予言は当たる!床下エアコン暖房の事・・・

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2017年1月18日緑字加筆修正

「緑の家」が旧Q値0.9の超高断熱住宅を宣言してから早10年になります。宣言当時のブログが下に今も残っております。↓こんな古いブログを大事にしている設計者は少ないと思いますが、これが一番大事な、大事な・・・実務者であり技術者としての実績なのです。

https://arbre-d.sakura.ne.jp/blog/2007/04/06/post-0/

この時(2007年)は20年後にきっと旧Q値が0.9が当たり前になる・・・と言っておりましたが、その予言が当たりそうです。今はZEHが脚光を浴びておりますが、そのZEHの断熱性能更に半分の「緑の家」のような超高断熱住宅がきっと10年後には良い家の指標になるでしょう。

今回また当たったのは・・・

dscf5811

本日届いた日経ホームビルダー2017年1月号に掲載されていた・・・

dscf5809

建研の三浦博士曰く・・・床下暖房は今の省エネ法評価は甘い!とのこと。小耳噂というよりこれは事実だろう。実際に測定しても思った以上に逃げる熱がわかる。

こちらの記事・・・。

写真が見えにくいですね。

故意に荒い画像ですみません。いつも書いているように著作権がある雑誌なので、内容が読めてしまうといけませんので・・・。購入はこちらから(あと数日で発売)。

何が書いてあるかというと・・・

「床下暖房のような室内と同じ暖かさ(20度以上)にした基礎断熱周囲とその下からは、今の省エネ基準では評価も甘く、実際熱が逃げている量が多い可能性が高い」

との事・・・。これを建研の三浦博士が小耳の噂話で紹介しているのです。そういえば、最近この話は露骨に当ブログでもここで紹介しましたよね。

この日経ホームビルダーには何時も感心させられます。

特に今回は現在の省エネ法(25年基準)を取り決めた各大御所の省エネの先生達より1世代下の若手先生のコメントが殆ど。つまり大御所の先生達はこの省エネ法と大手ハウスメ-カーの狭間で言いたいことも言えないので若手が代わりに代弁していると・・・勝手に推測しております。

35647

エアコンの温風が吹き込まれた床下内温度分布(築1年)。 等高線のような温度分布で天井面は30度で床面は21度。

話は戻りますが、

当たり前ですが、基礎内にエアコンの暖かい風(40度)を吹き込み、平均温度28~30度にもなるように床下内を1階居住部より暖める訳ですから、まず基礎立ち上がり周囲なんて1階壁より高い断熱性能が必要です。せめてU値0.2w/m2k以下は必須でしょう。一般の省エネ基準の基礎断熱周囲の想定なんて合うはずもありません。何しろ床下暖房しない基礎断熱された床下の冬期温度は16度くらい(24時間家中暖房時)ですからね。30度-16度では14度も違う想定になります。

実はオーブルデザインの「緑の家」はシミュレーションで暖房費を出しません。聞かれれば今までの実績から推定してお伝えしているのもこのためです。床下暖房をしてその条件を計算ソフトにいれないで年間の暖房費が性格正確に算出される事はありませんから。

「緑の家」は7年前の床下エアコンを薦めた時からこれに気づいており、その基礎上部U値0.16w/m2kです(Aグレード)。これは超高断熱壁のU値0.12w/m2kのAグレードの壁にはおよばないもののU値0.17w/m2k(Bグレードの壁)よりよい数値です。

過去・・・

2014年には↓

基礎断熱と床下断熱 査読論文から その1
基礎の断熱材は何を使用しているか?と質問が有りましたので追記です。 素材はフェノバボードλ=0.019w/mk...

2012年には↓

https://arbre-d.sakura.ne.jp/blog/2012/03/31/post-0/#more-5764

と・・・

常にぶれずに・・・

そしてこのように床下エアコン時の断熱が重要とのアナウンスがようやくされるようになりました。実はこのアナウンスには2つの事があります。一つは基礎周囲からの熱の逃げ。もう一つは基礎中央部(所謂スラブ下)からの熱の逃げ・・・(追記 乾燥している大地では中央分から熱の逃げは殆どないことが実測で確認された

この両方の対策で「緑の家」は熱が多く逃げることより、熱を逃がさないために無理に採用した断熱材が白アリなどの生物劣化によってダメになる方を恐れ、断熱位置仕様を決定しております。このあたりも如何にも「緑の家」らしい。片方の事だけで無く全てのバランスから仕様を決める。

あくまでも優先順位は(みんな大事ですがそれでも順位をつけるなら)、

耐震性という安全性が一番で次に耐久性(白アリとかび予防など)、次に断熱性なのです。光熱費が若干多くかかっても安全性が一番で耐久性が次に大事なのです。でも基礎の立ち上がり断熱材は最も厚い仕様・・・。そこが「緑の家」です。

スラブ下に断熱材を敷く時は、

1.地面に水の通り道がある(水位が高い)。

2.スラブを直接暖める方式の暖房の時(太平洋側のダイレクトゲインなど)

です。その2の条件のである家がようやく伊達市で着工します。これは来年の最も楽しみの一つです。

ところで2007年↓(10年前)の床下暖房の決意も今見ても良いですねと手前味噌。

https://arbre-d.sakura.ne.jp/blog/2007/11/20/post-0/

8年前にはもうぶれずに全棟床下エアコン暖房をスタートしておりました。

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コメント

  1. chams より:

    興味深い記事ありがとうございます。一連の本テーマの記事を見て基礎断熱からの熱の逃げが予想よりも大きいということで興味深く読ませていただきました。現在関西6地域にて新築計画中で、床下暖房を希望、べた基礎内断熱仕様です。
    従来見積に対してどのくらい暖房費の差が出そうなのか、基礎外断熱はシロアリ被害を懸念してやらない方が良いと思っていますが何か設計でしておけることはありますでしょうか。
    床下暖房の快適性を重視し、これは続行するつもりです。

    • Asama より:

      chams様

      コメントありがとうございます。
      床下暖房を何度でどのくらい、何時運用(深夜)、どの電力会社にするかでランニングコストは変わります。
      基礎内断熱以外に配管、電線貫通場所とその部分の処理、床下の清浄性にご注意ください。