「て・こあ」でのある一日 弐百六拾  
炊事は生活の基本

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「て・こあ」では出来るだけガスを使わない料理をしているので、七輪やストーブが中心となる。こちらは七輪でじっくり焼いたイシモチの塩焼き。

昨日の月曜日は「て・こあ」で久々に料理に明け暮れた。

スローフードとは以前流行した食のあり方。

「て・こあ」では今もスローフードで過ごしている。

定休日の月曜日、たまたま近くのスーパーで鮮魚がやすかったのでお刺身と焼き魚をその日のご飯のおかずとした。購入したのは・・・ヒラメ50cm級(490590円)とアイナメ50cm級(980円)とイチモチ25cm(198円)で全て新潟沖。これらを買って「て・こあ」についたのが13時くらい。それから遅い昼食でイシモチを焼いて食べ一時間ほどで14時。次に「て・こあ」土間キッチンを掃除して、裏山で刺身用の笹の葉を採取してもどると既に15時30分。お風呂の準備をしてから刺身用の魚をさばきはじめたのが16時。昼食後はほぼ掃除だけで再び食の準備となる。

左ヒラメは肉食系の顔。

魚料理で「て・こあ」が凄いのは、土間キッチンから直ぐにこの屋外土間に出られるので、そこで下処理で最も嫌われる「鱗取り」が豪快に出来ること。だから一匹物をお店で裁いてもらわなくても平気・・・。特にアイナメもヒラメも鱗がしっかりと皮についているので半端なしごき回数ではとれない。包丁を立ててごしごしと落とす。この場所は魚だけではなく、タケノコの下処理、山菜の下処理が汚れを気にすることなくでき、半外部がある台所が日本の食文化って感がある。何しろ日本食は山菜も魚もお米も大量の水を使うので、水はねを気にしない土間キッチン+半外部が最も使い勝手がよい。

土間キッチンから半外の土間空間を見る。靴(中履き)でつながる作業空間。

さて半外の土間で鱗と頭までは落としそのまま中に持ち込むと調理人(スタッフA)がいるので、三枚に下ろしてくれる。

さく取りした身は氷の上に載せた皿で待機。スーパーでもらった氷も大事に使う。

専用の包丁はないがそこは研いだばかりの切れ味でカバーし・・・手際よく裁いていく。魚は出来るだけ全て(皮、キモ、頭など)食べる習慣。だから内臓の消化器官以外はボールに分けて取っておく。

50cmのヒラメからはえんがわと実にこれだけとれる。

ヒラメは広く薄切りで切る。背と腹、表と裏の違いで味が大きく変わるのが根魚らしいヒラメ。

アイナメは・・・

アイナメは皮も少し湯引いて食べるので捨てずに取ってある。肝も同様でこれがおいしい。あん肝より好きかも。

アイナメが太って大きかった。

まるまる太っていたアイナメは4さくにおろした量でこんなにある。しかも肝も大きい。

アイナメの癖のない身と、ヒラメらしい味の白身大会になった。

緑鮮やかな笹の葉は今が旬。きれいで柔らかい。そろそろ笹の葉取りのシーズンである。手前がヒラメで奥がアイナメ。

本日は流石に管理人と料理人併せて3人しかいないのにこんだけの量は食べきれない。1/3は残して(2/3も食ったのか?)次の日の朝食になったが、ヒラメは次の日でもおいしい。

このほか薪割りもして汗まみれで鱗まみれなのでお風呂も頂くことに。
「て・こあ」でのお風呂は1年ぶり。薪を風呂なので同時に違う仕事しながら炊く。

お風呂の壁は下がモルタルで上が漆喰、天井が杉の竿縁タオル掛けが竹。

昭和の中期時代のまま残るお風呂場。私が子供の頃はこんな風呂が普通だった。 

お湯は何もいれなくとも柔らかいあたり。杉の蓋の香りがほのかにしてリラックスできる。

昔の家守はこんな感じで一日が終わるのか。私は段取りが悪いのでそのほとんどが掃除と料理であったがここに子供の世話まであったと想像できる。でも皆で分業して料理を作りゆっくりと味わって食べることは何物にも代えられない時間であり、ご飯を楽しむ事は生活の基本だと思う。

・・・・・・

そうそうアイナメは時折寄生虫がいるので注意してほしい(特に自分で釣ったとき)。下は数年前に裁いているときに出てきたもの。アップにしない方がよい。

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