新津の新町の家  超高断熱工事の終盤 その2

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「緑の家」は超高断熱の外壁施工種類としてその1であげた中の

③ 充填断熱+付加外貼りボード断熱

を標準としております。

その施工方法の・・・

③のデメリット

  1. ボード断熱材は価格が高い
  2. ボード断熱材は経年変化がある
  3. 一番外部の部材が透湿抵抗が高い
  4. ボード状断熱材の殆どが火に弱い

③のメリット

  1. ボード状断熱材は施工費が安い
  2. ボード状断熱材は雨施工に強い
  3. 一番外部の部材が透湿抵抗が高く、また保湿なし。
  4. 対性能比で重量がが最安軽
  5. ダンゴムシやその他昆虫が越冬の為侵入し難い

の中の1から3までを説明しました。

続いてデメリットの4.火に弱いについて考えます。

ある火災が起きた隣の建物。外壁はくすぶっているが窓ガラスが割れている。

ボード系断熱材は石油由来の材料ですから、基本的にCとHを含む事になり必ず燃えます。そして巷ではその時に有害物質を発生するのでよくないと言われますね。それは全くそのとおりです。だた、有毒ガスについては火災時に壁内の断熱材に火が拡がるまで、室内で待機しているはずがないとということで話は終わり・・・。なら隣家からのもらい火の可能性が高くなるとの事であるなら、隣家の火災で一番最初に問題になるのが窓ガラスです。隣家から熱い輻射熱であっという間に割れ落ちます。ここからカーテンに燃え移り内部に拡がり、可燃物なんて家の中では当たり前にありますから、断熱材がなんであろうと火災の安全性に殆ど優劣は有りません。但し通気層内火災(中高層ビル)は別です。

次はメリットの4の対性能比で重量が最も少なくなるについてです。ボード状断熱材はGWとの性能比で同じくらい重さなのですが、GWの場合はそれを充填できる枠を木でつくる必要があります。一方ボード状断熱材は同じ性能ならGWのほぼ半分で薄く出来るので枠は必要ありません。または半分の木の量で枠等を造る事ができます。よって外壁が軽くなり、地震に対して少し有利になります(構造計算ではこの重量増を加味する事が大事)。

最後のメリットの5 ダンゴ虫などが入り込まない・・・についてです。ボード状断熱材は小さな虫が越冬のため入り込む事がありませんが、GW断熱材の場合、虫にとって内部はお布団のように暖かく、越冬には最適と勘違いして潜りこまれます。どんなにタイベックでGWを覆っても、僅かな隙間は人に例えると玄関戸のように大きく感じます。この侵入した虫は春にでて行ってくれれば問題は少ないのですが、殆どが薬死か過乾燥でミイラになります。よって外壁のGWにはおびただしい虫の死骸が残ってしまう事あります。

実は虫等の生物劣化は人の想定外がおおく、原発という超安全を目指した施設でさえネズミ一匹では発電停止になることもよくありますね。断熱材の中で死んだ虫を苗床としてカビだらけになる事もありそうです。

超断熱の外壁断熱施工は様々な方法があり、それぞれ一長一短があります。自分の好みでチョイスも可能で、絶対これしかないなんて狭い考えで薦めてはおりません。対性能費用が安価(合理的)で且つ無難な方法を「緑の家」では標準としているだけです。

さて・・・新町の家では外壁と同化した郵便受けを設けております。外壁で断熱材が無い部分ではこのような細工も可能です。

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