地震地域係数と長周期地震動

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中国地方、四国、西北海道や九州全般に地震地域係数が0.9以下。しかもピンク矢印が示す10年以内の大地震となるところがすべて0.9と冗談のような規定。

最初に今回の地震で何の冗談かと思うような法律で決まっているこの図(2021年09月23日のブログに詳細掲載)・・・

今回震度6強を計測した能登半島地震の輪島市は、法律では地震地域係数が0.9、2016年に震度6強を計測した熊本県の多くが0.9で0.8の所もある。この10年以内の大地震は軒並み地震地域係数※が低いところである。私は家の安全性が第一だと考えるので、熊本地震後からできる限りこの係数は無視して新潟県内でも1.0で行っている。とはいえ新潟県は積雪荷重もあるので、他県よりは0.9で構造計算してもまだ状況はよく1.0で行うのは設計者の判断でよいと思う。一方行政には速やかに0.9など係数の撤廃をお願いしたい。
※地震地域係数とは地震発生が少ないと判断し法律で地震の力を加減する係数。詳しくはこちらをご覧ください。

居住部に設置された水槽の水の1/3から1/4があふれ出たがモニターは特に問題がない。

その1で案内したとおり今回の地震は「長周期地震動」であったことが報道されていた。長周期地震動は細長い建物(しなやかなS造)で被害が多くなる。

NHKのHPより転載

NHKのニュースでもその発表があり、震度5強程度の事務所のある三条市では上から2つめに強い階級3とのこと。加えてS造の4階建ての3階で、且つこの建物3階は4階建てに相当するくらい地上からの距離がある少しだけ階間の大きい細長い建物である。このため一般の住宅より周期が長く、長周期地震動に同調しやすいことがこの事務所建物上部で中越地震より大きな揺れになったと思われる。つまり地震の大きさだけでなくそのその周波数により、被害が大きくなる建物が変わる。

一方otomo vie centがある三島郡出雲崎町では震度6弱であるにも関わらず、築135年目になる母屋棟も含めほとんど影響を受けていない。

地震当時リノベ中で仮設置されている薪ストーブが使われていたが、煙突を含め無被害の母屋棟。

今年は元旦から事務所で後片付けとオーナーさんへの対応になることになった。しかし私など良い方で断水や下水道の不具合で一時的に住まうことが出来なくなった皆様には、心よりお見舞い申し上げる。

そこで・・・

いつも地震が来る度に申し上げているのだが、断水(トイレのこと)と下水道の破壊は都市地域において最も生活が不自由になるインフラであるため、行政は速やかに予想復旧時期を開示して、その期間が2日以上なら一時的にその場所から、断水が無い地域へ家族丸ごとの移動をお薦めする。物資が運ばれ自衛隊が入ってこれる地域なら車での脱出も可能だろう。これはほんとに移動できない高齢者等を守るためにも効果的で、限られたインフラで弱者を譲るためにも現実的な方法である。当然不明者のご家族や移動できない高齢者の介護のための最低人数はその地域にとどまる必要がある。更に行政が大型バスなどチャーターして一時住民丸ごと他地域への避難が最もストレスが少なくなる。若い人は避難所ではなく遠くに避難する・・・このことを地上波のTVはしっかり伝えるべきだし、実際数日たった避難所には若い人の姿は少ない。また災害直後から数日間で最も行列が出来るのはガソリンスタンドであることも伝える必要がある。私はこの地震が起こる2日前の12月30日に備蓄用ガソリン20Lを入れ替えた(私は常にガソリン備蓄が合計30L 。これだけあれば2日間連続アイドリングでの冷暖房給電可能で、移動では150kmは移動できると判断している)。これは時間の経過と共に備蓄したガソリンは劣化するので、いつも年末に入れ替えている。

さて、都市断水で最も困るのが「トイレ」である。トイレは飲料水とはちがい我慢できない生理現象。トイレでは普段起こらない犯罪も起こりやすく被災した最も弱者にストレスを与える。このためにも断水が直ぐに解決されるのか、時間がかかるのかぐらいは行政は宣言するべきである。これは数年前の千葉県での大停電でも同じでその時に教訓を何度も得ているはず。直ぐに復旧すると思って夏の暑さが残る停電したところで7日以上も過ごすことになってしまった人や、一昨年の佐渡の停電も同じで、電力会社さんから直ぐに復旧するかどうか発表がなかったので停電地域で10日間も健康を害するほど寒い思いをした人が多数でた。このように復旧予定はできる限り被災後24時間以内に発表できるシステム作りが必要であると私は思う。

備蓄ガソリンに話は戻るが、京アニの痛ましい放火事件から、備蓄用の携帯缶への規制は深刻。事務所の近所のセルフスタンドでは携帯缶への提供を今年から禁止した。これは常時資格をもった人を含む店員さんが2名いないと携帯缶へ供給してはいけない消防法があるためである。しかも身分証明の記録をつけることが義務付けされている。セルフに常時2人がいるところはまれであり、仮にいても紙記録となっているので、免許証を見て記録し時間を費やすため実質3人はいないと店が回らない。セルフなのに3人も人がいるところはもやはセルフとかけ離れた人数となる。田舎では草刈り機をはじめチェーンソー、農耕機など備蓄缶からガソリンを入れることは日常的に行われるため、これが京アニ事件のような犯罪防止になるとは到底思えない。このような無駄な規制は都市部でのみにしていただきたいと切に願う。

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