天井高2.1mだと様々な問題が起きその一つにいつものCF等が配置できない。また上は洗面所の入り口であるが、通常なら戸の上にエアコンのリターン口が配置される。それができないのでこのようなレーバーの羽戸になった。
「緑の家」では通常床下エアコンを居室以外に配置する。特に多いのが洗面脱衣所である。なぜ洗面脱衣所かといえば、「緑の家」の床下エアコンの吹き出し原理が圧力差に基づいているため。詳しくはこちらをご覧いただきたい。
エアコンの風を床下に1000m3/h以上で押し込むのでリターンもその風量を難なく戻せる開口部が必要。最低でも有効開口面積として900㎝2は欲しいところ。つまり30㎝真四角であるが、それを戸の隙間だけでとることは不可能で、通常は30㎝角の穴を戸の上に設けるが、天井高が低いと設置できない。また壁もないので、戸自身に穴が開いている必要があった。
造り付け洗面台の良いところは「本物」である素材で作られていることと、床下用エアコンが配置できること。一方悪いところは流行の立ち上がりとの一体型洗面器はないことと、収納の割り付けなどが細かくないこと(コストをかければ細かくできる)。長い目で考えれば本物の素材が良いかなぁとは思う。
最近はほとんど使われることのない100角の磁器タイルのキッチン壁。今回は150角の大きなタイルではきれいにタイル割ができなかったので100角としたが、これはこれで良い。素材は普遍的なものがやっぱり私は好きだなぁ。
今回のキッチンは造り付けである。そして「緑の家」造り付けキッチンは、ご覧のとおり扉のないまたは非密閉のオープン型。この理由は・・・プロのキッチンの理屈を考えればよく理解できると思う。建て主さんはショールームにあるキッチンをみてあこがれるが、実際生活してみるとそんな素敵にはならない。これには大きな理由がある。プロのキッチンが仕事終わりにスキッとしている作業台の秘密が・・・収納オープン型なのである。