UA値0.16w/m2kの実力。氷点下6度でも床下暖房の応用で暖かい床 ③

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疑似床下(1階部分)と床下部分の構成図。Dが疑似床下用エアコン。

疑似床下エアコンと床下エアコンの同時使用時にある事がわかった。

床下エアコンで吹き出し口の開口面積が同じ場合、エアコンの吹き出し風量で差圧が変化する。上の写真は一番強いところの一つ下の風量「3」時の差圧。原村の家での床下エアコンの吹き出し口は、いつもと違いタイル上に設けられているのでステンレス製となり、1個60cm2の有効開口部が6個で360cm2となっている。これは通常使っている床下吹き出し口の半分程度。よって一番強い風量で吹き出すと圧力がいつもより高くなる。

床に設けられた床下吹き出し口。

この風量「3」を風量「急速」のマックスで試すと・・・

3.9Paまで上がる。いつも倍の圧力差のため一個あたりから吹き出される風量も少し増える。一方疑似床下エアコンも同時使用すると・・・

6.0Paにもなる。この現象だが床下エアコンのみを使うときは下図のように床下だけが圧力があがるので、2階床に吹き出される空気以外に、一度疑似床下空間にでてから2階へ向かう空気もある。

しかし疑似床下暖房のために疑似床下に圧力をかけると・・・

上図となり、床下エアコンの空気は疑似床下から2階へのルートはふさがれ、実質の吹き出し口の面積は小さくなるので床下内の圧力があがるのである。つまりそれだけ意図しない隙間が床下と疑似床下内に存在する。これを出来るだけ少なくすれば、概ね意図したとおりの風量を吹き出すことが出来、床の温度ムラは解決できる。しかし現時点ではそこまで行う必要性は感じられない。これは建物の気密性能も同じで、現時点ではC値0.6cm2/m2未満であればOKだと思っている。「緑の家」では完成時の気密性能は概ね0.3cm2/m2前後となる。この数値だと、サーモグラフィーで見ると少しムラが出来る隙間が見つかるが、快適性に影響はないし、内部結露もない。確かに設備まわりを徹底し、あらゆる隙間を気にして塞げば0.1cm2/m2にもなるが、そこまで努力しても冷暖房費及び快適性に変化はまずないので、これ以上ここに気を使う必要性はないと考えている。それより20年で気密劣化がおこりやす引き違いサッシなどを使わない方が実質的な利が得られると思っている。床下暖房も同様で、一階と床下の隙間を必要以上に気にしても、それに見合う快適性や冷暖房費になるとは到底思えない。それより掃除が出来るとか目視がしやすいほうが利を得られると考えている。もちろん通常の施工で0.1cm2/m2くらいがでればそれに越したことはない。

今回の実測では意図した開口部と漏気する隙間は概ね同等(360cm2)から半分弱程度あると予想できたのは良かったのではないだろうか。

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