通常サーモグラフィーは建築業界では温度分布による断熱解析で使われる事が多いが、別の利用法もある。とは言っても熱分布しかわからないのであるが、その熱分布のもう一つの利用法である。
上の画像は観葉植物の足下を写している。左側は素焼きの鉢で右が樹脂で出来た鉢と鉢カバーである。ご覧のとおり素焼きの鉢の表面温度を示す2の温度は21.3度で樹脂カバーの方は22.7度と1.7度素焼きの表面温度は低い。両方の表面を触っても乾いている感触であるが、素焼きの方は透湿抵抗が低い(液相の水分もとおす)ので、水分が気化するときに温度低下をもたらす。このわずかな温度差をサーモカメラはしっかり捉えることができる。
これは使用中のタオルでも同様で、左の青いところは濡れた手を拭いた部分。右の通常写真からその湿っている部分と手を拭かない部分とのはっきりした違いは無いが、サーモカメラだとそれがしっかりと写しだされる。
再び観葉職別の鉢に戻るが、上の右側では土の粒が大小有り同じような土の湿り具合に見えるがその水分の放出具合が左側に表われている。青いところほど水分の気化が大きくなっている部分である。つまり水分供給が盛んに行われているところ。
このようにサーモカメラは水分供給の多いところが可視可できるため、熱解析以外にも建物の水分があるところ、透湿抵抗が低いところなどの確認に利用できる。