外構もできあとは照明器具とクリーニングを残すのみ。カントリー調(シェーカー風)のS邸見学会にお越しくださいませ。
キッチンもオリジナル。天蓋や作り付けの棚などそのまんま雰囲気です。完成までの写真はここにアップします。
実は当HPのトップにこっそりとあるページができてます。それは・・・
「オーブルデザインの家の歴史」
会社の歴史はとても大事です。特に住宅は50年単位で考える、普通の人が一番大きな買い物だからです。そんな流行を追って又その時だけの仕様等数年単位で簡単においそれと家のデザインや性能が変わってはいけません。
いつもブログやHPのコラムで「過去の家のデータを消すのは、過去の建て主さんを消し去るのと同じ。過去のチラシ(宣伝した家)を見せてもらおう!!」と言っていました。それなのに当HPにはその専用頁がなかったのでこっそりと新設しました。って ここで宣言したらこっそりではないだろうと言う突っ込みはなしです。(^-^; チラシがなくても当HPはずっとデーターを残してあるので見れますが・・・。
9年前(2000年)の折込みチラシ。本当に今見ても全く問題ないというより、すばらしい家達です。と手前味噌モード。
今日は天候があまりすぐれない中、遠方よりお越し頂き感謝します。
特に見附市、新潟市、そして新発田市からわざわざお越し頂き本当に感謝しております。ほとんど信仰のような拙者の「無塗装の外壁」の話を、皆様あたたかく聞いてくださいました。ありがとうございます。そんな遠方から貴重な時間を割いておこし頂けたその気持ちがとても、とてもありがたいです。
7、8年位前、見学会の度にわざわざ富山県から来ていただいた方もいらっしゃいました。4度目くらいの見学会のとき設計の依頼を打診されたのですが、富山県はやはり遠方、自信がなくてお断りしました。ほんとにそんな遠方からお越しいただける事が言葉に尽くせないくらい感謝です。きっと今はすばらしい家に素敵なご家族で楽しく暮らしていると確信しております。
明日、そして来週と見学会を行います。またすばらしい出会いがあることを願っております。
合掌
予告していた見学会を行います。詳細はこちらから。ローコストでできる木の外壁をどうぞご覧くださいませ。
来週行われる見学会にも「木の無塗装の外壁」の納屋があります。
最近の新築の換気扇にこのようなシールが貼られてます。今まで見たことがない内容がかかれてます。
「設計上の使用期間13年。これを超えて使用されると発火、怪我などの事故に至る恐れがあります。」
相変わらず日本のあいまいさがありますね。「恐れがある」からどうしろというのだろう。交換?検査?修理?「13年経ったら新しい機種と交換してください」といえば良いのではないだろうか?せっかく良い制度になってきたのに、最後の文言があいまいである。「交換してね」と是非書いてほしい。車だったらしっかりと10年車検時交換とか10万kmで交換とあるのに残念。さてこの制度になったのは以前のブログでお伝えしたこの件のせいかな?と思って探したらやっぱりです。
換気扇の寿命が13年と言うことをどのように見るか?短いか?長いか?家の寿命は誰もが50年ぐらいは持ちこたえてほしいと願うだろう。するとその半分25年が重要な設備(換気扇は法律で設置が義務付けられている)の寿命になるようにがんばってほしいもの。当事務所がSプランに設置している換気扇は、パイプファンという汎用品。価格も1台1万程度で簡単に取替えができるので、今のところいいかな?
日本の住宅とテレビで出てくる海外の住宅との空間的な違いは天井高さにあると思う。
日本の住宅は暖房時に効率のよい最低の高さで天井高が決められていたのではないだろうか?田舎の農家に行くと2階建てみたいに見えるけれど、実は平屋という家が多い。決まって天井高は3mを超え、時には天井がなく5mを超える民家もある。本来日本の住宅も天井高は高かった。暖房という文化伝わったとき、暖熱性に乏しい日本家屋は、暖めても暖めても温度が上がらない。これは天井が高いためと思ったのだろう。また高度経済時の集合住宅の基準も大きく影響し、今の天井が2.4~2.5mくらいが普通になった。この2.4mに人が立ったとき、とても狭苦しいバランスだ。これぞ日本の家という感じ。よく洋風にインテリアはアレンジされているが、何か違和感があるときは、間違いなく天井の高さが低いせい。
断熱性能が国の高断熱基準の1.4倍ある緑の家では、天井を高くしても問題は全くない。そればかりか、6mを超える吹き抜けがリビングあるときがある。今回のお宅は洋住宅。なのでその雰囲気に直結する1階の天井高が約3mとしている。写真のとおり余裕のある空間となる。
写真では左官工事、塗装工事の修羅場となっている1階。人の大きさから天井高が推測できる。
前回ご紹介していなかったが、この完全自然素材の「西洋漆喰」を塗って頂いている職人さんの「道具」。様々な「こて」があり、常に2つは手に持って取替えながら塗っている。 できる職人さんは、手際がとてもよく見ていて気持ちがよい。尊敬のまなざしです。
外構も完成寸前です。今週の土日に間に合いますね。
今回の「木の外壁に塗装なんかしない家」のシンボルツリーは山帽子です。この「木の外壁に塗装なんかしない家」の重要ポイントは、樹との調和で年月を重ねる家です。
木の外壁を塗装しないには、好き嫌いがありますが、周囲の緑が美しい中で、シルバーグレーの家は映えます。周囲に緑がないときには寂しくなりますので、それだけ自然樹(花等)が重要なポイントです。私がオーブルデザインという会社名にしたのは、「木をデザインする」という意味を持たせたかったのです(フランス語でオーブルとは「樹」を意味します)。12年経ったいま、「樹々に調和する家のデザイン」に変わりそうです。木で造る事がなくても、周囲の木になじみ調和すればそれでよいという気持ちにもなっています。だから決して奇抜な外観ではなく、家自体は目立つことなく、とはいっても端正な外観でなければなりません。現在の「環境」を大事にして緑に感謝する気持ちを家造りに活かせれば幸いです。
