上山の家 完成見学会前のチェック 2

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ガラスの色が違う・・・

これは?

昨日は少し早めに現地についてまず外部をじっくり眺める。

「おや?なんか変?」

と、ガラスの色が違うことに気がついた。

原因は・・・

定番のコーナーサッシ。窓を守る庇の深さが「緑の家」の超耐久で無難な家。

直ぐ隣あわせのコーナーサッシが全く同じサイズと大きさで、ガラスの熱侵入率だけ変えている。組み立てるときにそれらが混じってしまったとのこと。
西側は日射侵入率の低いガラスを使いこれがグリーン色。一方南側は日射侵入率の高いガラスを使いこれがブルー色である。入れ替えは至って簡単で現地で作業完了する。

次に確認したのが基礎上端のシロアリ発見用コンクリート打ち放し露出部分。このわずか50mm程度の部分を露出させる事で、シロアリの侵入位置を確実に発見できる。土壌シロアリとしてヤマトシロアリしか生息しないからこれは効果的。

何回か紹介しているが、上山の家では基礎外断熱を採用しているのでこのような工夫をしている。ご当地ではこの部分を設ける考えは少なく、気をつける人でも殆ど蟻返しで終わらせると思われるが、生物対策としてやはり目視メンテナンスに敵う予防はない。

18mmある通気層にはコウモリ防止網を取り付け、12mm以下である概ね11mm程度外壁隙間はそのままとしている。

更にこんな配管貫通部もシロアリ対策はぬかりない。

配管が終わったら、吹きつけ断熱材とモルタルで穴を塞ぐ。

床下エアコンの冷媒管や給湯機の配管も。更に地中内に埋めてしまえば簡単な施工なのに、あえて地上部で露出させ、断熱のラッキングを施してつくる排水管↓。新潟なら排水にまで断熱ラッキングではなくても良いのだが

基礎貫通部分にあえて打ち放し露出部分を残す。

施工に手間がかかるが、地中内で隠蔽して土間コンクリートからシロアリが来るリスクを取り去った考え方。無論若干の断熱欠損は出来るが、結露しない限りわずかな暖房費でシロアリ侵入リスクを消す事ができる。どちらを選ぶかは、その土地のシロアリの活動状況によるし、地域にのこる緑の状態にもよる。

基礎外断熱と内側断熱のハイブリッド。この方式ならスラブから外気へ逃げる熱をブロックできる。

小熊笹なら密集すれば他の植物の侵入防止になりメンテナンスが最小になるとおもわれる。

外構ではこの地区の協定により道路から700mmまでは擁壁はおろか少しでも工作物の段差が設けられないとのことであるが、それを逆に良い方向と考え小熊笹を植えて地域に貢献する計画とした。余裕をつくると家の価値(見栄え)が上がる。何事も余裕が付加価値をつける場合がある。実は

その家の事はかの有名な徒然草にあり、建築士なら誰でも知っている言葉、

「家は夏をむねとする」の後の記述には

「家には一見無駄に見えるスペースが大事」

とある。

そう・・・何か使い道が無いようなその空きスペースが、他の空間や意味そして日頃の余裕ををつくってくれるのかもしれない。普通はそんな無駄なスペースは無理な場合が多いが、この言葉が頭に入っていれば設計するにあたり良いときがあるかも。

今回の家内部なら・・・

黄色く囲った部分だろう。何か籠り場ってな感じで使えることもある。

別に物入れでもなくただ単にキャットウォークに出る通路として使うUBの上の空間。何か余裕のスペースとなっている。

土間キッチンでは天井の高い方が似合う。そこで苦労するのはレンジフードの取り付け方であるが、設計の段階で構造梁をレンジフードが固定できる位置にミリ単位で設計し、完成時にはコンロの上にピッタリと納まる。

奥が2400の跳ね出しを支え、手前は1000の跳ね出しとなるテーブルの組み立て中。間に合うのか?

今回の山形県の上山の家は、今までないような事が一杯感じられると思う。

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