全熱交換型換気扇のメリットと予想外のC値0.1cm2/m2

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昨日清五郎の家の完成気密測定が行われた。結果はC値0.1cm2/m2(小数点第二で四捨五入)で予想を裏切り大変良い数値のままとなった。

本来なら設備が取り付くとエアコンのドレン数本、換気設備の隙間などで中間気密測定値の0.1cm2/m2より0.2~0.3低くなるのだが、中間時と変わらず0.1cm2/m2になったのは立派である。理由の一つとして換気設備はダクト式の全熱交換型がある。この給排気口は分散型と違い一カ所ずつなので周囲の漏れが少ない。

床下に設置された第一種全熱交換型換気扇。

さて・・・

「全熱交換型換気扇を何故使うのか」との問い合わせに、夏の低湿化が上げられるとあるネット通信便で頂いた。そこでもう少しわかりやすくすると・・・

仮に27度でRH(相対湿度)50%を室内の空気で24時間換気の量を120m3/hすると、夏期の外気の絶対湿度は時間によって大きく変わる事が無いので、仮に今年の8月1日の早朝6時の環境25.6度、RH(相対湿度)91%、露点温度24度を考えた場合、顕熱交換型換気システムでは換気だけで8.8g×120=1056g/hの湿気が室内に流入する。これを60%湿気を回収する全熱交換型換気扇をつかうと422g/hとなり、一日の差は15Lにもなる。もしこの換気扇以外全く同じ条件(含顕熱比)で空調した場合、全熱交換型換気扇を使えばRH50% だった空気が顕熱交換型換気扇ではRH(相対湿度)70%になる。この差が全熱交換型換気扇を使うメリットである。湿度環境は第3種換気も顕熱交換換気と同様と考えてよい。27度時のRH(相対湿度)70%と50%の空気感はほとんどの人が違いがわかる(軽作業時)。

参考に代表日として令和3年8月1日夏の外気と「緑の家」室内の空気中の湿気量を数値比較にすると、

外気 朝 25.6度 RH(相対湿度)91% →21.68g/m3
   昼 29.0度 RH(相対湿度)72% →20.7g/m3

室内 終日 27度 RH(相対湿度)50% →12.88g/m3

その差1.64倍にもなる。これをエアコンの冷房運転(湿度はなりゆき)だけで埋めることができないので、除湿器、再熱除湿などの補助空調が必要とされる。しかし湿度70%で快適・十分と思う方には必要ないだろう。基礎断熱の場合はこの70%がやっかいな問題(カビ)を引き起こす場合もあるので注意が必要である。

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