建て主さんから、施工途中にオリジナル家具の依頼も受けました。基本デザインは建て主さんで、実施デザインはオーブルです。シンプルなキューブデザインの家具ですが、素材はテーブルが「米ヒバ」、そのほかの家具がヒノキ、ベットのみ杉です。天板はヒノキを3層に加工したJパネルを利用しました。変形が少なく、無垢らしい感じを残しているやわらかい家具です。設計事務所に依頼するよい点は、今回の家具追加注文のように、施工途中でも「家具だけの相見積もりが可能」ということにも現れます。普通請負契約すると、その後は価格もお任せが多いと思いますが、最後まで色々比較できる家造りができます。家具の詳細はここにアップします。
この壁は本当に自然素材の仕上げです。自然素材の定義は色々あると思いますので省きますが、簡単なことを言えば、「少量ならなめても大丈夫か?昔(戦前)から存在していたか?」と考えると、まさしくそれに相当します。
名称は漆喰です。がしかし日本の漆喰とは違い、すさ、のりを全く含んでいない西洋漆喰です。その販売店によると・・・
「すさ、のりは自然素材と思って大丈夫と思っても、実は化学調整したのりを自然の材料から作ったものとして売っています。少しでも自然素材が混じればそのように宣伝するのがこの業界。珪藻土と同じように!!」
だそうで、仮に漆喰100%でいかにもよさそうなものとして販売されていたとしても、その下に塗るシーラーと呼ばれる吸い込み調整剤が化学物質でできているので、乾く過程で表面に出てきます。たしかに現在の漆喰仕上げは、土壁の上に塗ることはほとんどされていないから、プラスターボード下地です。このプラスターボード下地が水をあまりにも吸い込みすぎて、こままでは繊細な漆喰は塗れません。だからシーラーという吸い込み防止剤を表面に塗り、漆喰を塗りやすいくしてます。ところがこのシーラーはなめることはできない化学材料です。これでは自然素材100%とは言えないので、今回は
「こんにゃくのり」を使います。
材料はこんにゃく。確かにこんにゃくを薄く塗れば、プラスターボード表面に膜ができ水の吸い込みは防止できます。しかもなめることも可能。さらに、ジョイントは「綿100%」の目地テープを使っているという徹底ぶり。ここまでやるか!!という感じです。
これが西洋漆喰。すさ、のりを全く含んでいない。塗りやすくするため、石の粉が入っているところが、日本の漆喰と違う。こてむらもよい雰囲気で可能。
その①では、薬剤を使わない緩速ろ過槽の写真を載せた。この写真は薬剤を使う急速ろ過池である。
緩速ろ過池は取水がきれいでないと機能しない自然ろ過であるため、濁流から取水した場合は、ここには送られない。急速ろ過槽のほうで処理することになる。
急速ろ過槽は、苛性ソーダ類の薬品で濁った粒を大きく成長させ沈澱しやすい大きさにする。その後砂の層に濾過させ塩素を混ぜて水道水となる。案内していた
だいた市の職員さんは、現場の方なので説明はあまり上手では」なかったが、ひとつだけ強く印象に残ったことがある。それは、「緩速ろ過池でつくった水のほ
うがおいしい」と3度も言っていたこと。そうだよね。薬品を混ぜて急速にろ過するより自然できれいにろ過された水を取水して最後の仕上げに沈澱濾過した水
がおいしいよね。この工程を見ると、水道水は大事に使わなければならないなーと思う。庭木や洗車、トイレは中水を検討することも必要かな。
この写真をクリック」して大きな画像で見ると、その吸い込まれるような色の水にびっくりする。普通トーメイな水は、「青」に見えるのであるが、ここでは緑色。それもトーメイ度がすごい!!
ここは急速ろ過池の最後の沈澱層。ここをとおり、塩素が注入され水道水となる。
かわいい建物。これが事務所棟である。デザインがライト風かな。縦の格子が真ん中ではなく少しずれているこの加減がいいね。そこに斜めのデザイン。洒落てます。そしてこのツタのためにレンガに穴をあけて大事にしている気もちがよくわかる。人は木と共にしか生きられない。だから家に緑があると落ち着く。「緑の家」の意味である。ツタは建物に悪いといわれるが、とても感じがよい。拙宅も実はキヅタでおおわれている。
これは緩速ろ過池の塩素が注入される前の貯水層の地上部分。かわいいね!きっと通気棟だと思うが、聞きそびれてしまった。この土の下に水がたまっている。
これはポンプ室の建物。当初何か違う用途でたてたのだろうが、今はポンプが無理やり設置されている。
最近「軟水がいいみたい」との情報を聞きつけ興味がわいた。水は生活の基本。拙者も14年間某アルカリイオン水しか飲まない(飲めない体になった)。
ちょうど三条市の浄水場施設公開があり、現場の帰りに立ち寄った。しかしなんてかわいい建物。玄関戸のデザインだってバランスがとてもよい。最近の建物にはない職人の丁寧さがある。
年に一回の公開日だったので予約無しOKで、入り口で三条の水道水のペットボトルまで頂ける。なんてありがたい。
表示ラベルを見ると硬度20のとっても軟水。びっくり。三条市の水ってそういえば昔からおいしかったよな。と思った。三条の水なのに製造者は埼玉県となっているのには驚き。新潟県では水がおいしいのでこういった工場がないのだろうか?
浄水場はとにかく広い。これで数年前までは三条市の水を一手に受け持ってきた。現在は広域水道組合(三条、田上、加茂)で半分受け持つとの事。
これが昔ながら薬剤無しの自然沈殿(緩速ろ過池という)。水量が限られるのでこの浄水場でも1/4くらいしか受け持てない。広さは敷地施設の半分以上を占めるのだが・・・。一日で水がここを通りすぎるとのこと。緑色の藻類が水をきれいにしてくれるとの説明に、ここでもなるほどと思う。
もうひとつ3/4を受け持つ急速ろ過池がある。これはその②で。
もうちょっとで完成!!
外壁までバッチシ「緑の家」!!
今回の見学会のサブタイトルは
「もう木に塗装はしない。」
である。とにかく庇がしっかりあれば耐久性には問題ない木の外壁。さらに、緑が周囲にしっかりあれば、そのシルバーグレー色の外壁は、最も自然の中に溶け込むまさしく「緑の家」である。新品時でも綺麗であるが、数年後の色が私は大好き。
絶対塗装なんか勧めない。数年ごとの塗り替えしなくてもいいしね。今回の見学会はその外壁に触るだけでも価値あり。気持ちいいね。
シルバーグレー、無塗装の木の色万歳!!
