新潟市白山浦の家 完成5 
  雨水と設備

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雨水タンクに流入前に入るドロップマス(ゴミかごつき)。

トイレの排水を上水で行う事に抵抗感がある人は雨水タンクを地下に埋込み、その水を利用するとよい。関東甲信越の雨水利用はトイレに使って初めて効果がでる。

本格的雨水設備を備える白山浦の家。どこから見ても雨水タンクは見当たらない。

一時期雨水利用がブームになったが今はあまり聞かれない。そりゃそーだ。当時の雨水利用は庭への散水と車の洗浄がメインであったため、その恩恵を受けることがなかった。

例えば庭への散水を考えてみよう。庭の木や花が人が撒く水を必要とする季節は真夏のカンカン照りが数日間以上続く時だけである。一部関東の冬期も必要とする時期があるが、冬期は草花の種類も限られているから例外とする。真夏以外の季節では、雨が数日間隔に降るので実は散水などほとんどしない。プランターや植木鉢なら必要になるかもしれないが地植えには必要無い。

カーポートに埋め込まれた2m3級雨水タンク。雨樋から手前のマスに一度落とされ、葉っぱや砂などが分離・漉されタンクに溜る仕組み。

次に洗車を考えてみよう。セルフスタンドの多くがセルフ洗車機もあり、洗浄だけなら200円か300円で10分で可能な時代。自宅で洗車するのは一部のマニアさんだけになっているので、自宅洗車で雨水を使うのはまずないはず。

となると雨水は残り使われずじまいで自己満足に終わる。しかし雨水をトイレの汚物流しだけに使うことを考えるとこれが結構利用価値がある。

トイレの排水は1回約7Lであり、仮に家族4人で一週間に何度ながすかというと、実に200 回/週で1400Lもの水を使う。一ヶ月で5600L=5.6m3になる。二ヶ月で11.2m3となり家の総量20m3以上使うと仮定したときの単価で計算すると、2ヶ月で2700円となる(新潟市の単価、加圧ポンプ電気代200円)。これは一年で16200円の節約である。一方雨水タンクと加圧ポンプにかかる費用は45万であるから約30年で元がとれる計算となる。これが合理的かどうかは価値判断による。無論、新潟市の単価より高い地域はもっと早く元が取れるし、単価が低ければ遅くなる。

上の例でもおわかりのとおり、トイレに使う場合は最低でも1400Lの水がないと水涸れを起こす。出来れば2m3(2000L)ほどの容量がほしい。このため貯水タンクは大型化し、そのため地下に埋設する事が一般的である。地下なら太陽光も完全遮断できるので藻も生えることはない。

白山裏で使用しているのは概ね2m3(2000L)のタンクでこのうち7割が使用できる容量とすると1.4m3(1400L)となり、4人家族でも7日間雨が全く降らなくとも問題ない。2人なら14日間となり、実用的な使い方ができる。

この加圧ポンプでトイレに圧送する。圧力センサーで蛇口が開いたときに自動ONとなる。

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