基礎完成 

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ペンション通りの道路側よりみた時の基礎。

長野県諏訪郡原村に建設中の原村の家の超高断熱で深い高基礎が完成した。基礎U値は基礎上部立ち上がりで0.146w/m2k、基礎下部の線熱貫流率で0.15w/mkと高い性能となっている。

脱枠時には上の写真のとおり背の高く、深い基礎だったのが、

こんな感じで普通より若干高い基礎程度にしか見えないくらい土にはいる。仕上がりは良好で、ちょうど良いタイミングで雨もふり良い養生となっている。

止む得ない理由で行なわれた田植え施工のM12アンカーボルトの被りなどをチェックするために、書き込まれたこのピンク矢印が示すマークもキチッと設置してあった。

ピンク線が水平ライン。この左側は下がり勾配、右は上がり勾配で車庫に向かう。

道路に急な勾配があるときに最も注意するのが車の乗り入れである。特に氷点以下が多い地域では、できる限りアプローチ勾配を緩くしないと、車の乗り入れが厳しくなる。その時に多く使う手法が乗り入れの中央で道路とのレベルをゼロにするやり方。ここを基準に他のレベルを考えたうえで設計GLを決めるために、レベル計画は複雑になる。しかしこのように配置とレベルを考えれば、乗り入れ勾配が最も緩くなり、今回の勾配は1/20で車いすで自力走行ができほど緩くなる。一方雨水の侵入防止も同時に考えるとアプローチのコンクリート面は3次元の勾配になり、職人さんの腕が仕上げに影響するのが少しのデメリットか。

この写真のように道路勾配が急である。この時に道路と水平になるのがピンク位置。

道路に勾配があると断面計画は大変であるが、できたときにはやはり自然な感じ見える。

地面から2m以上下に暗渠を設け、建物へ水が近づくことを防ぐ。

埋め戻した後に再び深い穴を基礎周囲にほる。これは地面の中の水みちをここでカットして建物に近づけないようにする暗渠である。このことは当初から土地を販売斡旋してくれた不動産屋さんが何度も言っていたこと。先の基礎を掘った段階で水みちの位置を把握して暗渠の深さを決めたが当初の設計より800mmも深い位置に水みちが有ったことには驚いた。水みちをそのままにしておくと、基礎断熱のときにはその断熱性能が著しく落ちるし、床断熱の時には基礎内が結露して水害や湿害を受けるので、その対策はとても重要である。

これが木造なのかと思わせるほどRCで立体的に造られる。

基礎土間は2つのゾーンに分けられる。奥は床下暖房を行なうゾーンで1階設備室扱い。手前は1階の部屋であるがこれ自体を床下暖房ゾーンにして2階の居住部の床下暖房として使うという今までない床を暖める発想。この発想は原村の家の建て主さんが発案者であり、13年前の風呂CFもそうであったが私はいつも建て主さんに恵まれていると思う。建て主さんの発案を色眼鏡で見ないで先ずはそのまま素直を受け入れ検討してみると、とても斬新で利に叶った発想があることに驚かされる。

今回の原村へは事故渋滞があり、いつもの1.5倍の時間がかかった。高速道路での移動は、事故など道路事情に大きく左右され運転疲れが大きくなるところがつらい。とはいえ今回はスタッフMも一緒だったのでその点は大きく軽減されるし、何しろ安全である。

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