すみません。m(_ _)m
ほとんど宗教のような思い込みになってます。(笑)
法律以上の積雪荷重2.0mなのでこの表示は本来いらないが、やはり構造計算の証なので設置します。
見学会のご案内はこちらです。三条市内(下田地区除く)は全域折込広告を予定してます。是非今までとほぼ同じコストでできる無塗装の木の外壁だけでも見に来て下さい。
シルバーグレーとは下写真のような色からもっとグレーになります。詳しくはここ。
今日ニュースを見ていたら、量産電気自動車がとうとう販売される。7月下旬から三菱のi-MiEVが予約受付開始とのこと。気になる価格は460万、補助金で145万程度バックされるので実質315万。軽自動車の大きさで315万は割高。ただ燃料代が深夜電力を使えば相当安いので実質ガソリンの10%くらい。ちょっと計算すると年間1万キロ走ると考え、軽自動車の燃費は14km/lとすると714Lのガソリン。これを時価で考えると714*125=89300円 この10%が電気自動車の燃料代として考えると、80370円/年積み立てできる。10年では80万だから約18年くらいで元が取れる(去年の200円/Lであると10年くらいでOK)。しかし実際は、バッテリーが10年で交換と考えると、電気自動車で元が取れることはない。これは初期のハイブリッド車にも同じ現象があった。当時ハイブリッド車は、250万で補助金などで220万で買えたが、同じクラスの車は140万位。おおよそ80万割高。燃費は当時のハイブリッド車が同クラスより5k/L余計に走るとすると、10000kmでは556L-769L=213L 213×125円=26625円/年 20年でもペイできなかった。
しかしじわじわハイブリッドを選択する人は増え今日に至る。このように割高をペイできるかだけを考えるとあわないが、今までの車と全く違う出力方式を堪能し、空気をあまり汚さない(発電所のほうが空気を綺麗にできる)ことを重視する人には最高の車。ハイブリッド車でも電気だけで走るときがあるが、その時の静かさや滑らかさは、エンジンと全く違う心地よい感覚。それがずっと続くと考えるとぞくぞくする。
ただ先回のブログでも案内したとおり心配事もある。それはハイブリッドのときは、環境整備は全く必要なかった。ガソリンスタンドあればOKだったので。ところが電気自動車は電気がなくなるとそこでアウト。普通コンセントでは7時間から14時間かかる充電。急速充電用の3相200V-50KWという小工場クラスの動力でようやく30分である。さらに急速満充電はバッテリィーの寿命を大いに縮める心配もある。もし心配な方は、問題が出尽くす2年後に買う事がベスト。社内実験で何度となくそのような事を確かめていると思うが、ユーザーの使い方は想定外が多い。夏の車内エアコンの電力は半端ではないし、また冬(雪)の車内エアコンの電力も同じ。本当に80km(メーカー発表は満充電で160kmだが、通常は80km)くらい走るのか?エアコンを使うと60kmという情報もある。60kmでは、新潟県では足にならない。片道30kmの範囲では心元ない、冬道では生命の危機さえあるからだ。だからといって、気候のよい時期に近所に買い物だけで済ませたら、せっかくの安い燃料代も意味がないし・・・(使わない生活が一番だが)。 新潟県ではやっぱり本命はまだハイブリッド(プラグイン)かな。
去年の11月ごろ、日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(所謂 木耐協)の事務局長「Iさん」からお手紙をオーブルデザインあてに頂いた。内容は、当HP上に掲載されている木耐協の組合員が行った「耐震リフォーム」が意味の無い工事であった、またそればかりか現在より耐震性能を低くする工事であったとの記事のことである。「その事が本当なら看過できない問題」であると書かれた手紙であった。早速このIさんに電話で連絡したところ、施工した工事店名を聞かせてほしいとの事であったので、「個人情報なので建て主さんに許可を頂いてからお答えする。手元に資料は確かに日本木造住宅耐震補強事業者協同組合の印鑑があり、登録番号が載っている」と答えた。それを聞いたIさんは、「では数日後に連絡をします」と言ったきりもう半年以上もなにもない。こちらは建て主さんへ「これこれこういった事がありました。」と報告し、建て主さんは「それは何か動きがあるのでしょうか?是非情報を全部お伝えください。」と喜んでいらっしゃったのに・・・。
結局、当HPの「記事がでたらめでないかと確かめた」が、本当であったためそのままというとところがIさんのお手紙の真意と推測する。もういまさら期待は建て主さん共々していないが、あまりにも残念。せめて国が認可する組合を束ねる事務局として、建て主さんへご説明が直接あってもよいのではないだろうか?
この日本木造住宅耐震補強事業者協同組合=木耐協は、有名な組合で、国交省からもある意味強く後押しされている団体。県内でもほとんどの市町村で住宅の「耐震診断」に対し、補助金(5~8万)くらいでると思うが、その条件がこの木耐協の診断が条件となっている。それほど行政が後押ししている耐震診断による補強工事で瑕疵があったのに、組合としては「組合員がしたことは責任が持てない」という消費から見れば理解しにくい内容。残念である。
しかし、おかげでしっかりした耐震補強と断熱補強ができ、かつ大きな補助金も頂いたので結局建て主さんは「ツイていた」ということ。感謝!!感謝!!
6月20、21日に行われる見学会の写真をアップしました。左側のサイドバーのリンクからどうぞ!!
さて、これから夏を迎え暑くなる。すると突然、家には暑さ対策が重要という行動や思考が起こる。冬の寒いときは暖かい家対策であるが、人間の良さである「悪いことは忘れる」回路が働くらしい。
何回かご案内したように、新潟県のような日本海側気候は、夏も暑く冬も寒い。特に冬は他の地域と決定的に違い、日射が無く冬にお日様が出にくい地域。加えて冬の季節風が強い。だから気温がそんなに低くなくても寒いし、冬の暖房費は氷点下-10度になる東北並みにかかる。以前の調査の結果では冬の暖房費は夏のエアコン費用より10倍もかかる。だから新潟県の家は「冬対策」に重きを置くことが重要。しかし暑いのは我慢できない「感覚」なのでつい暑さ対策が寒さ対策より優先されてしまう。
住宅の暑さ対策は2つ。日射を入れない!熱をこもらせない!である。この日射を入れないについては窓からの日射と壁や天井から日射がある。窓からの日射は、窓の外側で遮ることが効果的なすだれ(写真)、庇(南しか効果が無い)、植物による日射対策がある。
一方壁や天井からの熱進入は、断熱材と共に、日射の暑さ成分の赤外線を反射させる輻射熱対策が有効である。たとえば断熱材の上にアルミホイルのようなものを張った素材を使うとか、金属光沢を表面に使っている材料を使うと効果的に熱を反射してくれる。たとえばアルミホイルの反射率90%以上という素材が最高であるが、白い色も反射率はアルミホイルとそう変わらない(約85%)。車で白い車のボディーは真夏でも触れるが、青や赤、グレーや黒は触れないくらい暑くなる事は体験済みであろう。遮熱塗料と称するものも販売されているが、とりあえず白色にすれば、遮熱塗料並みに反射してくれる。そう考えると外壁、屋根は白が良いのではとも思えるが、冬には反対になり、日があたれば黒色のほうが、壁から熱が逃げにくいともいえる。だからそう深く考えないで、好みで外壁色を選んでも良い。
注意が必要なことは、地球上では熱が伝わるには伝熱、輻射、対流があり、この中の輻射(つまり遮熱)だけでは意味が無くバランスよく計画することが肝心。断熱材にアルミが張ってあるのも効果があるが、夏の冷房を使う一時だけと考えてほしい。
最近四角いビルのような家がとても多くなりましたね。窓が上下揃っている建物は、耐震計画に無理が無く、見た目もきれいで良いですね。しかし・・・
四角く見える家は、軒の出が無い建物です。軒の出がないと、少量の雨でも、壁に雨水がかかり屋根と同じくとても過酷な状態になります。つまり屋根と同じ素材でないと、著しく耐久性が悪いことになります。よって軒の出の無いときに使える外壁材は屋根材と同じでなければなりません。すると、
コンクリート、鋼板(ガルバニューム)、アルミ、チタン、アスファルトシングル、が一般的です。木の屋根も昔はあったので木も素材によってはOKです。だめなものはサイディング(窯業系)、木(松や杉の辺材)です。焼き物タイルは良いのですが、目地が心配なのでだめなものに入ります。
このように素材が制限されるのでご注意ください。でも軒の出が無いのに、サイディングを使っている建物を見かけますが、10年後は表面が劣化しとても見れたものではありません。家は10年経過したときからが本番です。10年経ってより一層美しく愛される家と、10年で愛着の薄くなった家の差は歴然としてきます。
上は1994年で築2年の拙宅(今の拙宅はこちら)。外壁が当初サイディングでした。10年を過ぎた頃から頻繁に家に塗装屋さんが来て、「そろそろ塗装しないと外壁がだめになるよ」と営業にこられました(同業者とはしらずに)。ところが木の外壁に替えてから、塗装屋さんは一度も来ません。木の色もグレーになり、普通の人が見たら前のサイディングより古めかしい感じなのに、チラシひとつ入ってません。素材によって見分けているなーと感じました。
にわかに世の中の断熱気密性能が上がりそう。
高気密高断熱の国の基準を作った坂本先生が「熱と環境」の最新版で語っている。Ⅳ地域(新潟県の大部分)目標値はやはりQ1以下。詳しくは
http://www.dowkakoh.co.jp/quarterly/2008-01(vol10)/heat-and-env10.pdf
です。
上のグラフは「熱と環境」の2008年冬号 坂本先生の記事から抜粋です。それによると内部発熱(人や待機電力)だけの所謂無断房で、20度の温度差を作るには、Q=0.25W/m2k以下でなければならないことがわかります。新潟県では無断房は現在ではありえませんね。一方日が射すとQ=1.0であれば無断房で過ごせそうです。夜間はだめだけれど、蓄熱をうまく利用すればある程度いけるかも?
