この時期だから「緑の家」が考える地震と建物の気密性のことを整理してみます・・・。
まずはこちらのこの図・・・まずは現実の直視です。
日本の地震が多いことは理解していると思います。世界地図にプロットすると改めて日本がどういう地域かわかります。この図を10秒以上見つめてみましょう。
日本の異常性を直視する事から始まる。この図は武田邦彦氏のブログから転載
そして問題はこの図・・・
先ほどの図は小さい地震(マグニチュード4以上)でしたがこちらの図はM7と中越地震クラス以上の頻度と分布・・・。
先進国でかつ人口密集地、そして暖房を必要とする地域としては、
日本が一番で他は世界にニュージーランドくらいです。
日本という国が世界の中ではとても特殊な国(地震に対して)であるという認識が必要です。そしてこれを受け入れることが日本に住むという事なのでしょう。
「緑の家」は何時も申し上げているとおり、住宅で一番大事にしていることは、高気密高断熱ではありません。第一番は安全性の要・・・耐震性です。
しかし一般的に建築される「緑の家」の耐震等級2以上の耐震性を確保してもM7以上の直下型地震に襲われたなら、家は大きく揺れ、歪み、地震後でもそのひずみが残る事が予想されます。ここがポイントで暖房を必要とする地域には断熱気密性能がとても大事なのですが、M7以上の直下型地震がくれば気密性が悪くなると予想され、ここが住宅寿命の考え方の抑えどころになります。つまり世界の高気密高断熱住宅とは違った視点も必要です。
「緑の家」の気密性はそのM’7の直下型地震が来たときには完成時の気密性がそのまま確保できる事を求めません。なぜならまず最初に歪むのは開口部つまりサッシ周辺だから・・・。ここは歪みやすい上に可動部なので家の気密の弱点です。仮に経済性を無視しても良いなら様々な手段で諦めたりはしませんが、果たして今の家にプラス500万かけていつ来るかわからない地震に備える事に同意する建て主さんがいらっしゃるとは思えません。
気密性能はたかがすきま風・・・耐震性と違い命が奪われるわけではありません。また元気なら家を作り直す計画や、引っ越す事を考えましょう。そのために500万をつかったほうが分の良い賭ではないかと思います。
よって「緑の家」は屋根の防水性と雨樋の寿命、サッシの取り替えなどを考え、また配管設備の寿命・メンテナンス間隔に沿った60年の耐久性と考えて家造りを考えます。地震時の主に開口部周りの気密性破壊は事故としてとらえそこにおもきをおきませんが、全施工気密シート採用(JIS基準の気密シート)は開口部周り以外の60年を維持する最低条件としております。
さて蛇足ですが、もし耐震性や建物の技術の急向上を目指すなら・・・新しく原子力発電所をつくる事も考えられます。それも電力の大消費地に・・・。そうすれば最高の知恵で建物や防災の技術が確実に躍進すると考えられます。離れた土地に発電所をつくり送電線を数百キロ引いて、その鉄塔と電線を40年もメンテナンスするコストで土地の買収金額も相殺できるのではないでしょうか。同時に廃棄物処理の解決の目処できれば更に原発を推進する条件が整うでしょう。