番耐久性が上がるといわれております。

基礎コンクリートが打たれてから(流し込まれてから)、家の木造部分で屋根(屋根の下葺きが終わる頃)までできるのが普通は7日目以降です。つまり7日目くらいは設計で想定された半分以下の重量(余裕をみて)しか加わわらないと考えております。木造の構造体は軽く、基礎を除く構造体重量は下の通りで、完成時の1/2程度です。

そこでコンクリートが所定の設計強度になっていなくとも、7日目くらいで上棟(軸組完成)が行われるのです。
では7日目のコンクリートはどのくらいの強さをもっているのでしょうか?普通コンクリートの場合は呼び強度の45%くらいになります。つまり36N/mm2のコンクリートなら16N/mm2くらいです。しかしコンクリートは気温が低いと強度が発揮されるのは遅くなり、そのために冒頭の温度補正を行う訳です。つまり平均外気温が7度以下の時は36N/mm2と平均外気温20℃程度の30N/mm2はほぼ同じくらいの強度推移となり、3年経ったころには36N/mm2の方が2割高い強度となります。今回36N/mm2で発注したのはここ最近の外気温を予測して7日目に外気温20度の時の30N/mm2と同じ強度にしたかったからです。

住宅では7日目の強度がとても重要で設計強度が21N/mm2でその半分の重さが加わる上棟後には最低11N/mm2で、更に安全率(付着力)を見てその1.5倍の16N/mm2あれば安心できます。

ところが仮に24N/mm2で発注したコンクリートだとすると、7日目では21×0.45=9.45N/mm2しかなく、これでは上棟は少し控える強度です。またこの時期に温度補正がなければ、18N/mm2程度の強度しか発揮できないため18×0.45=8.1N/mm2と上棟はできません。

こんな事を考えて基礎コンクリート打込み日から上棟の日付を決めております。大手ハウスメーカーのように工場で生産されたユニットを組み立てると、上棟時には完成時の80%の重量になる事から、基礎打込み日から上棟(組み立て開始)日はやはり21日くらいほしいところです。さて、あなたの近くの現場は基礎打込みからどのくらいで上棟していますか?また自分の家のコンクリート呼び強度をご存じですか?住宅屋さんはコンクリートのことはあまり感心ない会社が多いですから、呼び強度24N/mm2で今時期7日目で上棟する事は・・・少し怖い工事管理です。。

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