さて、当事務所の「緑の家」はQ=0.9W/m2k以下でこの目標と同じです。それに、後から断熱追加もあり、将来性をみこした仕様となりますね。新潟県のような冬に日射が期待できない地域が無断熱で快適になるためにはQ=0.25W/m2k以下となり、気の遠くなるような大変な断熱仕様(壁の厚さ40cm以上か)です。換気は、熱交換率95%くらいで、窓のK値は0.4くらいでしょうか?真空トリプルガラス相当でしょうか?まずここ15年ではありえない仕様です。となると、コストと性能のバランスでQ=0.9くらいがやはり目標でしょう。
今日は朝から雨です。風がなくこのくらいの雨だと屋根の軒(庇)のある所の外壁は濡れません。だから木が腐りにくく長持ちするのですね。写真のように欅の幹は、葉っぱが雨を集めそれが枝に伝わり、そして幹から地面に・・・。幹はすぐに濡れ色になり、はっきりとしたいい色になります。
以前自然素材は、雨が降ると吸水するから色が濡れ色になる。だから人工素材と区別がつくと言いました。本当にそのとおりです。雨の日は、目に見える景色の色がかわり、違った描写をします。ところが、車や普通の家の屋根、橋・・・etc.は人工素材なので色が変わりません。
外壁は色の変わる素材を使うと、自然に溶け込み、心落ち着きますね。この外壁ももう少し風が吹くと色が付きます。
拙宅の小さな屋上菜園はいい感じです。こんなにうまくいくとは思いませんでした。いいですね。私は今までないような新しいことを始めるとき、自分の家や持ち物で実験し、確かめます。屋上菜園も3年目に入り、大きな問題がないことを確認したので今後はお勧めです。特に逆転プランで2階リビングキッチンの家にとってもお勧めです。そういえば、内野のM様の家もちょうど車庫の上が12帖ほどあるバルコニーだったような・・・。それも結構土が入れられるようになっていた気がします。調理中に目に見えるところに薬味(ネギやショウガ、ミツバ)があり、ちょっとつまんでそのまま食卓へ・・・お勧めです。おやりになってみませんか?(^-^;
昨日べた基礎の計画を見るとその会社の技術レベルがわかるよ!のような話をした。宣言したは良いものの、自分で不安になり少し調べてみた。すると・・・、やはり間違いではなかった。
最近は、建設会社でもブログが盛んに行われてではでいるようで、色々な基礎写真やコメントがある。ある会社では、基礎にかかる荷重をしっかりと把握していないようで、建物荷重が低すぎる事がわかる。
私どもの「緑の家」で詳細に重量計算すると、約9から12KN/m2くらいで基礎のスラブ算定する。スラブ荷重を入れると12から16KN/m2にもなり、この荷重で地盤の支持許容応力度より少ないこと確認する。また、国の基準である性能評価の計算書のマニュアルでも積雪1mで計算する場合、2階建てで11KN/m2と指定される。だからこそ基礎梁のせい(スラブ厚+立ち上がり)が600mm以下では鉄筋が最低2-D16必要なときがある。 そして設計荷重であるが、多雪地域である時は設計荷重は7.8KN/m2となり、壁又は屋根が重いときは10.8KN/m2。しかし7.8はおろか10.8KN/m2なんて考えていないのだろう。餅は餅屋といわれるように設計は設計屋(設計主体の事務所)さんに語らせることである。生半可な知識で設計(構造計算)のことを語ると・・・。
↑表は国が定める性能表示の基礎計算時の建物荷重。新潟県は原則全て多雪地域である。
次にやはりべた基礎の場合の構造区画。べた基礎とはもともと地盤が悪いところで基礎接地圧を減らすためにできた基礎方法。であるから、その考えに妥協は許されない。べた基礎で考えるときは、その周囲の基礎梁が連続していることが条件。つまり原則、人通口や島型の基礎立ち上がりがあってはいけない。基礎区画内に島型あるのは、荷重によっては床束と同じと考えるので問題はない。ところがべた基礎なのに、どう見ても区画がない。これで基礎の作り方や、コンクリート強度を語るのは詐欺のようなもの。知らないでは済まされない。重要な構造部分であるから。
また、あれほど話題になっているのに、住宅用階段で両側に手すりもしくは壁がなければ、原則建築基準法違反となるのに、いまだデザイン系住宅のチラシにはそんな手すりのない階段の写真がある。法律には詳しくはないのであれば、また施工途中であれば、仕方のないことであるが、せめてそんな写真を堂々と載せることはやめてほしい。ほかの人が「何だ。これができるならまねしよう」という人が増える。こんな写真を堂々とチラシに載せる会社は、他の部分でも法律違反(悪気がなくても)している可能性が高い。気をつけたい。
今は情報時代。専門的な情報もインターネットでほとんど検索できる。最近では、国立図書館もネットに書籍データーをアップして誰でも閲覧可能になってきている。拙者のエアコンに関する論文(時代先取りと自負している)も「オーブルデザイン」とグーグルで検索するとたどり着く。
そこで今、家に興味がある方は是非「べた基礎」で調べて見よう。べた基礎に関する法律や構造的考え方は2002年から変わっていないのに、なぜか今年から各社(新潟県のような多雪地域)いっせいに今年から変わる気配。←に詳しくあるのでどうぞ。
たまたま新潟県の低金額建設費で有名な会社のHPを見ていたら、やはりありました。標準仕様のべた基礎の写真。その基礎はべた基礎なのに、人通口が910(780)くらいある。もう5年も前から人通口はべた基礎の弱点なので人通口の幅を500(600)かつスラブに補強が必要なはず。法律では明確にこの幅は決まっていないけれど、べた基礎には裏づけなことは事実。その裏づけで簡易な方法が財団法人「住宅保証機構」が発行している「設計施工基準」にある。そこには人通口500(600)以下でスラブ補強が義務事項となっている。簡易な裏付け以外では、構造計算による確認があればOK。しかし構造計算で梁が一部欠損している補強はなかなか大変。さあ、過去のべた基礎の方法を探そう。するとその会社が将来に渡って正しく施工(計画)できるかの判断になる。基礎は一番の要。
拙者は、「家は社会の財産」と考えている。安くてもその時だけよければ・・・とは思えない。やはりせめて数十年先でもその家の価値(性能的)が下がらないように、前もって予想し準備をしておく必要がある。耐震性、断熱性は特にそうである。耐震性は等級2~3という避難病院並みの基準にしてもそう多くのコストは掛からない。設計者の心意気である。
断熱性は初期投資。必ず将来メリットとして帰ってくる。家はコンパクトになっても断熱性はSSプランが良いと今感じる。それは拙者が掲示板などで「将来はハイブリッド車が主流」と宣言した6年前と同じような確かな感覚を感じる。
