最新エアコンの除湿を知る・・・その2

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最新の除湿運転を考える

その1では再熱除湿と冷房除湿は次元の違う空調と説明しました。その2では更にダイキンさんの冷房除湿について考えてみます。なぜダイキンさんなのかは・・・大手家庭用エアコンメーカーさんではダイキンさんがいち早く再熱除湿運転を不採用にしたので、冷房除湿では最も進んでいるのではないかと考えたからです。

効率がよい除湿だが・・・

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ダイキンさんの2016年エアコンのカタログから抜粋。

さらら除湿と名付けられたこの方式はハイブリッド方式とありますが、どこがハイブリットなのか明確に書いていないのでわかりませんでした。

カタログからはただ単に熱交換器の使用部位を分けて冷却部分と冷却しない部分を造りそこに送風して除湿冷房と送風をミックスしているだけです。うーーん、、、これがハイブリッド?

さて気になる効率は・・・

潜熱157wと顕熱300Wの合計457wを105Wで運転しますからCOPが4を超えます。大変よい除湿効率です。説明では26度の吹き出し温度ですから、このような恒温室以外何れ26度以下で寒くなり除湿運転がストップすることになるので、現実的かな?と思います。300Wの顕熱・・・大型TVと照明と人が2人以上いればこのくらいでしょう。寝室では無理かな?上の条件を見る限り常に28度RH60%の吸い込みがある場合と言うところがミソですね。ただこの時のSHFは0.65と「部分負荷率が低い運転」に対しよい数値だとおもいます。

比較には注意が必要

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カタログの写真は夜間寝室をイメージさせるが、下の比較では顕熱負荷から考えると夕食後の団らんといえる負荷と思うが・・・

ダイキンさんのカタログの続きです。

ここでは再熱除湿無しの2012年モデル機種が運転する冷房除湿運転と最新機種の除湿効率の比較と、

再熱除湿有りの2012年モデル機種が運転する再熱除湿運転と最新機種の除湿効率の比較が混じっております。

この辺りカタログの作り方は見習うべき?ところで、最新機種の除湿に対しとてもよい印象を与えます。実際、冷房除湿の効率は上がっていますし、気になる除湿量も再熱除湿と同じ量で消費電力は半分・・・更に最新機種でも吹き出し温度が19度と数年前の15度以下から見ればすばらしいです。がしかし、所詮19度・・・ですからこれが続けば寒いでしょうね。できればこの時の顕熱処理量の記載あれば流石ダイキンさん・・・と言えます。もしSHFを上と同じ0.65とすれば、「緑の家」のような家で顕熱負荷の合計が1200wだとすると24度が維持できます。しかし夏の夜に顕熱負荷1200wとは外皮から流入する熱がほぼ0ですから内部発熱だけで考えると

人が4人の顕熱200w、TVが150w、冷蔵庫150W、通信器機30W、照明で50W、パソコン類で100Wで計680wと少し足りないので温度は下がる事になります。6年くらい前のTVが300Wで冷蔵庫も300Wくらい電力消費があれば1000Wになり、ほぼ室温維持しながらRH約65%のすばらしい除湿効率になると思います。これは2011年で紹介した図のとおりです。

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5年前に比べ家電の省エネが進み顕熱負荷が少なすぎる

まとめるとダイキンさんのエアコン除湿は相当高いレベルになっておりお勧めです。しかしその1で説明したとおり、メーカーの推奨する部屋の大きさ(14畳だったら14畳で使う)時に限られます。これ1台で家中の除湿をする計画は、寒い室温を我慢し除湿運転する事になります(室温が下がればRH(相対湿度)が上がるので結局はRH(相対湿度)は下がらない・・・)。

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