大手ハウスメーカーの社会的責任2

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大手ハウスメーカーの社会的責任1ではQ値に関する問題提起をしました。その2ではその大手ハウスメーカーのHPにあるサーモグラフィーの画像について申し上げたいと思います。

サーモグラフィー(熱画像写真)では、温度を目視できるよいツールですが、意図的に表現することで、間違った印象を与えることができます。
この大手ハウスメーカーの超高断熱を紹介するページにある熱画像で、自社の全館床暖房の画像とエアコン暖房(全館と記述しないところも悪意を感じます)の画像を並べてどうだ!と比較する写真があります。
これは相当問題のある比較写真です。
きっとエアコンの方は設定温度を意図的に下げていて、壁や天井面の温度が、明らかに全館床暖房時の温度と乖離しております。加えて・・・全館床暖房時の色温度から推察する壁天井の温度は30度で、これは冬でも暑くていられない室温ではないでしょうか。ここも?の設定です。
きっとこのように温度差操作しなければ、あまり比較して差のない温度分布になったのではないかと思われます。両方とも床と壁の温度差は2から3度以内・・・設定の温度補正をしてみるとたいして変わりないですね。
これはあたり前のことで、このくらいの建物性能になるとエアコン暖房でも上下温度差は限りなくなくなりますから快適です。
しかしここまで露骨なHPで建物を他社よりよく見せようとしているのは、業界トップ2の企業とはとても不思議で理解ができません。
読者さんはいかが思われますでしょうか?

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コメント

  1. オーブルの浅間です。 より:

    sai様
     コメントありがとうございます。
    >「真夏でもエアコンなしで涼しい」的なうたい文句がありました。
    そんな家が出来れば私が一番最初に建てます(買います)w。
    >「言ったもの勝ち」がまかり通るのも、この業界の悪例かもしれませんね。
    住宅の温熱環境は感情が支配する生活文化?が大きな影響を与えているので仕方ありませんが、構造だけはそうあってはならないと思います。
    >万が一、その言葉を信用しエアコンなしの生活で施主が熱中症で亡くなったとしたら、殺人罪に問うてもいいくらい罪深き誇大広告だと思います。
    3.11直後数年間は、
    「エアコンは控えて水分補給で熱中症予防をしましょう」という報道?から現在は
    「適切に冷房を使い暑さから身を守り、水分も補給しましょう」
    に変化しました。
    命に関わることでもその場その場で変化する感性・・・そこが怖いです。

  2. sai より:

    いつも楽しく、時には教科書のように拝読させていただいております。
    Q値偽装ではないですが、新潟では有名なある建築会社の広告に「真夏でもエアコンなしで涼しい」的なうたい文句がありました。(断熱・気密性能に関する説明は一切なく、日射対策にすら言及がありませんでした)
    新潟においては、どんなに高断熱化や日射遮蔽を工夫したとしても「エアコンなし」では真夏に快適な住環境を作り出すことは不可能なことは明白なのに、何の根拠もなくそう言い切ってしまうことに恐怖すら覚えました。
    万が一、その言葉を信用しエアコンなしの生活で施主が熱中症で亡くなったとしたら、殺人罪に問うてもいいくらい罪深き誇大広告だと思います。
    「言ったもの勝ち」がまかり通るのも、この業界の悪例かもしれませんね。
    ちなみに近所にその会社のモデルハウスがありますが、30坪程度でエアコンが3台あり、フル稼働していました(笑)

  3. 匿名 より:

    NN様
     コメントありがとうございます。
    >Q値そのものについては指標としてはUA値よりも比較がしやすい
    実はこれが罠で、Q値は本文のとおり換気効率でごまかしが発生しやすいのでUA値に変わったと認識しております。
    UA値は家の大きさや構造(吹き抜け)、換気設備に左右され難いよい指標です。
    Q値が比較し易いと勘違いするのは大手や従来高気密高断熱を推進する団体さん等が今でも常用しているためです。ということは私達建築業界に問題があるためですが・・・。
    >我々消費者もウソが見極められるように努力する必要もあろうかと思います。
    まったそのそのとおりです。
    当HPも旧Q値表示を維新する為にHPのリニューアル考えております。

  4. NN より:

    Q値そのものについては指標としてはUA値よりも比較がしやすいものと捉えていますが、これらの指標は決められた計算に基づいた上で初めて比較が可能になるものです。従いまして、勝手な計算はあってはならないという意見です。
    サーモ画像も撮り方次第ですし、条件が一定でなかったりするのであれば比較対象にはなりませんから、信じるまでもありません。
    多くの方は指標や画像の意味がわからず、鵜呑みにするケースが多いでしょう。それをいい事に実際よりも良く見せる行為は大手であろうが無かろうが許しがたい行為と思います。
    ただ、このようなことは住宅に限った話ではなく、極一般的に行われています。影響力のある大手は特に気を使ってもらいたいですが、我々消費者もウソが見極められるように努力する必要もあろうかと思います。