昨日長野県諏訪郡原村に建設中の原村の家の外壁を仕上げる前に行なう防水検査を、スタッフAと伺ってきた。原村の家はUA値0.16w/m2kで耐震等級3、延床面積233m2 70坪(居住部分の床面積50坪)と性能は高く比較的大きい家である。
本来なら来月完成予定であるが、様々な要因で遅れてしまい完成は来年1月くらいである。厳寒期の完成であり本格的冬前に工事監理が終わる予定であったが、冬の厳しい原村に1月に何回か伺うのは、体験してみたい・・・でも少し寒すぎて怖いような気がしている。建て主さんはもちろんプチ見学会を楽しみにしていた方にも大変申し訳ないと思っております。
さて・・・防水の方は特に大きな問題は無く終了。内部はまだ進み方が遅いが、それでも形が見えはじめてきている。
組み込みのガレージがあるので、ここは不燃材のモイスを貼る。モイスは堺市の家の内装で全面貼り(そのまま無塗装)した。その時に独特の意匠性はとても良いのだが僅かな匂いが自分の好みではなかったので(多分時間が経過すれば問題無いのだろう)、車庫なら問題無いと考え原村の家では採用した。
モイスはケイ酸カルシウム板と同じ認定で不燃材料となっており、車庫にはちょうど良い。ただ似たような表情のフレキシブルボードに比べ湿気を吸い込む素材でもあるので、このような半屋内でのカビに対してはまだ未知数である。万一カビが生えたら無塗装から塗装にすればよいと考えている。
次に・・・
例の水みちのため造った暗渠からの水も、蕩々と流れ出ており浸透マスも有効であることがわかる。地元の方は「この水は外気温-20度でも凍らない」とのこと。
浸透マスは2段階になっており、最初のマスでオーバーフローしたら下位のマスへ送る。更に浸透させオーバーフローした水が敷地の一番低いところから染み出る。建築の設計とは水の処理が一番最初と私は考えている。
この水みちで地面の大きな断熱効果は期待できないが、それよりもこの地域は凍結深度800mmなので、それを如何に床下から切り離すことが出来るかのほうが肝心である。そのため基礎立ち上がりは内外断熱を施している。
原村の家では半外部のバルコニーを計画している。このような完全に外部と遮断でき仕切れるバルコニーは自然豊かなところほど必要だと思う。真夏を除く初夏から秋までの日中は害虫(刺す虫)に悩まされることなく、また夜でも光に集まる蛾や虫に悩まされることがないように、ガラス戸で仕切ることが出来る。無論氷点下になる冬の日中でも、ガラス戸閉めるだけで日射熱により温度は部屋並みになる。この時気をつけたいのは、私も同じ七輪ラーなのでわかるが、一酸化炭素中毒と煙である。そのためこのバルコニーには、ガスレンジフードと同じ性能を持つ換気扇が設置される。煙は完全には排出不可能だが、酸素供給は確実にできるので、煙があまり出ない使い方なら十分実用的になる。
当然風量が600m3/hもあれば、連動給気口も必要であり上の写真のようにごっつい断熱材を巻いて結露防止に備える。これで七輪料理を心おきなく楽しめる。
工事監理にはいつも建て主さんが立ち会って頂けるので、タイムリーに報告ができまた打ち合わせも可能でスムーズである。帰り際にほおずきを頂き、なんとこれは食するとおいしいスイーツとのこと。ほおずきは子供の頃、食べられることは知っていたが、当時食べている大人もいなかった。そして食べてみると・・・濃厚な甘酸っぱさ。この味はプチトマトとベリー系を併せ持ったあじである。
長野県に行った際は是非お土産で味わってほしい。
さて次の工事監理は足場が外れる直前であるが、足場が外れた時には紅葉は終わり木々にもう葉はないが、その時の表情もどうなるか楽しみである。