↑ の写真は人通口の下部分だけでも、普通の家の基礎高さくらいある「緑の家」のべた基礎。
10年乗っている愛車プリウス。いまだに燃費は16~19km/L。この秋プラグインのプリウスが発売されると聞いたが・・・資金がない・・・。
・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。
屋根の煙突も設置され、内装工事を急ピッチに進める三条栄地域のS邸。完成見学会は、ブログ左のリンク先をクリック。
性能表示住宅でNEDO補助金の該当住宅で内外に建て主さんのこだわりがぎゅっと詰まってます。(耐震等級2、劣化、維持管理、省エネは最高等級)
S邸を施工して頂いたのは、帯織に構える「吉田建設(株)=住宅のヨシケン」さん。技術力のある職人集団の会社で、この地域ではナンバーワンでオンリーワン。なんと江戸時代末期からとの事。写真ではブログアップ許可を得ていないので後ろ姿でご紹介。メジャーで指示しているのがヨシケンさんの常務。まだ若いのにとてもしっかりと技術、経営共に手腕を発揮され、現場管理も高次元。安心していられる数少ない方です。
ヨシケンさんのホームページはこちらです。
青字修正2009.05。27
この時期になると新聞チラシには、「シロアリ駆除なら・・・」、「恐ろしいシロアリ・・・」と賑わう。シロアリは普段見ることがない。それはお日様が大嫌いで、風も嫌い。すなわち、暗闇の木材(土)の中で生活している昆虫。食べ物は通常は倒木か弱った木。天敵は自分より体の小さい昆虫を含む肉食(雑食)昆虫や鳥。このくらい大きさの昆虫の中で一番弱い。
この写真は、5月18日携帯カメラで撮影した。私が今仕事をしている近くの道路に置いてある倒木(松)から飛び立つところのヤマトシロアリ(羽蟻)。この行為は年に一度行われ、5月の連休中から6月の梅雨前に限定される。だから広告がこの時期に集中する。この飛び立つ行為を群飛と呼んであるが、これが数千匹もいるものだから、近くにいた人たちはパニック。飛び立っている羽蟻が体についたりして「気持ち悪い。」ということになる。でもこのシロアリはうまく飛べない。したがって服に止まってもすぐに逃げれないので服から離れない。だから奇声があがる。
それはそうだ!ごく最近まで「白い」普通のシロアリとして羽なんか生えていなかった。いつもは必要ない種族。うまく飛べる羽があるはずがない。色だってにわか仕込みの黒い色。どんなにがんばってもお日様には数時間しかあたっていられない。というかほかの昆虫の格好のえさになる。飛べないし、逃げるのが遅い、攻撃できないとなれば、自然界ではあたりまえ。
こんなシロアリだが、彼らは森の番人ともいえる。木が倒れたとき一番最初に分解してくれるのが彼ら。彼らが食した後は、まるで土の小塊のようなものになる。これをさらにバクテリアが分解して土に返る。シロアリがいなかったら森の活性化はないといってもよいほど大事な昆虫。ただこの昆虫が、人間のエリアに間違って入ってこないように願うことは普通な気持ち。こんなに多くの数を見たら、普通は男性でもパニックになる。シロアリの群飛は、シロアリがそこからいなくなる合図とも言われている。つまり食べ物がなくなったので、違うとところへ子孫を残すため行為ということ。落ち着いて対応し、長い目で見て、ケミカルに頼らずシロアリが入ってこないように予防計画を心がけたい。
先回は長期優良住宅先進的モデル事業の補助金申請をしたが、採択されなかったとご報告した。最大で一物件200万になる事業で、昨年度は総額140億円の予算がつき、一計画で数億円にもなり住宅業界への天く ・・・略・・・ かどうか不明だが、採択されたのがほとんど大手メーカー(審査は非公開)。
これに「問題あり」という声があがる前に、今年度の補正で数十億円の予算をつけ、中小工務店限定で100万/件の補助金が出ることになった。この中小工務店限定にしても大手ハウスメーカーから何も文句がないのは、すでに長期優良住宅先進的モデル事業で巨額の補助金を手にしているからに他ならない。私はこの記事を見たときはっきりと確信した。政治力がある大手ハウスメーカーが「中小」に限定して補助金を出すことに何も言わないという事が信じられない。そう考えないと説明つかないから。
ということで、私は採択漏れをしたので堂々?とこの補助金を使いたい。といってもともと「緑の家」は標準仕様で長期優良住宅に合致する技術基準なので何もすることがない。あるとすれば、履歴の完備くらい。しかし、普通の工務店、施工会社さんは相当大変なはず。性能表示を過去申請した事があるならまだしも、昨年もブログでお伝えしたとおり、県内ではほとんど性能表示申請はない。仮に申請してあるとしても、耐震等級2以上は結構厳しい。これは木造部分ではなく、基礎が今までとちがうから。新潟県のほとんどの住宅の基礎立ち上がりは600mm。これでは等級2は取れない。最低750mm以上で、もし基礎がべた基礎の場合は、ほとんど構造計算によってスラブ配筋、たて上がり部分の主筋、そして区画を造る為の地中梁がいる。今まで「地震に強い家」といって宣伝してきた施工店や建設会社が、急に基礎の仕様を変えたら要注意!!今まで言っていた「地震に強い家」は嘘で、「地震に強いと思い込んでいた家」に変えなければならない。そうでなければここ数年でその会社から「地震に強い家として」建てて頂いた施主さんは納得しないだろう。
このように「口ではいくらでも言える」のが住宅業界の今の現状。是非建て主さんは、「性能表示住宅やで等級2の家、また長期優良住宅を造った事があるかどうか?」を聞くことが重要な選定基準といえる。長期優良住宅の条件が、性能表示の耐震等級2以上であるから・・・。あたりまえの仕様である。
ただ懸念される事もある。この長期優良住宅や性能表示住宅は、申請コストだけで40万ほどかかる(書類作成費用20万強、申請料20万弱)。これらはすべて建設費に跳ね返る(建て主さん負担)。
性能表示や長期優良住宅の申請書作成に限っては、当事務所でもお受けいたしますので、建て主さんに限らず建設会社さん、工務店さんはお問い合わせください。
写真はD13 ピッチ120mm以内のシングル配筋で、人通口補強を2-D16で行った性能保証耐震等級2の家の基礎。そんな基礎、2階建ての家で巷で見たことがありますか?これで初めて「地震に強い家」といえる。
赤字加筆 2010.05.23
給湯機器と言えば今はエコキュート。名前からして環境によさそうなこの給湯器の実際はどうか?
