再掲載 床下暖房を採用する理由

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冬型の明暗がしっかり分かれた今朝の天気。

床下エアコン暖房を標準化してからちょうど9年を迎えた。

何故床下エアコン暖房だったか?当時からその理由は変らずに同じで明確

このブレの無さは過去ブログを見返すと自身でも驚き、そして家造りとは10年くらいは同じ仕様と理由でよい、と思っている。その変わらない事が「緑の家」の誇りでもある。

ユーティリティーに設置される最も典型的な「緑の家」の床下暖房設置状態。

当時の理由を再掲載すると・・・(下は2015年に記載)

高気密高断熱で24時間暖房の家になると一般的に床下暖房しなくとも床面の快適性は維持できます。だからこそ15年前から床下へエアコンを設置する「緑の家」は有りましたが例外でした。それがどうして床下暖房が6年前(2009年)から標準となったのでしょか。快適だからという簡単な単語ではありません。

「緑の家」で標準化になった理由は2つ。

1.家の性能は年月が経過してもほぼ変わり無いが、人は大きく劣化する。

2.人それぞれ快適感は違う。

です。

20年ほど前に「「緑の家」ほどの断熱気密性能になると、床下暖房しなくとも足元も快適で真冬に裸足でも冷たくない」と申し上げたのですが、あるとき

「私は真夏でも床暖房が必要です。そのくらい冷え性です」

という建て主さんがいらっしゃいました。
「高気密高断熱の家は足元の温度低下がほぼ無いので冬でも夏の頃の床表面温度だから床暖房なんて性能の悪い家に必要なもの」
と思っていたときに言われたその一言・・・その時に
「ああ、人はそれぞれ感じ方が違う。自分の物差しだけで快適性を語るのではなく、幅広く対応できる家の暖房方法を考えなくては・・・」と素直に受け入れました。それが2.の人それぞれ感覚は違うなのです。床下暖房ならその床下エアコンを使わなければ普通の高気密高断熱のムラのない暖かさが得られ、もっと足元を温めたいかたはこの床下暖房を使って頂ければとの想いです。

拙宅は今から27年前建築されており、当時はトップクラスの高気密高断熱住宅であった。
その頃は灯油が40円/LでありFFストーブで暖房していたほうがエアコンより経済的であったので拙宅も2階にFFストーブがあった。このストーブ1台で家は温かく、真冬でも裸足が気持ちよくそれで寒いと感じたことはなかった。ところが40歳代前半のある冬・・・突然足元が冷えるように感じ、靴下を履いた方が快適に変った。

「はて・・・家に経年隙間が出来たのだろうか?」

と思い調べると家の性能は変っていなかった。

実は変ったのは・・・私の体の性能だったのである。

そう・・・冷え性予備軍になった。

建築当時の年齢は20代後半で体もある程度運動もしていたので代謝はよい健康体。ところ加齢と共に運動も少なくなり、代謝が落ちているのが自身でもわかった。同じ室温でもキーボードで指がかじかむ事を感じ始めた。足元も同様であり、この時初めて・・・

「人は自身の体性能が変る。その時に家の性能の変えることができる仕組みが良い」

と強く思い・・・

床表面温度が簡単に変えられる「床下暖房」を標準装備した。

よって・・・オーナーさんの今の快適性を追って床下暖房を標準化しているのではなく、

将来の加齢による自身の体調に合わせ家が性能を変える事を狙ったのである。

もし若い世代(30代のオーナー)さんなら、当初床下暖房を使わなくとも超高断熱高密住宅にエアコン暖房だけでとても快適である。私は少なくともそのように30代を高気密高断熱の自宅で過した。

さて・・・1階にある家族の間なら床下暖房の効果を加齢時に堪能出来るのだが、2階の家族の間が有る時には少し悩む。過去「緑の家」ではその代表例が2つある。

片貝の家(2011年)小新南の家(2015年)であるが、その両方とも1階床下用に設置されたエアコンで2階の床下になる懐に温風を吹きあげて2階の床も床下暖房にすることに成功している。

これで2階の床も快適な温度になっている。しかしこれはイレギュラーな事でオーナーさんに同意(掃除できない事)を求めてから行っている。

また加齢時の快適性の変化と床下暖房については・・・

2016年になんと真夏の7月に床下に温風を吹き込む方が快適・・・と、業界では「!」マークが10個くらいつくような事を宣言していた。

夏も含め床の表面温度は24度から26度くらいが40代以上の大多数の人には快適感を与えているらしく、床面温度の低下は不快感をあたえることがわかっているので、「緑の家」では床下冷房を当初から否定し採用していない(一度見学会で試したことはあったが)。

9年経過した緑の家の床下エアコン暖房は完成形・・・今後も広くおススメしていくだろう。

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コメント

  1. くわなま より:

    Asama様、早速のお返事ありがとうございます。

    やはり過去のブログで示されておられたのですね。探し出せず、失礼致しました。

    これからもブログを楽しみにしております。

  2. くわなま より:

    はじめまして。くわなまと申します。
    毎日ブログの更新を楽しみに見させて頂いております。

    先日、旧ホームページのコラムを拝見させて頂いていたところ、気になる記述がありました。

    >②埃やゴミそしてコンクリート臭が蔓延している(https://arbre-d.sakura.ne.jp/main/column2/56-2/)

    >床下はコンクリートで囲まれるために強烈な「コンクリートの灰汁臭」がする。この匂いが室内に入ると思うと「ぞっと」するくらい。(https://arbre-d.sakura.ne.jp/main/column/16-2/)

    これらの床下のコンクリート臭は、現在の緑の家ではどのように克服されているのでしょうか?

    • Asama より:

      くわなま様
       
       コメントありがとうございます。また何時も立ち寄って頂けるとのこと、ありがとうございます。

      >これらの床下のコンクリート臭は、現在の緑の家ではどのように克服されているのでしょうか?

      2007年11月20日のブログ投稿に2011年1月24日に修正投稿としてに↓を公開しております。ご覧頂ければと思います。

      https://arbre-d.sakura.ne.jp/blog/2007/11/20/post-0/

      3000ページ以上あり確かに探すのが大変で申し訳ありません。