再び筋交いによる耐力壁に戻る

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構造用合板の高騰を受け、「緑の家」では3年ほど続けてきた「大壁貼り」による構造用合板耐力壁から、主として筋交いによる耐力壁に当面のあいだ仕様変更する。サブで面材を貼るときには「真壁貼り」としたい。

その最初の建物は小新西の家になる。現在の合板の価格で計算すると、構造用合板の大壁で全面に貼った場合と、筋交いで耐力壁を造った場合と同じ耐震性能で20~30万の差額になる。これは1年前に比べ構造用合板の価格が1.8倍から2倍になっているため起こる差額である。910×3030の合板が現在は5500円であるので外壁が180m2あれば36万となる。これを筋交いで行なえば、材料が10万もしないので後は断熱材の手間だけとなる。同じ耐震性能なら安い方が良いに決まっているので、この度筋交いの耐力壁が復活する。

また、土台も樹種の変更を行う。6~7年前に土台はヒノキの集成材と決めたが、現在のヒノキ集成の価格は異常高騰で半年前の3倍になっている。その土台を米ヒバにするだけで10万ほどコストダウンできる。ただし、耐雪1.4m以上ではめり込みが大きくなるので気をつけなければならない。この2つの樹種変更だけで30万から40万にもなる。現在家を計画している人はこのウッドショックのため借入額を増やしたり、家を小さくして努力しているのに、私たちプロもできる限りのことを考えたい。その一方耐震性・耐久性・温熱性能など主要な性能を下げることはしない。

ある工務店さんに聞かれた。「筋交いにすることは賛成だが、ダイライト、モイスなどの建材系耐力壁にはしないのか?・・・」うーーん、どの製造メーカーも数年に一回材料変更や仕様変更が過去にあった建材系耐力壁はどうも使いたくない。これには科学的な裏付けないが、今までの経験がそのように囁くのである。

これはあの基礎スラブ下に有機素材である断熱材を敷きこみたくないことと同じである。一昨日に紹介した基礎断熱の線熱貫流率のことは下のサイトがわかりやすいが、

https://www.forest.ac.jp/academy-archives/foundation/

そこで紹介しているユーチューブの動画には下の挿絵がある。これは2020年まで線熱貫流率の簡易式の時に条件にしている図であるが、この下に敷きこまれたR3が2021年からなくなっている。

こちらの図は2020年までの簡易式に使われていた図。岐阜県立森林アカデミーのサイトから

この図は2021年以降の図。この図には図のR1とR3がなくなっている。

この真意はわからないが、この白黒図の説明に「温暖地※」としていることから、外貼り断熱R1とスラブ下断熱R3に対し後ろ向き対応であることを示している。ちょうどこんな気持ちで建材系耐力壁はまだ使う気にはなれない。

※温暖地は明確に定義していないが、白アリが活発な地域(5地域以南)と思う。https://www.mitsubishielectric.co.jp/ldg/ja/air/products/ventilationfan/about/pdf/locate.pdf

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