9年前から普及し始めたエコキュートの評価は最近ようやく論文として出始めている。私が最初に検討した9年前は、その機器の信頼性が不透明(ヒートポンプの寿命)だったので、見送り、その4年後始めて設置した気がする。
さて、最近のエコキュートのカタログでのCOPは5にもなり、年間平均でも3.5(地域Ⅳ)くらい。・・・と思っていた・・・。ところがこれは、給湯器自体のCOPではないという。エコキュートに設置されているヒートポンプだけのCOP(HPCOP)ということ。むずかしいようだが、エコキュートは夜に沸かし、昼間はそのお湯を使う。だから放熱ロスが相当あり、実質のCOP(SCOP)にすると2以下の機種もある。エコキュートがすばらしいのは、発電ロス+送電ロスを引いた0.4くらいのエネルギーをCOPが3のヒートポンプで0.4×3=1.2まで高められることにある。SCOPが2くらいでは0.4×2=0.8で、ガス給湯器より効率が悪い(環境にも負担が大きい)。やはりSCOPは3くらい無ければならない。どうも9年前からここ数年前までは、SCOPは2くらいの機種が多かったのではないだろうか?積極的にお勧めしなくて正解だった。
ではなぜ、使用していた人は問題点としてあげないのだろうか?それは深夜電力で沸かすので、元々の電気代が1/3のところに、SCOPが2のエコキュートでも、従来の電気温水器の半分で済むからだ。つまりSCOPが2のエコキュートでも他の給湯器より随分安くお湯が沸かせる。このようにランニングコストは優秀であるが、環境へのインパクトは特に優秀ではなかったといえる。最新機種はSCOPも3程度の機種も出てきているので、環境、経済性も高い評価となる。後は耐久性が10年か20年かがわかれば今後の給湯器はすべてエコキュートになるか、高効率ガス給湯機になるかはっきりする。・・・かな?
ちなみに拙宅は、都市ガスが無い地域かつ、海のまん前なので屋内設置の石油給湯器(普通効率)である。一応17年くらい使い続けこの度取替えた。高効率タイプは商品がまだ相当高い(10万以上)。しかも10年で中和剤の添加をしなければならないので選択しなかった。
画像は、「実使用を考慮した貯湯式給湯器の性能に関する研究」濱田靖弘、村川三郎ら 空気調和・衛生工学会論文集143号から
冬の場合のSCOPとHPCOPと損失熱量を示す。夏の場合はSCOPが概ね3割くらいアップする。
上の画像は5月2日に放映された「世界一受けたい授業」 のものです。このテレビ番組は変わった大学の先生が出演する事で大変人気があります。時には数学の先生や、物理、普段考えたことも無い脳内科学等等。
今回は恩師である新潟大学のA教授(画像はしっかり映っているが一応匿名で)が出演されるとうことで期待して見ていました。期待とは・・・A教授は歯に衣を着せぬ発言をされる事で有名ですので、時にはえらい騒ぎになるときもありますが、念のためその期待ではありません(変わった教授ということは否定しませんが・・・誤解のないように申し上げておきますが、A教授は、住宅の換気と通風では、国内で第一人者です)。
まずテレビ映りが良いのでびっくりしました。またテンポの良い内容は、とてもわかりやすかったです。映像は15分くらいですが、実際の授業は、本当に45分だそうでそれを編集して縮めているとの事です。生徒のタレントさんは、よく聞き質問積極的にするそうで、大学の講義よりも楽しいと聞きました。
見ていて「おやっ」と思ったことは、いつもは仰らない「珪藻土は化学物質に対し有効」ということを番組中では仰っていらっしゃった事。聞くとスポンサーへの気配りではないかとの事。なるほど!!納得。(^-^;
綺麗な空気を得るために「月々400円かかることが充分意義のあること。」水はたった一本0.5kgで120円することを考えれば、一日で呼吸する空気の量は12kg。400円÷30=13円 13円/1日で綺麗な空気を吸えることということはわかりやすい表現でした。
そうですね。古いレンガ(リサイクルレンガ)です。一度溶鉱炉などに使われたレンガで、溶鉱炉の寿命で解体されたものを購入して新たに使います。普通のレンガと違い「耐熱レンガ」ですので、使えないことはありませんが屋外には不向きです。特にこれを使ってバーべキュー炉は造れません。なぜなら耐熱レンガを耐熱レンガとして使う場合は、「モルタル」と呼ばれる建築のモルタルとは全く別物の素材のモルタルで積み上げるのですが、これは水分に弱く、屋外では使えません。だからといって、普通のモルタルで造ると、あっという間にモルタルが割れ崩壊します。ですので、これを再び耐熱レンガとして使いたい場合は、雨がかからないように屋根の下か屋内で炉を作ることになります(その場合、新品の方が良いですね)。
さて、話がそれましたが栄地区の今回の家では、これを薪ストーブの周囲と玄関の床として使う予定です(普通のモルタルで積みます)。この欠けた所や、色むら、製品番号がなんともいえない味を出します。見学会でご覧いただければ、本物の耐熱レンガの良さがわかると思います。多少砂っぽいところが欠点ですが、普通のレンガでは表現できない雰囲気が良いですね。
下写真は、4年前位に使った時の積み上げ施工中のものです。
いよいよ完成間近になり足場が取り外されました。いかがですか?シェーカー調を思わせるようなシンプルで装飾のない外観。ちなみに屋根のブルーは、まだできていない薪ストーブの煙突です。
この家の完成見学会のご案内はこちら
足場が外れた今日、もう一度壁の状態を撮影して見ました。程よい鏝跡ですね。
一昨日はとても感謝する事がありました。コンビニから私が出るときに、ちょうど外から小学校5年生くらいの男の子が入ってきたところでした。その男の子は私が思いもせぬ行動で、私が出るまで戸と抑えてくれてたので、思わず振り返って笑顔で「ありがとう!!」というと、男の子の顔は、ぱっと花が開いたように笑顔で返してくれました。多くの人がこのように出るまで戸を押さえていてくれる場面は少ない世の中です。それだけでも感謝しますが、それ以上にありがたかった事は、「ありがとうという言葉は笑顔とセット」ということを思い出させてくれたことです。戸を持ってた人が大人だったら私はこのように笑顔でありがとうと言ってません。だから感謝する気持ちが上辺だけになるのですね。ありがとうと笑顔(心)はセットで・・・。感謝です。ありがとう!!(*^-^)
15日のブログでは、耐久性の順位が重要と書いた。たとえばこの写真中央の屋根はまだまだ当分寿命はこないだろう。谷もなく健全な計画でかつ安田瓦という耐久性の高い物を使っている。あと50年はいけるのではないか?しかし、樋や外壁はこれから20年もたないだろう。さらにたぶん温熱性能は低いと想像できるので寒い家ではないか?すると家主の代変わり時には家の建替えとなり、まだまだ使える瓦はごみとして処分される。家はおのおののバランスが重要である。
