わざわざいつもと違う素材の取っ手を使う・・・。
こちらはポリアミド製の取ってである。体が帯電していても(静電気)取っ手に触って「パチッ」としないのと、冷たくないのが特徴である。木の取ってもあるが、オールウッドのドアハンドルがないのに対し、こちらは心棒以外すべてポリアミド製となり色もポリに似合うのでこちらを選択した。
キッチン上の天蓋の照明板。無垢材の杉で全体の雰囲気を和らげる。
キッチンの収納は何を入れるかの前にどのように使うかを優先している。今回のこの収納はオーナーさんが書いたスケッチから図面をそのままおこしたが、多少湿った物をそのまま収納してしまいたいご要望がそのまま形となっている。
そして見学者の方に必ず質問されたこの玄関脇の空間・・・
「緑の家」では随分前から設計に盛り込まれる「冷収納」である。冬の期間は家中が暖かいので白菜や大根を室内に置いておくと直ぐに萎びる。またジャガイモは芽を出し、漬け物は発酵しすぎることになる。そこで家の中で屋外倉庫と同じ空間を故意に作ったのが冷収納。屋外に一度でなくとも室内から屋外の倉庫がつながっている状態の収納である。
冷収納優れているところは、下の段と上の段の温度が4度から8度くらい違うことで、収納に見合ったものを入れられる。逆に優れていないところは、冬以外は普通の倉庫になってしまうこと。それでも新潟のような長い冬には重宝する。
そして・・・巨大な床下空間が「緑の家」の真骨頂である。
この度の地震からこの床下空間に施工された配管の優位性が更によくわかり、今後更に進化させるつもりである。それはできる限り外部配管をしないこと、そしてできる限り最終マス(公設マス)の近くまで内部配管で延ばすこと、そしてできる限り基礎の貫通部を少なくすることである。これによって液状化や大地と建物挙動が相違しないことで起こる断裂破断を防ぐ。床下内なら修繕も簡単にできるので、災害時のトラブル復旧に有利である。