長岡の家は当初、別の場所に平屋でプランする事から始まった。しかしその場所はやはり終の住処としての条件ではなかったので、新たにこの現在の土地に導かれた・・・と感じている。
当初計画された土地は市街地とはいえない最寄りの駅から徒歩なら1時間はかかりそうな場所。一方この場所は、長岡駅から徒歩15分以内・・・所謂市街中心地である。ただ環境は最高であるが土地の面積は当初の土地の半分以下となった。
そこで問題となるのが雪国ならではの雪の処理。つまり長岡市はこのような市街地でも例年雪は1.5mは降る。そこで普通の建て方をすると屋根の雪処理を敷地内で行う対策をする。例えば雪を下ろす場所の確保で、更に堆積した雪の融雪など・・・。
この敷地において雪処理を考えると庭など全くとれなくなるので、迷わず雪を下ろさないですむ耐雪住宅となったのは必然である。そのため次の問題がその状態で耐震等級を最高の3を取得する事。そのため何時も「緑の家」より窓がちょっと小さくなるが明るさは同等くらいに確保したい・・・。そんな事で12年前から封印していた三連の出窓形式の吹き抜け窓を復活させた。
3連の出窓形式の窓は大変明るいのであるが、その大きさゆえ夏は日射が膨大に入り12年前は簾設置が標準ではなかったので、落葉樹により日射遮蔽などを提案し実施した。落葉樹であるから日射遮蔽は木々が大きくならないと効果がなく、当初の10年は厳しい・・・。しかもこの窓は施工手間もかかる・・・。
とのことで封印していたのである。
現在は簾掛けの設置が簡単になり、日射遮蔽が簡単に出来るようになった。それで復活したのがこの3連出窓である。この長岡の家の後、鳴和台の家や蓮潟の家、大野町の家と4件連続で採用しているがこの窓の始まりは12年前の長岡ニュータウンンの家で、その発展系がこの長岡の家となる。
そして車から降りて玄関まで雪や雨にあたることの無いカーポートと玄関屋根の関係。これも豪雪地では重要なこと。とは言ってもコストもあるし、玄関の明るさはどのように確保して雨や雪を防ぐかがポイントになる。
玄関の明るさを得るために屋根を短くしたり、高くしたりすれば雨や雪が吹き込む。逆に屋根の出を長くしたり、低い位置に設ければ雪や雨は入り込まないが暗くなる。
それらを解決したのが、以前から「緑の家」で採用しているポリカ入りルーバーの囲いである。コストはかかりますが採用しますか?との問いに建て主さんは迷いながらもこのルーバーを選んだ。
ただ吹雪時には更に複雑な風の巻き込みが想像されるので今年の冬を越してから風よけが必要かを最終判断するとのこと。