福島県の「伊達の家」 防水、断熱材検査

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調和がとれているので、この建物の大きさ感がわからないはず。内部から見るとそのスケール感に驚く。

うん。屋根の瓦がおさまってもっと良い感じになった。
基本設計時点で瓦は和瓦のイメージで進んでいたが、建て主さんから見せて頂く好みの参考外観の建物写真がどうもそうではない・・・。でも同じ敷地に建っている綺麗な蔵に合うようにしたい・・・と思い、最終的に選んだのが平瓦。無論しっかり専用袖瓦がある種類でないと美しくないのでその点はぬかりなく・・・。

軒の出は1200ほどあるのだが、外壁が厚く柱型もあるのでそんなに出ている感がない。外部ブラインドを収納する部分を蔵のような水切りとして納める。

専用袖瓦があると、妻面が俄然美しくなる。実は洋瓦の多くが袖瓦がなく、被せるタイプの約物瓦となるので、この面の美しさは出ない。この妻面から見ると和瓦屋根と等しくしっかり収まった感じになり、桁面から見るとすっきしりたモダン和洋折衷にみえるのが平瓦の良いところ。

上の写真からわかるとおり・・・

この「緑の家」もコーナーサッシとなっている。

しかし今までの「緑の家」とその規模が大きく違う。

中からそのコーナーサッシを見ると・・・

まるで温室空間。この構造は木質ラーメン接合によるもので構造計算は金物提供のストローグさんの協力による。殆どの窓がFIXであるが、有効排煙面積分の開閉できる開口を設ける。

こんな感じ・・・。

2階天井(桁面)は水平面剛性を高めるための定番の28mm合板貼り。

笑うほど住宅としてはスケールの大きいコーナーサッシ・・・というよりもはや・・・

「これって温室だろう~」

である。

実はそのとおりで、この伊達市は新潟県とは違い福島県の中通りといわれる磐梯山等日本海側と太平洋側の気候分断する山脈の太平洋側側にある都市。

冬期も晴れの日が大変多い。最近の超高性能住宅はにおいて冬期は大きな窓で日差をいれるか、断熱を強化し窓を小さくするかの選択になる。通常前者を選ぶほうが楽しい家ができる事が多い。太平洋側の家であってもシミュレーションすると断熱性能を重視し壁にした方が暖房費が少なくなる場合もあるが、それでは生活の楽しさがないので、日射の少ない新潟県であっても窓は大きい方を選ぶのが「緑の家」。

そこでその考えを更に増幅させ、

「冬期日射で暖気を貯める温室を作ってしまおう。でもオーバーヒートしても問題ないように一般生活と切り離した温室として仕切り、その温室の床を日射を吸収しやすい黒色土間としてすることで、無駄なく熱を溜め込みそれを生活空間に配る・・・これを「緑の家」では温室土間と呼ぶことにする。

打ち合わせ中のショット。外観から見る感じと違い、人と比べるとこれだけのスケールがある窓。同じ敷地内にある「下屋を持つ蔵」が窓越しに見える。この蔵と並んで建っていても違和感がないような和洋折衷の外観を心がけた。

断熱材の入れ方でその施工者の気密に対する考えもわかる。これだけ綺麗な施工をされる今野建業さんは、十分熟練した施工会社さんである。

検査と打ち合わせが終わり現地を出発したのが18時過ぎ・・・。途中の高速道路SAにある「会津屋」さんで夕食。昼食は山形の食堂で「中華そば」だったのでチャーハンを注文したが、この時何を考えたか普通のチャーハンではなくファイアーチャーハンにした。多分今考えると眠気さましと思ったのだろう。

撃沈・・・半分くらいを残した。辛すぎて口の中が痛くなったため。

食事中、スタッフMが、

「伊達の家は家族で行きたい」

とぽろりと言った。

どうして?

「家族にこの建物図面の殆ど書いたと自慢したいから」

是非自慢して下さい。

伊達の家はそれに値する設計と施工労力そして建て主さんの想いがある建物である。

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