基礎断熱と床下断熱 査読論文から その2

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その1では私の能力不足による間違いや勘違いが有る事が考えられますので、論文の全文を↓におきます。興味のあるかたはご覧ください。

http://homepage1.nifty.com/arbre/CCI20140318.pdf (斜めはお許しを)

その2では又違った結果について考察します。

上の図は、集合住宅における床下暖房時の環気の割合を示すものです。環気とは床上で造られた暖かい空気を送風機等で吹き入れて、それが床に開けられたスリットから床上に戻ってくる事ですが、その量を全部集めると吹き入れた量同じくなるので1としております。普通に考えればそのとおりですが、実は一戸建て住宅の床下暖房では意識的に開けられたスリットだけでは1になりません。

集合住宅のようにワンフロアーでコンクリートで前後左右全て密閉されていれば、他に逃げる場所もないので床スリットから環気される量は増えますが、木造の一戸建てでは、間仕切り壁が通常2階の懐に繋がっており、家全体のスイッチやコンセント穴、配管の貫通穴から漏れ出ます。漏れ出る箇所がわからないので、もし吹き込み口の近くなら、そこで静圧が下がり遠くの方まで熱気(冷気)はいきません。ですので、静圧を出来るだけ維持するために、スリットは小さい方がよいのです。「緑の家」では初期の家はスリットが大きいのですが、2から3年前から床のスリットは巾21mmと小さくなりました。空気から見れば木造の内部仕切りは穴だらけなのですから隅々まで暖気(冷気)行き渡らせるなら、スリットは小さい方がよいのです。

次に・・・

冷房時はQ値1.3でほぼ同じ負荷となる。
その1の結果補足ですが、図15を見るQ値(床面積あたりの熱損失係数)が小さい方が熱の逃げる割合が同じ性能の家割合と比べ小さくなる傾向があります。ここからいえるのは床下暖房をするときは、出来るだQ値を下げて性能を高くする事が肝心だという当たり前の事です。

さてここで頭を悩ますのは・・・この図15のQ値は新Q値なのか旧Q値なのか、それともqを床面積で割ったq値なのか?・・・この論文の筆者らは新Q値を決めた(確か委員長の)坂本先生ですからどちらの表示か困ってしまっております。

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