基礎断熱時の熱の逃げ
通常陥る熱画像の罠。

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「緑の家」の全景熱画像。窓フレームからの熱の逃げが顕著で基礎からは少ないように見える。

真冬の「緑の家」Bグレードのサーモグラフィーは一般的な超高断熱住宅の画像である。熱の逃げやすいところは窓付近に集中し、特にサッシフレームで熱の逃げは大きくなる。

基礎下部からの色が緑色で温度が上がっていない。さらに外壁より低い基礎温度。また基礎周囲は雪解けの水を吸った土が接している。

こちらは基礎廻りの熱画像。「緑の家」の断熱のグレードはBであるため、最もスタンダートな基礎内断熱であるにも関わらず、基礎下部からの熱の逃げは少ないような色。一方外壁の方が基礎より熱が逃げているような色を示す。当然、エコキュートの貯油タンクと排水管は真っ赤な温度色で基礎や外壁より数度高いことを示す。外壁の紺色と黒い雨樋スリムダクトでは温度の差がないところにも注意。

例えば↓の画像・・・

上のご近所の外観写真とその熱画像。

塀の鉄板から熱が逃げているように赤く写るがこれは天空日射によるわずかな温度上昇。錆びているので熱を吸収しやすく白っぽい建物外壁より温度が上がるため。決して中から?の熱が逃げているのではない。特に外部の熱画像は放射と吸収が複雑に入り交じることもあるので単純に考えることが出来ない。

それを踏まえ・・・

以前の同じ断熱グレードの基礎の画像と比べると、基礎からの熱の逃げる状況は少ないように見えるので熱の逃げが少ないと考えがちだが、これは早計である。

基礎下部が湿った地面と接しているときの基礎立ち上がりからの熱の逃げ。

室内側の床下から基礎を写せばきっと基礎周囲の温度が、今までと同じように低くなるはずだが、その画像を取り忘れてしまったので以前撮影した熱画像とする。

基礎外周部分の表面温度は断熱材が切れた周囲1mから低く、中央に向かうに従い高くなる傾向。

このように端的に申し上げると、特に外部撮影からの熱画像だけからでは事実は見えない。そもそも上の基礎写真の基礎と外壁の温度分布は、外壁の方が高く写っているが、これが果たして室内の熱の逃げなのか、外壁色が黒いことで天空日射が白っぽい基礎より多く吸収しているかが不明だからである。普通に考えれば通気層がしっかりある外壁部分は基礎より温度が下がるのが道理。それが高いことは何か理由がある・・・と考えることが科学的な推測といえる。

同様に基礎外周から逃げる熱が大きくとも、この基礎立ち上がりに内部から伝導するまえに、「湿った」地面と接している基礎下部から逃げて冷やされてしまっていることも考えられる。今回は写真のとおり基礎と接している土は完全に濡れており、乾いた土より濡れた土は数倍熱伝導率が高い。下は地面が比較的乾燥している時のBグレードの写真。

基礎下部地面と接しているところはコンクリートによって冬期でも比較的乾いている時の基礎からの熱の逃げ。

一方昨年お伝えした下の写真の大野町の家ように、基礎内側からみても基礎土間コン外周部の温度低下がなければ外部の基礎画像をそのまま受け取ってもよいだろうが、基礎外部の熱画像だけでは熱の伝導状態がそのまま判断が出来ない。下は基礎内部の外周温度が下がっていない写真である。

室内側からみると基礎外周部の温度低下はほとんどなく、外周部からの熱の逃げが抑えられていることが示されている。(大野町の家の床下の熱画像)

このように通常撮影しがたい基礎内側写真が、簡単に手軽に検証できる高基礎のの「緑の家」はやはりメリットが大きい。

また床下空間の温度によっても基礎からの熱の放出はかわる。今回の熱の逃げが少なく見えていた建物は、床下温度を極端にあげないで生活しているとのこと。一方基礎立ち上がり温度に差がついていた住いでは、床下の温度を結構あげて生活していたとのこと。条件によって変わるので一概に基礎表面温度だけではその断熱材の効果の比較ができない。このあたりが熱画像だけでは評価できない陥りやすいところである。

外部から撮影した熱画像の評価はむずかしい・・・。

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