コンクリートで囲まれた都市(東京大手町)では、年間の相対湿度がこの20世紀で20%も下がったということがウキに書かれていました。
これは家造りにおいてとても大事な情報です。
年平均の相対湿度が20%も違うということは、例えばその大手町が北海道のような湿度が少ない地域に移動したといっても良いほどのインパクトです。
どおりでカビが生えにくく、「無垢の木」が新潟より腐り難い訳です。
この新潟でも、コンクリートが多くなった市街地に建つ家と、郊外で廻りが豊かな田園の中の家とはでは、梅雨時のカビの生え方が違うと思っていました。雨が降っている時は同じ湿気が高くなるのですが、雨が上がると市街地では直ぐに地面(アスファルトやコンクリート)が乾き、その下の大地から湿気が出てこないので、温度が上がります。
すると湿気が地面からこないという差だけでなく、気温が上がるので(ヒートアイランド)ダブル効果で相対湿度が20%も下がるのでしょう。
家造りはその地域気候にあった構造・仕様がよい事は、全ての方が同意されると思います。つまり比較的湿気の少ない市街地で建てる家と、廻りが緑豊で湿気が昔どおりの所に建てる家とでは、湿気に対する対応を変えなければなりません。
新潟では低地の平野で、且つ田や畑が沢山あり、雪解け水も豊富・・・だから湿気に対する配慮は絶対に必要なのですね。新潟でも地上3階以上の居室では、カビの心配がなくなるほどの違いを肌身で感じております。この湿気に対する配慮は実は、昔の大手町(関東)でも同じようにありましたが、昨今の人工路盤で、みんな忘れてしまったようです。
大地がもたらす湿気は悪いことばかりではありません。夏は気温を低く維持してくれる効果があります。どちらの環境が自分にふさわしいか・・・そこから家造りがはじまるのかもしれません。