4年くらい前にお手伝いさせて頂いた建替えの家は、その3年前に瓦だけ数百万かけ瓦を葺き替えたとおっしゃっていた。しかしその後すぐに建替えたかというと、とても寒くてじめじめした家だからだ。このように家の持つバランスがくずれていると、家主は躊躇なく建替えてしまう。バランスを考えた家にする事は、その家の持つ耐久性を無駄なく発揮できる条件である。 誤解のないように・・・私は瓦屋根は大好き。それ自体土で、役目を終わったらまた土に返るだけの貴重な素材。
長期優良住宅先進的モデル事業に応援、又期待して頂いた皆様、誠に申し訳ありません落選でした。原因は当方の力不足です。心からお詫び申し上げます。
独立法人建築研究所(建研)より昨日発表がありました。いつも気にして(楽しみにして)この建研のホームページを最近は毎日のように見ており、当事務所に連絡メイルが来る前にわかりました。とても残念です。今までこのような補助金は、手ごたえがあると必ず当選するのですが手ごたえとその裏づけがあったにもかかわらず、採択されませんでした。裏づけは、4月の下旬頃、建研からメイルで追加資料の要請が2度ほどあったのです。だから「これはいける!!」と思ったのですが、よく考えて見ると最後「手違いだった」と謝罪メイルが来たのです。これが今考えて見ると少し違和感があります。(会社名を間違えているが、内容は提出内容の質問に合致・・・。〇△〇は伏せてあります。)ちなみに採択された事業はほとんどが大手メーカーか共同事業体でした。とても悔しい気持ちです。期待と応援してくださった皆様に心からお詫び申し上げます。
下は2度目の資料依頼メイル。一度目は資料送付済み。
****************
株式会社 〇△〇ニシア 浅間 秀樹 様 先日は、御社のご提案『環境配慮型・長期優良住宅先導的モデル事業』 について、 追加資料のご提出にご対応いただきありがとうございました。 ご提出いただいた資料についてですが、以下の指摘事項について、今一度以下の資料を追加してご提出いただきたく、宜しくお願い申し上げます。 ・中古住宅の流通に役立つ新築時の情報は、どのように管理されるでしょうか。 短期間での作業ならびに重ねてのお願いとなり誠に恐縮ですが、ご回答はメールまたはFAXにて、 5月1日(金)正午までにお願い申し上げます。 *********************************************** (独)建築研究所 長期優良住宅先導的モデル事業評価室 ***********************************************
最後にきたメイル
*******************
有限会社オーブルデザイン
浅間秀樹 様
先ほどはご連絡いただきありがとうございました。
4月28日の回答締め切りで追加資料を依頼した件につきましても、
当方のミスにより関係のない問い合わせ内容を浅間様宛に送付してしいたことが
わかりました。
期日内に資料をご提出いただきましたにも関わらず、
このような事態を招いてしまい、ご迷惑をおかけし大変申し訳ございませんでした。
今後はこのようなことが起こらないよう、気をつけてまいりたいと存じますので
何卒よろしくお願い申し上げます。
以上
********************************
(独)建築研究所
長期優良住宅先導的モデル事業評価室
********************************
----- Original Message ----- From: "オーブルデザイン浅間" <arbre@cocoa.ocn.ne.jp>
To: "評価室"
Sent: Monday, April 27, 2009 11:37 AM
Subject: 再送 Re: 長期住宅質問【回答締め切り:4月28日】
評価室様
26日にお送りした添付ファイルの3ページ目が欠落しておりましたので
改めてお送りいたします。申しわけありませんでした。----------------------------
この度はお問い合わせ頂きありがとうございます。
応募事業提案名「緑の家」長期同調型
の代表提案者の浅間秀樹です。頂いたご質問の返答を「添付WORDファイル」でお送りいたします。
ご査収のほどよろしくお願いいたします。新潟県三条市荒町2-2-21浅弘ビル3階
有限会社オーブルデザイン 0256-31-2250
代表取締役 浅間秀樹評価室 さんは書きました:
株式会社〇△〇ニシア
浅間 秀樹 様
この度は、平成21年度第1回長期優良住宅先導的モデル事業にご提案をいただ
きました。
現在、応募提案の評価中でありますが、御社のご提案『環境配慮型・長期優良
住宅先導的モデル事業』
について、以下の資料を追加してご提出いただきたく、宜しくお願い申し上げ
ます。
○ ①不同沈下した際の具体的なジャッキアップの方法をお示しください。
②基礎を頑丈にして住宅全体が重くなることによる、軟弱地盤上での沈下
の可能性についてどのように評価しているのか、
具体的にお示しください。短期間での作業となり誠に恐縮ですが、ご回答はメールまたはFAXにて、4月28
日(火)昼12時までにお願い申し上げます。***********************************************
(独)建築研究所 長期優良住宅先導的モデル事業評価室
***********************************************
緑字2010年修正。
最近HP中やブログでもお伝えしたように、長期優良住宅やCASBEE評価のおかげで、耐久性のある住宅について提案しよく考える。そこではっきりしたのが、耐久性を上げる部位の順番である。
「緑の家」の屋根は標準でガルバニュームかアスファルトシングル葺きである。大手ハウスメーカーでは瓦が一番多い。たぶん営業しやすいから・・・。「屋根の耐久性は瓦が一番!!少し高くても瓦がいいですよ!」というだろう。しかしオーブルデザインでは違う。オーブルデザインの「緑の家」では基礎に最初にお金をかける。次に構造(断熱含)そしてまだ資金があるなら屋根にかける。なぜか・・・?昔(2000年前)からつい最近(100年くらい前)までそうだったから。とても営業しにくいが、でも歴史がその理由を証明してくれる。
木の住宅は2000年以上前からある。今までどのような経緯で部材ごとの耐久性を考えられてきたか、歴史を振りかえる。
