本日北園町の家の耐力壁検査、火打ち検査、基礎アンカーボルト検査、床合検査を行いました。
まず冒頭の写真のように使われている構造用合板のチェック。このスタンプがないと高倍率4倍という大臣認定を満足する仕様にならない事もあるからです。
これは約束通り昨年の実施設計より外壁の筋かいの耐力壁から、合板の耐力壁に仕様変更しております。これは本意ではないのですが、現場の大工さんの断熱材の施工手間を少しでも軽減する為に止む得ない措置として採用しました。決して筋かいが悪いわけではありません。
現場は常に進行してしているので私が検査に伺う前に、既に断熱外張りがされていた部分があったのでその断熱材を取外して釘と合板が見えるようにしてからチェックします。
折角綺麗に施工された大工さんには申し訳ありませんが、心を鬼にして外してもらいます。
特に今回は大壁合板貼りなので、非耐力壁と耐力壁が混在しており、それが大壁耐力壁※の欠点にもなります。CN65を100mmピッチにあるかチェックします。
耐力壁を全部検査し終わったあと、火打ち、床の合板等をチェックして終了。
※大壁耐力壁とは柱の外側に合板を打ち付ける事。真壁耐力壁は柱内に合板を打ち付ける事。
北園町の家では、南側に大開口部が有ります。
ちょうど下の写真です。
模型の方がわかりやすいので・・・
で・・・
何時も思うのですが、この北園町の家は、許容応力度設計で耐雪1.3mで耐震等級2がギリギリ確保されている事を確認しております。耐震性は窓の少ない方が高くなり、北園町の家では窓をこれ以上は設ける事ができないマックスで設計しております。
すると何時も苦しむのはオーブルで、僅かな重量アップ(外壁付加断熱材等)で計算結果がNG。
何度か柱を数十センチ動かすなど計画修正してようやくOKを出す作業を長いときは半日掛けて行います。そこまでしなくとも余裕を出すため窓を小さくすれば良いと思われるでしょうが、私達は精一杯の明るさを、望んでいる建て主さんに提供したい・・・。
だから何度も修正して最適解を求めるようにします。
模型をみるとわかりますが、最近はこれ以上の大きな窓を設けているような設計を見掛けます。きっと私達以上に綱渡り状態で苦労しているのか、それとも耐震等級1で甘んじているのか・・・はたまた台風がこない雪が全く降らない地域なのか・・・。
積雪地新潟で、耐震等級2以上を確保する事は苦労します。
そして何時もの高基礎・・・
まるで地下室のような空間です。これで床下1.4m・・・
気密の納まりをよくするため様々な工夫を構造でも行い、年間の平均C値(隙間相当面積)0.4cm2/m2と、施工はしない設計事務所の建物で第一種熱交換型換気扇の推奨気密性能を概ね10年間キープしております。
今回の屋根はご希望により緩勾配の1.5/10。これは屋根が殆ど見えない箱形風のデザインとのことで伺っておりましたので・・・。
ですが、軒の出(屋根の出)はしっかりとあります。
目立たない事ですが、30年も「無難」に存在し続けるためにお勧めする仕様です。