今日は東京へ 優先は耐震性 2

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2017年6月29日 加筆修正 108角→108Φの修正

その1からの続きです。

柱間の大きい部分に計画された筋かいが所定の耐力をもっていないと、この業界で数年前から噂されておりましたが、その1でお伝えしたとおり実質国が「耐力に問題ない」との結論を出しました。その明文化が上の画像です。

但し、スパンが1mを超えるときには、その壁にボード類を貼るか、BP2という元祖筋かい接合金物を使う事も明記されました。

常識的に考えれば、あの筋かいをそのまま露出で使う人はまずいないでしょう。またボードを貼るためには間柱が必要な事も当たり前ですから、特にこの明記で今までと筋かいの設置がかわる事はありません。どうしても筋かいを露出で使いたい方は(笑)、BP2プレートを使えば所定の耐力が発揮されます。筋かいの露出使いは当方も過去にありますが、上のような座屈しやすい90×45の部材ではなく、最低でも105×105ダブルを相欠きで使い、その断面欠損した減少分が有るので壁倍率4(圧縮)、2(引っ張り)壁倍率5(圧縮)、1(引っ張り)で考えます。

筋かいを露出させた2008年竣工の「緑の家」。雲筋かいもしっかりと計画された事例。

また今回明記された筋かいに関する高さと巾の比の緩和ですが、

以前はh/w≦3.5とされておりましたが、3.5を超える筋かいが使えるように明記されました。

田舎では階高(立ちが高い)建物が必要で、天井高が2.7m以上ある和室を造るために、通常一般的な階高2.9mではなく3.3m以上が必要になりますから、柱間910mmでは筋かいが使えなかったわけです。この度それが正式に使えるようになりました。

例えば階高3.3mを柱間に見立てると、一般より0.96の強さの壁となります。僅かな低減となりますが使えなかった事をみると大いに進歩しました。

次に構造用合板の比例則も整頓されました。

ダメな場合と良い場合が明記され、よりわかりやすくなりました。

ただ・・・構造用合板の場合、合板一枚より大きな柱梁の階高やコンセントと換気扇類の穴開けについては筋かいよりシビアでこのところが正しく施工されていないと意味がありません。

一般的に使われる合板厚は7.5mmから9mmで、その時の補強無しでくりぬいても良い最大の寸法は、7.5mmなら90Φ、9mmで108mmΦでとなり9mm採用でシングルコンセントならギリギリOkで、7.5mmならコンセントや換気扇のダクトは補強無しではアウトです。これは従来のグレー本から同様に記載があり、この内容でほぼ建材メーカーの面材耐力壁も規定されていると思われます。

・・・と建て主さんにはあまりにもマニアックな内容ですが、業界ではこのような構造部分が一番いい加減なところなのです。是非チェックしたり、設計者に聞いてみると??との回答があるかも・・・。

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