
昨日長野県小県郡青木村に建築中の「青木村の家」において中間気密測定が行われた。その時に送られてきた写真が↑であるが、測定用ボードで密閉された窓に穴があけられている。その大きさは・・・100㎝2。

まず結果を語る前にどのような状態で測ったかかが大事。それは上の写真のように、気密はポリエチレンフィルム0.2mmで内側に(いわゆる充填断熱)はり、まだ2階の天井以外抑えボード無しの裸の状態の内装。実はこの裸の状態では超高気密性能を出すのは至難の業。ポリエチレンフィルムによる気密状態を造るのは、原則抑えボードで気密シートの重なりを抑える施工になる。つまり抑えボードが無い状態だと、気密の連続が難しく、通常気密シートを用いた中間気密測定は、抑えボード(プラスターボード等)が貼られたときに測定する。しかしポリエチレンフィルムによる気密施工が初めてな方は、万一中間気密が悪かった場合に備えて、直しやすいようにこの写真のようなボード無しであえて行うことがある。今回がそれにあたる。そのためポリエチレンフィルムの繋がりすべてに気密テープ処理が欠かせないという手間のかかることをする。
私はこのポリエチレンフィルムによる超高気密施工を、40年近く様々な施工会社さんに指導してきて、このような状態で測定不可能な程、超気密状態を維持し、しかも超気密施工(しかも充填断熱のような内張り)が初めてという施工会社さんにはお目にかかったことがない。そう気密が良すぎて、今回持ち込んだ機械では測定限界を超えて測定不能になったのである。そこで急遽窓に100㎝2の穴をあけて気密測定をすると・・・

ようやく0.6㎝2/m2になったのである。これでも疑い深い私は、「貫通穴を半分の50㎝2にしたら0.3㎝2/m2くらいになるかもう一度測って」とお願してみると・・・

半分になるのである。という事はほぼこの穴しか開いていないことになると考えてよいだろう。つまりC値は0.0ということ。

私の現地での気密指導はたった2回程度であり、私が施工したわけでもないのに、かなり大きめの「嬉しさ」がこみあげてくる。すぐに建て主さんに連絡をして喜びを共有した。
施工された大工さんと監督さんそして設備の関係者さんには心からお礼申し上げる。ありがとう。