最近のオーブルデザインの基礎工事現場から ②

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今日は午前と午後の打ち合わせの後に基礎配筋のチェックにいきました。

平らな基礎スラブと高い立ち上がり部分、そして細かく密に入る鉄筋が如何にも『基礎に拘る緑の家」の工事です。


区画スパン短辺4.55m、長辺4.55m 鉄筋D13 上ピッチ125mm 下ピッチ150mm スラブ厚さ180mm 設計強度30N/mm2 基礎立ち上がり1m 巾0.15m 以上SSプラン(普及版)のべた基礎です。SSプラン標準基礎はこちらです。

何度となく同じ図が登場しますがそれほど重要な部分です。

今日の現場の写真です。上図と全く同じ配筋ですね。このチェックをするのが、法律で定められている「工事監理」です。

鉄筋の合間に不思議な金具が設置されております。これが一体打ち込みよう治具です。一昔前(6年前)に比べたらしっかりした工業製品になってます。当時は一個づつ溶接した手作りの治具でした。最近ようやく日の目をみて大量生産(とはいってもまだまだ)になりつつあります。

こんな風にメモリまで付いてます。

さて今回はべた基礎のシングル配筋で、正方形の構造区画があります。この時の特別な注意として下端筋 よりも上端筋のチェックが重要ということです。

この図は厚さ150mmのスラブの模式図。実は150mmの厚さでは一般的な計算では殆どNG。まず3m以上の区画は無理。新潟県の2階建ては厚さ180mmが標準的である。

シングル配筋べた基礎は、特殊なスラブで鉄筋が上端筋と下端筋を兼ねおり、上下の鉄筋で断面2次モーメントが変わるということをしっかりと受け止めなければなりせん。いやー難しい言葉が出てきました。上の図では下にある鉄筋67mmと上にある鉄筋80mmの違いです。

さて、上の図のように基礎のスラブにかかる力は短辺方法と長辺方向に分けて考えます。鉄筋の量を決めるのは力がかかる短辺方向なので、こちらのチェックを普通はします。ところがスラブが正方形になると両方同じ力がかかります。ここが問題で、同じ力がかかるのに方向によってその受ける鉄筋コンクリートの強さが変わってしまうのです。これは鉄筋が上下に重なるため先ほどの断面2次モーメントが変化するためです。従って上端筋の鉄筋ピッチが狭くなります。

だから正方形の形をしたシングル配筋の区画は通常鉄筋の間隔は長方形になることになります。わかりましたか?難しいですね。冒頭の写真が正方形区画での長方形になる配筋です(RC建造物のスラブではあたりまえのように長方形配筋ですが)。

下の写真はオレンジの配管は一般的に電気の線をコンクリート内に通すためのCD管ですが、当事務所では×です。これは撤去してもらいました。多分当ブログの常連さんならわかりますよね。この配管内を通って白アリが基礎断熱内に侵入するのを防ぐためです。白アリにとってはこの上ない地下~食べ物直行トンネルになりますから・・・。

このCD管は巷の現場では普通に行われていますが、当事務所「緑の家」では原則行いません。露出基礎表面配管になります。でもこのオレンジ先行配管の方が丁寧な工事と一般的にされております。

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