新津美幸町の家 模型完成

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単純な四角に家に大きめの屋根。片流れ屋根に見えるが実は切妻屋根である。

新潟県新津に計画される美幸町の家の模型が完成した。
現在事務所は欠員が出てしまい、先月から私の仕事に負荷が大きくなり業務が遅れ気味でスタッフが模型をつくるのもテンヤワンヤである。このためハローワークをとおして求人依頼を行なっているところであり、早くスタッフが入ることを期待している。

本題だが、上の写真では一見すると片流れ屋根のようにみえる。しかし「緑の家」では近年原則片流れ屋根は行なわない。よって実はこちらも切妻屋根となっている。

必要以外の窓はないことは、メンテナンス・防犯上も有利となる。玄関へのアプローチ階段を覆うくらい張り出した屋根計画。

特にこの美幸町の家は、「無難」に力をいれた設計となっている。

まず平屋であり、断熱気密はG3以上のAグレードとなる。平屋はUA値算出が有利に働くので多分UA値0.18w/m2kくらいになるだろう。そして県内設計では初のデシカが導入される。今までデシカ付の住宅設計は県外のみ。それは新潟県での「緑の家」では、デシカがなくともエアコンの使い方で容易に湿度管理ができるためあえて必要がないと思っていたから。特に湿度を下げたい夏期においては、第一種全熱交換換気扇と浴室CFのよってRH(相対湿度)50%未満を維持できる。しかし、湿度管理は住まい手の操作とある程度の管理が必要だが、デシカなら設定一つでほおっておいてもよく、誰でも湿度管理ができる。つまりより湿度管理が無難となる。また冬期も同様で、「緑の家」の高めの湿度になりがちであっても、デシカなら自動で住まい手の望んだ湿度になる可能性が高い。つまり一年中湿度管理においても無難である。

一方コストを除くとデシカの欠点はその大きさと騒音であるが、こちらも床下に設置して周囲を塞ぐので比較的対処が簡単になる。

平屋なので屋根が占める割合は大きくなる。

次に設備でなく意匠も無難である。平屋の多くでは勾配天井による立体空間を計画することが殆どだが、建て主さんの意向で梁も出ていない平らな天井となる。梁が露出し見えると空間に変化がありとてもよいのであるが、一方で梁の上に埃がたまり、年一回の梁の上の埃取りを行なわないと、突然埃の塊が上から落ちてくる。梁の掃除を高齢時になってから行なう事は出来ないとの判断で梁は見せない。また平らな天井は和小屋となり、1階のプランにほぼ左右されず梁を自由に計画出来、最も効率的にかける事ができるので、これも無難である。

屋根を取ると平らな天井が表現されている。
間取りをよく見ると僅かに棟位置と中心壁位置がずれているが、和小屋なら問題無い。下のプランとコスト優先での設計の進め方ができる。

しかもエアコンや換気扇の取り付け位置が低く、脚立無しで普通に立ったままメンテナンスが可能な位置にとのご希望。さらに、窓前には外部日射遮蔽を簡単にできる電動窓シャッター(ブラインド的使用も可能なタイプ)を取付け、簾を不要にできる。

当然耐雪は市で定められた設計積雪量の1.3mで耐震等級3である。

南側の大きめの開口部には庇の下にシャッターBOXがつく。

4年ほど前に同様な「緑の家」が完成しており、Aグレードで窓上にシャッターBOXと簾留めまである堺市の家と同じようになるのだろう。

堺市の家 窓単体取り替え+シャッター+簾の贅沢仕様。 2018年竣工。

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