土台は集成材

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「緑の家」の土台はヒノキの集成材であり当然使用環境Aの黒いレゾルシノール系である。

「緑の家」では設立当初から土台は集成材である。当初は米ヒバだったが、近年はヒノキの集成材である。この変移はこちらの2016年のブログにあるが、簡単に述べると土台への柱と座金をめり込みが原因である。これを聞いてわからない人は木造の構造を知らないと思っても良いほど基本中の強度の事。

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「緑の家」の大引きは欧州赤松の集成材でE100F300の使用環境BまたはC。

その座金のことは、上のリンク先をご覧頂きたいが、ピン構造を固定する要となるアンカーボルトの一部と同じ座金。今でこそ大きな座金を使う会社さんが多いが、当事務所の最初の頃はM12用の60角なんてないからM16用の座金の54角と40角を組み合わせて使っていた。しかし今でも小さな座金68Φ(60角)未満を使っている現場があるが、引き抜き強度は低くNGである(構造計算をおこない数量などで保管した場合は除)。

さて床下には土台の他に束と大引きがあるが、大引きは度土台と見た目は変わらないが、使用環境BかCの集成材である。大引きは床下で比較的湿度が高い環境で使われるが土台ほど重要な部材ではなく、狭義では構造材として扱わないので特に問題ない。

土台も大引きもまた柱も梁も何故集成材なのか?についてはあまりにも古い話題なので気にしていなかったが、最近読者になられた方には疑問だと思う。

27年前の当時の理由は明快で

1.接合部金物を使うことで(クレテック、HSS等)金物露出がない。

2.きっちり「過乾燥※」させた乾燥材を使いたかった

3.強度が無垢材より高いことでプランに自由性がうまれた

になる。

※過乾燥とは木材の平衡含水率を室内環境より更に低い10%以下に下げそれを室温湿に戻すことで寸法の安定性を高める乾燥方法。

コストは1998年当時は集成材の方が高く、JAS認定品の無垢材は高いが今でも一般流通品なら安価に手に入ることもある。

1の接合金物は言うに及ばず現在の主流となっている接合方法である。構造を露出させても(小屋表し)法で規定されている補助金物が必要無いので、スッキリ納まる。10年前から無垢材でも使えるHSS金物にしているので、更に金物接合のメリットは大きい。

2の乾燥材は無垢材でもKD材があるが、流石に今でも集成材の方が乾燥は安定している。一方KD材をも嫌う人もいるが、現在の室内環境が既に人工化して自然界ではあり得ない温湿度で木を使わなければならない状況で、自然乾燥材ではこの室内人工乾燥環境下ではもう一段乾燥し縮まる。そもそも乾燥材を使いたいのは、高断熱高気密の住宅では住んでから木が縮まることで気密性が落ちることを防ぐことが最も重要な選定理由だったので、その意味では自然乾燥材は危険なチョイスになってしまう。

3は当然集成材のスパンは大きくとれ、空間が無柱で大きく使えるメリットがある。特に2階のプランニングが自由になる。

ところで・・・

一日に何通のメイルを送信していますか?

受信なら読むだけなのである程度数が来ても特になんとかなるが、昨日は建て主さんと工務店さんに一日で送信メイルを23通(内事務所内用で4つだから19通)作成しお送りしている。当然「はい」「いいえ」のメイルではなく内容があるメイル。流石に他の仕事は見積もり用図面の最終チェックのみで一日終えた。ようやく週末のメイル業務がおわり、今週の業務にはいる。

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