築100年でした。その9 新しく造った什器

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長さ2.73mであるが、小さく見える程空間が広い「て・こあ」。足の下の板は畳痕防止で仮置きの木。

「て・こあ」の机です。オーブルデザイン(私)が造りました。

面皮付きが素朴で有機的。でもわざとらしい感じはなく、とても自然。

「て・こあ」の建物の中央には天井高5mで10帖の畳の部屋があります。和室は元々机など置きませんが、現代の習慣ではそうはいきません。やはり机は必要です。そこで長さ2.73mで巾70cmの机を造りました。無論無塗装です(キッパリ!)。

足も面皮付きとし、有機的なデザインとする。

「て・こあ」は築100年ですが、所謂古民家のような豪商・豪農でも大きな農家でもありません。民衆寺院であったため、質素ですが機能的に造られております。だから置いてあった置き家具は、杉や桐で造られ、桐の家具は殆どが板はぎで、一枚物のような豪華な使われ方しておりません。つまり、どこにでもある材料を工夫して使っていたのです。私達もそれ添いこの机も板はぎの天板が似合うと思いました。どうしても一枚物だとその存在感が大きくなりがちで、ここ子ども達も集まる畳空間には合いません。

天板と足しかないところが潔い。板はぎで暴れが少なくできるから可能なデザイン。板はぎは古来からある製作方法。

ただ素朴さは必要なので、面皮付きの板はぎで、その特性を活かし、力板(そり防止)は省略し、極めてシンプルに造りました。だから軽くてとても美しいです。とは言っても4cmもある厚板ですから50kg以上はあり、大人2人でないと移動は無理ですが・・・。

昨日は原発廃炉を祈り、そのため全国を歩き、断食する事を業とするお坊さん達(10名前後)が柏崎刈羽に行く前にこの和島を通るので、ここ「て・こあ」にも立ち寄られたとのことです。

一方台所である土間には杉のこれも板はぎのローテーブルを造りました。芯材の赤黒がこの空間にはとても似合います。この土間だけで20帖くらい有り、懐かしさを感じる空間です。

奥に見えるキッチンも浅間作。テーブルは力板を設け、ハードに使う事を想定。私は一応何でも造りますが、企画が専門ですから技術は大六(大工さんの2つも手前の素人)です。

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