一本のケヤキからわかること

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旧吉田町市中心にあるレンガ造り香林堂。

大型連休後半に町のイベントに参加させて頂きました。それは旧吉田町の地域散策です。そのなかで、築120年を超える香林堂の内部(主屋土間のみ)を見るコースに参加しました。

ケヤキが杉のように真っ直ぐに伸びる天然ではあり得ない樹形。

先ずは何の変哲もないようなこの写真・・・。でもよく見ると写真の真ん中にある木は「ケヤキ」なんです・・・。

木の事に詳しい人なら・・・

「ケヤキ?なんでこんなに幹が真っ直ぐなの?」

と思われるでしょう・・・。

全くそのとおりで、この木はわざと真っ直ぐになるように枝打ちや支柱などをこらして生やさせたとの事です。

どうしてそんな事をするのか・・・?

それはこの香林堂さんの室内に答えがあります。

長さ3間(5.5m)の式台

香林堂さんの主屋(人が住むところ)には、通り土間が裏庭までつながっており、その通り庭に面した式台には・・・

長さ3間(5.5m)、厚さ105mm程度の一本物で出来たケヤキが使われております。

真っ直ぐな材料が取れる「杉」なら当たり前ですが、ケヤキは真っ直ぐな材が3間もとれる事は大変珍しいことです。2.5間なら差しがもいで見たことがありますが・・・3間ともなると大変でしょう。多分こういったことがあってこの当主は家の外庭にある木は、形よりも実用材としてもつかえるように育てたとのことです。つまり、100年後、200年後の子孫が使えるように育てた事になります。その辺りが財をなした人の感性なのでしょうね。

上品な艶のケヤキの式台。ケヤキというとあのウレタンクリヤーのテカテカ色を想像するが、この式台の色・・・見事!目指す無垢の木の家はこれだよね。

そしてこの土間・・・これはこの次に紹介します。

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