瓦屋根の寿命 検証

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 こちらは新潟県では一般的な三州瓦。30年経つとやっぱり予想どおり不具合がでる・・・。

瓦屋根といえば、屋根の高級素材です。ハウスメーカーなどがグレード仕様をアップするときに、一番に提案する素材です。

その瓦の話題の前に・・・

新発田の「東新町の家」からみる二ノックススキー場です。
なんと雪景色・・・。こちらは25日の朝の景色です。町が白いキャンバスに変わるのももうすぐそこに来ています。

最初にお断りしますが、私は瓦屋根は大好きです。ですが、

実はオーブルデザインの「緑の家」の屋根はガルバニューム鋼板かファイバーシングルが90%を占めます。その理由はこちらです。

http://arbre-d.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/index.html

そしてこの下の写真がその理由の「漏水性」を物語っている証拠です。

30~40年位前から瓦と言えば殆ど「引っかけ桟瓦」をさします。新潟県では安田瓦と三州瓦がその代表でした(瓦はその土の産地で呼ぶ。安田は旧安田町、三州は愛知県の三河)。

 和島北野の家の屋根は30年前に葺き替えられた三州瓦

三州瓦は何枚か毎に釘で固定されている(最近は大半の瓦が釘固定)

この写真は「和島北野の家」の屋根瓦で、30年位前に葺かれたものです。リノベーションのため屋根も点検すると、20枚~30枚くらいの瓦が割れています。その付近の屋根をつくる木が腐食しているところもあります。
瓦屋さんにみてもらうと、半分くらいは外力による割れ(踏み割れ、雪の落雪割れ)ですが、半分は内部の応力による割れと言う事がわかりました。内部応力をもたらしたものは、なんと瓦を留めている釘の腐食膨張により、穴に力が働いた為に起ったのです。

最近はステンレス釘に変わったのでこのような現象は少なくなるはず。ただステンレス釘に変わったのはここ10年位前からでそれ以前は亜鉛釘もよく使われていました。また仮に瓦の留め付けがステンレス釘に変わっても、今度はその下の引っかけ桟が鉄釘が殆どですので、こちらが寿命の決定要因になります。詰るところ現時点ではステンレス釘、板金の寿命が屋根の防水寿命なのでしょう。

冒頭で紹介したリンク先でも説明したとおり、瓦という素材はそれ自体は変化が少ない優秀な素材ですが、隙間があるので必ず雨が入ります。また今回のように素材にヒビが入って雨が侵入する事も多々あります。その時に雨漏りさせないのが、下葺き材である「ゴムアスファルトルーフィング」なのです。そしてこのゴムアスルーフィングの寿命が30年~40年なので、瓦といえども雨を確実に防ぐ機能はこの下葺き材の寿命で決まります。

 三州瓦は裏面に釉薬上薬が塗布されていないので素焼きのままである。

屋根自体の漏水性能がガルバニューム鋼板やファイバーシングルとさほど変わらなくとも、瓦屋根には魅力があります。その重厚感、土でできているの事、素材の余力耐久性等です。予算が許せば瓦にしてみませんか・・・。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする