昨年の東日本大震災を経験して今年は様々な設備が発売されるでしょう。
その中で注目を集めているのが住宅用蓄電池。
簡単に説明すると、ノートパソコンのバッテリーが少し大きくなったものが家に設置されていると思ってください。
さて盛んに宣伝されているこの蓄電池・・・使えるものか?
コストが1/10くらいになったら良いかと思いますが、今の価格では×で使う予定はありません。
私が今使っているヤマハの家庭用自家発電機。普段は畑で活躍している。今まで5Lだったが今年からガソリンは20Lは備蓄する予定。
まず最初に地域が丸ごと1日以上も停電するような「大震災」が起こったときに、一番困るのが電気と水道です。これは中越地震、三条大水害を最近経験した私は断言できます。その水道でも困るのが飲み水ではなく、生活用水・・・つまりトイレ用と洗濯、お風呂、洗い物用の水です。飲み水はすぐに確保できますし、仮に一日無くても何とか他のジュース、お茶でしのげます。
しかしトイレは水が大量にないと使えません。また一日数回は使いその総量は少なくても30リットル~60リットルにもなります。断水時にこの水を確保するのは至難です。
さて電気も無くてはなりません。そのときに蓄電池があれば大丈夫だろうと考えることは浅はかです。携帯電話が充電できる蓄電地があると便利ではないのか?と言う意見もあります。しかし携帯電話のバッテリーが少し残っていれば、携帯TVで最小限の情報はとりあえず見られますし、メイルもできます(地震の規模によってはメイルは無理の場合も有)。そこで携帯TVでその地震の被害が大きいとわかったなら、できるだけすぐに被害の小さい地域に移動することをお勧めします(但し大前提が地震に安全な家で怪我などがないということです)。
なぜなら今回の東日本大震災でも明らかなとおり、高速道路隔て東は地獄絵図のような地域なのにその西は普段に近い生活ができているのです。これは中越地震でも同じでした。長岡の中沢地域は被害が大きく電気も数日間無理でしたが、そこから数キロ先の見附市では普段通りに近い生活ができ、25kmはなれた三条では、地震直後でも普段と全く変わらない生活が可能でした。
停電時に無理に蓄電池の電気を使ってまでその地域にいても、何がいったい良いのでしょうか?電気が多少使えても水が無ければ生活は全く不可能です。50万以上の蓄電池を買うなら私は迷わず40万は非常用として貯金しておき、何か起こったら遠くのホテルに行きます。そこで7日間過ごせばライフラインは復旧しているでしょう。残りの10万は普段からガソリンを溜置きする資金とします。とにかく被災地から逃げるための最低限の準備をする事が肝心です。ガソリンがあればとりあえず一番被害が大きいところから脱出できますし、電池の代わりにもなります。これは普通の自動車でもDC-ACコンバターを持って入れば、100W位の電化製品は継続的に使えますし、車内で暖房、冷房の仮眠もできます。だからその燃料であるガソリンが重要なのです。DC-ACコンバーターはDIYショップでもカーショップでも5千円以下で簡単に買えます。
仕事上または被災地域にとどまって何か復旧にお手伝いしたい気持ちがあれば、50万円以上もする蓄電池より15万円程度の自家発電装置の購入が理にかなってます。このくらいの自家発電装置があれば1.5kw程度の電気が発電できます。太陽光と蓄電池が組み合わさっているシステムより、雨の日でも深夜でも電気が無くなる恐れはありません。ガソリンを40リットルくらい備蓄していれば、3日間は電気に困ることは無いでしょう。もし自家発電機を使わないのならそのガソリンは車にいれて脱出に使いましょう。この震災で福島から新潟に避難した多くの人が口をそろえて言っていたのは、ガソリンの確保でした。避難するときには車、その燃料があれば困りません。
最後に蓄電池の最大の問題が寿命です。蓄電池はどんなに使わなくても10年で寿命を迎えます。いつ災害が起こるかどうかわからないのに50万以上も支払って蓄電池を買っておくのは、相当精神的に裕福でなければなりませんね。一方自家発電機は一年に一回エンジンをかけ、キャブレターからガソリンを抜けば20年は楽々持ちます。
最近の大宣伝で蓄電池にたよるスマートハウスは、机上の空論か蓄電池メーカーやハウスメーカーの販売戦略にまんまと乗せられている気がしますね。
PS
計画停電時は蓄電池がいいのでは・・・というご意見もありますが、そのときこそ自家発電機でしょう。だって計画停電などこの次いつ起こるかなんてことは予想もつきませんし、その為だけに蓄電池を装備するのはよほど精神的に裕福で無ければ無理ですね。スマートハウスには必要か?についても、一家庭で行うスマートハウスにはほとんど意味はありません。今は余った電力は売電した方が経済的です。この方が「電気は生もの=保存は不利」という理にかなってます。