家の設計を高性能で自然・木の素材。三条 長岡見附 柏崎 新発田 新潟で高断熱
9月11日緑字加筆
今回実測した「て・こあ」の囲炉裏の間。ほぼ無垢材で新建材はほぼ無使用。
自然素材100%の家 「て・こあ」の温湿度調査・・・です。
夏が終わり過ごしやすい季節となってきました。そんな時、土壁たっぷり、タタミたっぷりという吸湿性素材が豊富に使われた築94年の「て・こあ」の温湿度調査から何がわかるのか・・・?
何事も実際のデータが大事で、「調湿するはずだ」、とのちがいを受け止める事から始まる。
まずは結果のグラフから・・・
この期間はくもりから雨、晴れと変わりやすい天候で、如何にも季節の移り変わりを感じます。そんな時期の囲炉裏のある部屋の温度は最低が19.5度で最高が30度。湿度は最低が75%で最高が88%・・・。絶対湿度(空気の湿気量)を表す露点から大凡の最高水分量20g/kg、最低が12g/kgでした。
さあ、ここからわかる事は・・・
この季節、土壁、畳共に湿気を吸収する事はほぼないです。室内に吸放湿が多い土壁、畳があっても見事タイムリー気温に合わせ上下します。多分、この畳や土壁は夏の湿気を吸込みほぼ飽和状態なので、既に調湿する材料ではなくなっているようです。但し、湿気の放出はしっかり行われているようで、気温が上がった時(9月4日)には放出されている事がグラフに表われております。
「て・こあ」は本物の土壁や畳が大変多い。まるごと吸放湿素材でできた家
また、この一週間「て・こあ」では全域でカビの生えやすい温湿度に入り、特にカビの成長が著しく促進される条件にほとんど入っているのです。
こんな「て・こあ」で使っていた無塗装の松集成材でできた食器棚の底板(裏)を見ると・・・
こんな感じでカビだらけです。おや・・・
何か不思議な模様が・・・
白いカビが生えているところと、生えていないところがあります。
アップでみるとこんな感じです。
くっきりと分かれます。更にアップで・・・
くっきりですが、これをフィルターにかけカビがよりわかりやすい状況にすると、
実は白いカビ以外に灰色のカビがあることに気づきます。この灰色のカビが、木の幹や「緑の家」でよく使う木の外壁に生えるカビです。白もカビですがこれが木の腐朽菌で有るかどうかわかりませんが。昔ながらの床下などに木をおいておくとこんな感じに白くなります。
しかし不思議なのは、なぜ白いカビがこのようにくっきりと分かれて生えるか?です。無論この木はブロック調の集成材なので、この分け目毎に木のピースが違っているのですが、同じ種類の松材ですの性格は一緒ですが・・・。ああまた知りたくなります。
因みに・・・杉、ヒノキ類はこのようなカビに抵抗があるらしく、酷いカビ状況はみられませんでした。
数日前のブログでもあったように、森や林、公園はとてもカビの胞子が多い場所です。同じ温湿度でも森林に囲まれたこの「て・こあ」のほうがカビが直ぐに繁殖するようです。多分、コンクリートに囲まれ湿気の少ない都市部ではこんなにカビは生えないですから。
このように、古い自然に囲まれた日本の住居はカビとの共存であり、戦いの文化です。この住居の環境に戻りたいと思う人は少ないでしょう。だから、農村の古い家が最新式プレハブ・ハウスメーカーの家にどんどん変わるのですが、この「て・こあ」のある地域は、プレハブ・ハウスメーカーでの建て替えは希な地域です。