長い一日 ②
Aグレードの基礎と、二日間「風」で移動トータル850km

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今日も昨日に引き続き、車にほぼ乗りっぱなし・・・。移動距離は本日は550kmを超えております。

一昨年から近県でも設計工事監理として指名して頂ける事が多くなっており、先月もお伺いした金沢市へ行ってきました。

石川県も同じ北陸圏です。しかし冬期の天候だけは似ているのですが文化(言葉などが中部・関西より)も地形も全く違う事に驚きます。

金沢市は政令都市ではありませんが人口50万と大きく、歴史的建造物も多い日本海側では大変有名な都市です。そんな素敵な町で「緑の家」が建築される事は建て主さん以上に嬉しいかも・・・。
住環境においておなじ県庁所在地の新潟市との違いは・・・上の写真のとおり金沢市は市街地でも起伏があり、住宅地は山の上や山斜面に造成されていることが普通で、平坦な土地しかない新潟市とは大きく違います。そこで金沢市は安全な擁壁の普及をめざして、擁壁に拘わる補助事業が結構しっかりしております。

さて昨日の続きです。

昨朝は関屋の家の配筋検査に伺ってきました。

今回はAグレードの基礎で、見るからに凄い・・・。「本当」の鉄筋コンクリートの基礎となり、Bグレードの基礎より1グレード高い性能(耐久性)になります。

縦にはいる鉄筋の先端はこのようにフックが付かないとせん断力(断ち切ろうとする力)に対抗できない。よってビル、マンションではフック付当たり前。Aグレードはフック付の基礎で高い安全率で、Bグレードの基礎はフック無しで普通の安全率となる。

多分ご近所さんで施工されている基礎や他の建設会社さんのHPにある基礎と比べて欲しいのですが、

1.せん断補強筋が機能するフック付(上のピンク矢印のフック)

2.中高層鉄筋コンクリートでは普通のダブル配筋スラブ(下のピンク矢印)

スラブは上下応力部分が変わるのでマンション、ビル、公共建物ではダブル配筋が一般的。住宅の基礎のみシングル配筋をスラブとみなす。

そして・・・

3.中高層鉄筋コンクリート建物では標準である鉄筋の被り厚7cm(下の写真)

法律では6cmの最低被り厚を確保する条文があるが、余裕と安全性を考え、マンション、ビル、公共建築では必ず7cmとしている。住宅の基礎のみ6cmがまかり通る。たった1cmの被り厚が増えると15~20年寿命が延びるとも言われる大事な仕様。

「緑の家」はコンクリート強度も30N/mm2として推定対応年数75年以上を余裕でクリアーします。これは10年以上前からの標準で、当時は「やり過ぎ」とか「施工が大変」とかと言われましたが、今やだれもそんな事を言う業界人はいません。なぜなら鉄筋コンクリート造の長期優良住宅ではこの基準でないと認定を受けられません。つまり・・・同じ鉄筋コンクリートの基礎はやはりこの基準が理屈に合っておりますから・・・。

巷の基礎工事を見学すればわかりますが、多くの人が屋根のない現場で行う作業の安全率は高い方が規定品質以上で安定します。想うことは最近の「Made in JAPAN 」の品質は安全率が低くなっており、以前のような高い評判はもう得られておりません。更に最大手鉄鋼メーカーまでが偽装を行うご時世です。ギリギリを狙うので無く大事な基礎にコストをかけるのが、かつての「Made in JAPAN 」のように安全率を高くして初めて誇れる基準となるのではないでしょうか。それが「緑の家」の基本姿勢で有り、そんな基礎がAグレードです。

「緑の家」は10年も前に超高断熱高気密全棟標準としたことで有名ですが、実は昨日紹介した無塗装の木の使い方や耐震性、この基礎が一番の特徴と思っております。

今回の基礎立ち上がりは1041mm。普通のAグレードの基礎は1210mmなので少し低めだが、これでも一般の基礎高の2倍となる高基礎。更に主筋2本とフック付のせん断補強筋・・・そして後ろの打ち放し仕上げ用パネコート。

こんな配筋検査を午前中に終わらし午後からは140km離れた南魚沼市でコンクリート打ち込み立ち会いをしてきました。それは③で。

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