新潟の家 なぜ自然、気候を無視した家を作るのか?

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「どうして気候を無視した家を作るのか?」と書くと、

「えっ、オーブルさん・・・どういうこと?」

と思う方もいらっしゃると思います。

今回私が言いたいのは、折角超高性能な木製サッシを導入した超高性能住宅なのに「庇のない木製サッシは「早く腐朽してもいいよ」という使い方が最近特に目に付きます。欧州、北欧の庇のない住宅をまねるのは良いですが、日本の気候(特に北陸以南)は木の腐朽がとても早いのです。

 緑の家で木製サッシを使う場合はこのように奥行きのある庇とセット。この庇の左右小気味よい大きさが木製サッシを雨から守る。そしてサッシ交換が単独でできる構造。昔から日本では木製戸があるが必ず庇とセット。

新潟県も日本中では雨の降る日が多い地域です(量ではなく降る日が多い)。冬期などは殆ど毎日雨か雪です。

こんな地域では、木は濡れているとあっと言う間に腐ります。木製サッシはメンテも重要ですがその前に腐りにくいように庇が必ず必要です。

どんな工務店さんもアルミサッシの使いすぎで使い方を忘れてしまったのでしょう。

オーブルでは事務所設立時の14年前から木製サッシを使っているお宅があります。当時はアンダーセン(アンダーソン)という樹脂でコーティングされた木製サッシをチョイスし、庇を省略していました。

他の木製サッシではアルミクラッドというアルミで外部を被った木製サッシもありましたが、アルミクラッドはその接合部はゴムパッキンを挟んだ構造で物理的に固定してますから、どうしてもその端部から水がしみ込みます。するとアルミが仇となり、乾きにくいので木が蒸ける状況になり急に腐ります。

一方アンダーソンのサッシは樹脂で一体コーティングされているので、この心配が非常に低いのです。だからアルミクラッドより庇がなくても腐りにくいのです。

こちらのような庇のない建物の木製サッシは樹脂で完全コーティングされたアンダーセン木製サッシ。平成12年竣工で既に11年前から木製サッシの正しいチョイスをしていた。自画自賛・・・。

最近はアンダーセンのサッシのU値が高くないので使わなくなりましたが、庇が取れない場合はこの樹脂コーティングされた木製サッシが安心です。

まあそれよりもとにかく庇があれば何を使っても持ちが全然ちがいます。家の設計とはそういった全体を把握する力が必要で、高性能の木製サッシだけを使えば良い家ができると思うことは浅はかな事です。多分ネットで探せば木製サッシ悲惨な10年後を紹介しているHPやブログがあるでしょう。殆どが庇がなく、木製サッシ端部接合から水が浸入したような写真があります。

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