気密の良い最近の車だと循環モードではこんな状態である。
本題の前に
COVID-19で換気の悪い空間を視認するためCO2測定器が一躍有名になった。そのため厚生労働省はCO2機器ならNDIR方式のセンサを薦めているようである。しかしどんなに良いセンサーでも、正確な測定には校正が重要となる。当ブログで使っている機器は下の大学の研究室で使う定期的に校正された機器と同じくらいの数値を示していることが確認されているので、研究以外の目安測定なら全く問題ないと思っている。
さて本題である。測定車は「風」であるため車内は狭いので一人でもこんな感じである。「風」は初年度登録が2012年なので既に9年ほど経過しており、決して最近の新車のような気密性が高いとは言えないがそれでも下の結果となった。
時間を追って数値をのせると
となる。
これを外気モードにするだけで
このように9年経た「風」であっても循環モード一人乗りでも直ぐにCO2濃度が2000PPMとなる。普通の車より車内気積は半分以下だからやむ得ないが、普通のセダン又はSUVでも2人なら同じくらいになるかもしれない。従ってこの頃の欧州車はOFF時に循環モードであってもエンジンON時にデフォルトで外気モードになる。ただし外気導入モードであってもファンが回らないときはここまで下がらないだろう。
一方気密性がない20年経た軽自動車は一人循環モードであっても走行中なら外気が隙間から入るせいか900PPMで安定する。
このCO2測定器はもう11年間お世話になっているし、11年前にも同じ話題を取り上げていた。その時の車種はプリウス。時代だな~と思うし、それから11年後にようやく世の中がこのCO2測定器で換気の可視可を始めた。2010年に書いたブログは下のとおりである。
一方真夏(7月~8月)に外気導入モードにすると湿度をとるためだけにエアコン能力が半分使われるので室温も下がりにくいし、当然湿度も下がらないので暑く感じる。つまり冷房負荷が大きいので涼しくなりにくい。従って私は循環モードで使用しているが、特に眠くなったり運転がおかしくなることはない。逆に暑かったり、汗が出ている方が運転に支障がでると感じるので、Co2の濃度に一喜一憂する必要はないと思う。
上のブログ時の2010年より現在の建築学会での換気の研究は少し進んでおり、最新の換気評価はCo2の濃度に頼りすぎるのはどうか?との意見も研究者の中では言われている。確かにファンヒーター時の室内のこと、また今回の車内のこと等体験していると換気の指標としてのCo2の濃度は今後議論されそうである。