武田邦彦氏を知ったのはもう25年以上前。リサイクルの事で検索しているときにその名前を知った。その時既に50才代半ば。つまり武田氏は御年79才である。なのに今回の参院選の全国区比例代表候補者。毎日全国を駆け回って、心限り声を出して街宣を行なっているのには、もう驚異としか言いようがない。
私が恩師と呼ばせて頂くのはこの業界で大変お世話になった赤林先生だけであるが、武田氏には建築以外のことで様々な影響を受けた。
武田氏は歯に衣着せない言動が魅了であるが、時折言い過ぎて揚げ足を取られることが多い。また思い込みもありそれが間違っているときは、訂正し謝罪されることもある。そんなところも好きである。年数回出版される書籍によって所得は高くお金で苦労されることはないはず。名声もあり資産もあるこの方が、また昨年末体を壊して1ヶ月近く入院されたのに、この厳しい夏の選挙に立候補される想いは、誰よりも心に伝わる。多分自身は落選するだろうとわかっているのに、理念が同じ同士が当選すればそれでよし・・・つまり人柱になり後に続く人の土台踏み台になれば・・・とのこと。一昨年に国内ブームを巻き起こした「鬼滅の刃」の中で、心身共に優れた強い人を「柱」と呼ぶのも日本人の心に触れる何かがあってブレイクしたのだろう。
日本社会は不思議なところがあり、立候補すると殆どの仕事がなくなるとのこと。実際武田氏も地上波TVやネットTVは無論、顧問などの仕事も殆どクビになったとのこと。そして自身の当選はないとの確率が高いのに、将来の子孫のためにと出馬された。その高い志には一度もお目にかかったこともないが、同性として心から武田先生を尊敬する。元々日本人は農耕民族であったため、一代ではなしえない田んぼ開拓や森の育成が日常で有り、そのため昔からそのような生き方が多かったのであるが、それを今忘れてしまった人が多い。生き様も大事だが、同時に死に様が大事だと最近悟ったことで、79才になっても将来の子孫のために力一杯そして懸命にやり遂げることを行なって、その魂を未来につないでいきたい。