衝撃!日立の家庭用エアコンが売却

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2024年7月22日 Bloombergのニュースから

昨夜読者さんからの投稿で、「日立、家庭用エアコンの製造から撤退へ-空調合弁を独ボッシュに売却」との情報を頂いた。今朝確認してみると確かにその情報は業界内で大きく取り上げられていた。

私は自身の博士論文が「住宅におけるエアコンの性能実態とシェルター性能に対応したエアコンの選定方法に関する研究」であるため、一般的に申し上げて家庭用のエアコンについても少し詳しいと思っている。

博士論文を作成する以前(1994年)から、将来の住宅はエアコンによる暖房にすべて置き換わるだろうと考えて、「緑の家」では設立当初からほぼ全棟エアコンによる暖房しか行っていない。過去にエアコン以外の暖房として2棟の電気式床下暖房と3棟のガス式床暖房があるが、その5棟も機械が壊れた時点でエアコンの暖房に切り替わる予定(すでに2棟エアコン暖房になっている)。そんな思考の「緑の家」がここ11年間以上日立の白くまくんにしているのは、この日立のエアコンに搭載された「再熱除湿」の制御が他のメーカーより秀でていたからであり、他のメーカーと一線を画すその性能はやはり別物であった。しかしこの6年前から日立の家庭用エアコンも「スローリーク」という欠陥が蔓延し、それが原因で他のメーカーを考えた時もあったが、やはりその再熱除湿は捨てがたかった。

日立を使う前は東芝が最も多く、東芝の制御思想が「緑の家」に合致していたので設立後最初の15年くらいは主力として使っていたが、再熱除湿を10年くらい前に(2015年)辞めたことと、ひどいスローリークで一切使わなくなった。パナソニックも数年間主力としたが、フィルター問題で連続運転にふさわしくなく、またパナソニックも再熱除湿を中止したことで現在は全く使っていない。

ダイキンは2年くらい使ったが、センサーの位置が床下暖房機器としてふさわしくない、かつ再熱除湿をやめたので使わなくなった。三菱は再熱除湿をやめなかったが、日立の再熱除湿と比べるとその制御範囲はせまく快適性に劣ることを体験して以来使っていない。このように過去を追ってみると結局再熱除湿が最も大事なエアコンの選定の際の機能だったことになる。その再熱除湿の特許を持っているのが「日立」なのである。その日立が家庭用エアコンから撤退したら益々再熱除湿がこの世から消えゆく感じがするのが最も心がくるしくなるほど残念だ。

再熱除湿機能は日本に不可欠な機能で、特に梅雨時や狭い空間での使用時に寒くない除湿ができる機能として大変すばらしく、「緑の家」のオーナーさんのほとんどは、冷房運転より再熱除湿運転で夏を過ごす。電気代は2倍ほどにもなることがあるが、そんなこと全く意も介さず再熱除湿を使うのは、やはりその快適性が優れているからであり、エアコンは快適性のために使うという本来の目的をしっかり完遂されており、省エネとかエコとかの前にまず快適性のために超高性能の家を作ったということを素直に実践されている。また床下に最も気を遣う「緑の家」では、床下内の夏季のRH(相対湿度)を60%以下に抑えることを推奨しているが、これが簡単に可能になるのがこの再熱除湿がしっかり効く白くまくんだけである。

そんな日立の白くまくんがなくなる可能性が高いとなれば、それは残念というほかない。その一方再熱除湿を家庭用エアコンに発明し搭載した技術者さんには敬意を表したい。この機能があったからこそ快適な梅雨時を過ごすことができたので心からお礼申し上げたい。

「緑の家」で使用している定番がここ数年で数多く世から消えた。一度使うと数十年間同じものを使うことが定番。その定番は多くの技術者たちがより良いものを安価にと懸命に考えたものと感じる。そんな優れた日本の技術者たちの影響が消え去ってゆく今の日本を憂いているが、それでも前を向いて進化することを続けるのが私たちの役目であり、そんな気概を次の世代に引き継ぎたい。

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コメント

  1. Porco より:

    我が家の床下は夏でも換気を止めると地熱で25度くらいに冷やされてしまうので湿度を下げるために27度設定で暖房しています。床下のエアコンは白くま君なので再熱除湿も出来るのですがっ普段は使わない所なのでここは、暖房で節約。どうにか60パーセントの湿度が保たれます。
    居室が27.5度湿度50パーセントなので床下に入った室内の空気が冷やされると湿度が上がるため少し暖めて湿度を下げてあげます。
    床下にはフィルターで浄化した室内の空気を吸気扇で送り込んでいます。フイルターをつけたら床下の汚れが無くなりました。
    安く除湿する方法はなかなか難しいですね

  2. かぴたん より:

    パナの2018年製がスローリークと思われるガス抜けで故障しました。
    メーカーの方に来ていただいた所 内部が錆だらけで樹脂もひび割れており…
    なお担当の方によると原因は不明とのことで、メーカーは問題を認識してないのでしょうね。
    修理は高額な事もあり買い替えも勧められたのですが、買い替えるにしてもどのメーカーにすればよいのか、悩んでおります。
    某量販店は10年の長期保証を勧めていますが、もしかすると販売店は10年以内に壊れる可能性が高い事を想定しているのでは…

  3. mkt より:

    驚いた一報で、白くまくんを使っている身とすると、今後が心配ではあります。最近の日本家電の衰退には色々な要因があると思いますが残念ですね。
    ボッシュ社がライセンス契約で生産は継続されるそうですが、https://www.yomiuri.co.jp/economy/20240723-OYT1T50167/
    たらい回しにされる事なく製品の性能も維持、向上すると良いですね。