原村の家 完成1 

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濃い群青色の手漉き和紙で囲まれた玄関ホール。

超高断熱UA値0.16w/m2k 完成時の気密c値=0.3cm2/m2

耐震等級3、耐久性(劣化防止)等級3相当 高基礎の家

原村の家が外構を残して完成したのでいつもようにご案内する。

湿気から家を守る高基礎の原村の家の玄関。

東側にある主玄関は対白アリ防止の究極系であるいつもの木製階段をあがりいつもの北欧製の厚さ7cmの超高断熱木製玄関扉となる。

その重みを感じる玄関戸を開けると少し暗い空間。

中に入ると南側壁には格子状に分割された雪と木と光に目を奪われる。

落葉したこの季節はそれぞれの梢や幹を愛でる。下段を消して道路OFF。

人は広い景色を見ると意識が分散され個々の造形を見落としがちになる。また動いている物があるとそこに気持ちが集中し、瞬間の美しさを見ることができない。このため一瞬を制止させた写真や絵に魅力を感じるのである・・・と私は思う。

原村の家の環境の美しさは町を挙げての誇り。だからどの景色を見ても感動するが逆に視覚は分散されがち。そこで見せたい、又は見たい風景だけを切り取ってその他は暗く集中できる空間を玄関としたかった。特に明るさ、環境には不自由ないこの地では、窓は大きいだけではない日本建築の特徴を取り入れたかったのである。

松の木の幹だけを切り取る。

この窓は意識が集中してより深く木々や今の季節なら雪を楽しむ事ができる。この窓切り取りは自由に変えられ、季節、時間、午前、午後・・・移り変わる様々な緑や雪氷、光と影の「絵」を無限に飾ることが出来る・・・そんなおもてなしの玄関である。現地ではこれら写真よりもっと印象的な「絵」と感じたが写真でも伝わるだろうか。

立木と雪の積もる屋根。天井の明るさが上の二つと変わり闇となる。
林中の気配
下枠には車が走り去り、上窓は小鳥が飛び去る。上段を開けると天井が明るくなる。
白雪で飾られた隣家

季節ごとにこの設えを変化させ建て主さんも楽しむ事ができる窓。当然超高断熱Uw=0.65w/m2k※の窓であるため結露で曇ることは皆無。
※通常のトリプルガラスのサッシはUw=0.9w/m2k程度とその1.3倍の断熱性

よりそう赤松の幹

日が陰れば外構灯で照らされた庭の木を映し出してもよいだろう。窓を全閉すれば真っ暗なかに浮かび上がるように、反対側の壁面に季節の花をおくことも出来るように小台を設けた。

靴を脱ぐための腰掛けと花を飾る小台。当然腰掛けてしばし窓にみとれることにも使える。

自然に囲まれているため、ブーツ等をはいてお見えになるお客様も多い。その際、ふらつきがでないように腰掛けを設る。この板は以前の住まいで使っていた天然の無垢板を再加工してほしいとのご依頼。

そして杉の無垢材で赤みのみを丁寧に使った引き戸を開けいよいよ中にはいる。引き戸のデザインは、閉まっているときに縦の框巾が同じく見えるように枠と重なる左手は9mm框巾が広く設計している。

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