最近は金属性の屋根(ガルバニューム)、和瓦を代表とする焼き瓦、コンクリート系のスレート、アスファルトシングルのような石油加工品が多いが、ほんのちょっと前(100年)は、植物系屋根が主流で、一般の民家はほとんど木やカヤの類の屋根であった。木の屋根の耐久性も実はそんなに悪くない。30年くらいは大丈夫という調査もある。つまりほとんどの家が30年の耐久性の屋根を使っていた。そして一部の邸宅や社寺仏閣は瓦と銅板で屋根を作っていた。その中でも銅板は最高の耐久性を誇り、200年の寿命があるとまで言われる。(瓦は100年以下)。近年銅板は酸性雨の影響で著しく短寿命となったらしい。60年~80年が一般的な銅板屋根の寿命と思われる。さてお分かりだろうと思うが、屋根材は長持ちすればそれに越したことがないのであるが、瓦や銅は高いので30年くらい持つ木の屋根で問題なかった。木は日本の至るところにあるのでそれが普通と考えていた。ではなぜ木の屋根がなくなったかというと、頻繁に類炎する火災のせいである。現在法律上屋根は「燃えにくい」素材で作る事が義務付けられている(関東大震災で大きく変わった)。だから木、カヤから瓦に急に置き換わった。しかしコストの理由で耐久性のないセメント瓦やアタンと呼ばれた亜鉛鉄板が多く使われ、それがあまりにも短寿命(10~20年)だったため、「焼き瓦でなければだめ!!」というイメージが定着した。
次は外壁
現在の外壁は説明するまでもないと思う。屋根と同様に少し前(70年)の外壁の主流は木と土である。木の耐久制は40~50年くらい、土は50年くらいといわれている。現在木の外壁は屋根と同様火災に弱いとの理由でなくなった。また土壁は工期がかかる=コスト高の理由でなくなった。比較的簡単にメンテナンスできる部位でもあるため昔から外壁は30~50年くらいが妥当と考えれれていた。
次は構造
昔は木の構造しかないので木の構造で考える。普通の木の構造は土台周りのメンテナンスができれば100年くらいは大丈夫。今まで取り壊される理由が「木の構造が先に寿命を迎えたから」という家は少ない。だからその期間に訪れる地震に強い性能や、快適性が重要である。
次は基礎
昔の基礎は丸石(自然石)を並べただけのもの。だから現在の基礎と直接比較はできない。というのは昔はこの丸石単体で基礎と考えるより、その地面と丸石一緒で基礎として考えていた。家を造るにあたって先ずは地面の安定しているところを探した。そして地面を安定強固にするため、「よいとまけ」をおこなう。よいとまけを見たのは私がまだ幼稚園のころであり、それを最後に見なくなった。このように劣化が考えにくい地面と一体で考えられた丸石を含む基礎の耐久性は、大地震が起こるまでの「無期限」ともいえる。
次は設備
昔の設備といえば「かまど」「雪隠」「井戸」「囲炉裏」であろうか?この耐久性はすべて日常でメンテナンスを必要としているので他のものと比べることはなかなかできないので省略。
最後は窓
昔(100年以上前)は柱と柱の間に入る木の板が窓となる。耐久性は、その部材がなくてもOK(お金がない家は、木の変わりにわらや植物で遮っていただけ)という時代だったので耐久性という概念はなかった。
さて、これでお気づきになったと思う。耐久性は家は作る順序と同じように考えていた。家を最初に造るときは地面(基礎)工事から始まって、木の構造→屋根となる。だから屋根の耐久性はこの三つのなかでは一番低くても仕方ないと考えた。屋根の葺き替えは他の部位に関係のなく単独でできる工事であるから、木の構造や基礎よりも低い耐久性でOKだったのである。それに比べ基礎は、直す事ができない部位だったので一番高い耐久性を求めたのである。今でも清水寺、善光寺など有名な神社では檜皮(ひわだ)で葺いている。これはヒノキの皮で耐久性は50年程度なので、そのつど葺き替える。意匠的な理由であるが、致命的な欠点ではないので現在も受け継がれている。
次に木の構造はどうだろうか?この木の構造を長持ちさせるために昔の家の基礎(床下を含む)は、人が常に入れる高さがあった。木の構造の中でシロアリ、腐朽などの弱点となるのは基礎周囲。その部位のメンテナンスさえ行えば木の構造の耐久性はぐっと上がる事を歴史は証明している。緑の家もこれに習っている。まず最初に基礎や基礎高を重要視ししており、さらに木の構造(断熱気密も含む)、さらに資金があれば最後に屋根となる。屋根の耐久性の目安は30年以上、逆にそのくらい経てば、雨どいやサッシなどに寿命がきて、いっせいに外皮のリフォームできる。
さて、蛇足であるが60~100年耐久性のある焼き瓦でも谷や見切りは金属でできている。この金属は普通はステンレスであるが、悪い工事の時はガルバニュームとなる。そのガルバニュームの寿命で屋根の寿命も左右されてしまう場合がある。取替えは瓦全部ではないのでコストはそう大きくないが、それでも足場がいるのでそれ相応にコストがかかる。無論ステンレスでも耐久性は焼き瓦より低いとされる。
新潟県の夕日ですね。規則正しく並ぶ影。田植えが終わって水がはられた水面に、黄金の道が太陽まで続きます。
昨日お伝えした三条市に建築中の「緑の家」のキッチンは、流し台も含むすべてを腕のよい「オグラ大工さん」が担当し作ってます。若い大工さんですが、きっちりした対応と判断の的確さが伝わります。
大手メーカーが造るどんな高級システムキッチンでも、仕切り板はフラッシュといわれる中が空洞な板です。叩くとぺこぺこと音がするのがフラッシュ板です。それに比べこのような大工さんが作るオリジナルキッチンは、すべて無垢(ソリッド)でできているので、叩くとコツコツと質感が違います。手仕事の良さが伝わるキッチンです。
また、このような造りつけキッチンの良さは、写真のようにコンセントやスイッチがキッチンセットに埋め込むことができるので、デザイン的にも使い勝手も一番よいところに設置できます。こだわりのスイッチ位置は、このように天板下に規則正しく並びます。
日時 6月20日(土)21日(日)いずれも10時から17時
場所 三条市鬼木
外壁も真っ白。内壁も真っ白のシンプルな家。左官職人による、手塗りの壁の雰囲気を残すため、わざとこてムラを残す・・・。
店舗外装などはもっとこてムラを残している仕上げもあるが、これはだめ。数年建つとこてムラの上部出っ張りに、埃が付きとても見苦しい。この微妙な加減が住宅ではベスト!!写真でわかりますか?この感じ。真っ白に拘ったため、今回の外壁は中霧島壁や漆喰ではないけれど、充分吟味したもの。
下地も以前お伝えしたとおり、木で造るざら板の上に、モルタルを塗った本物志向(上写真)。
この真っ白な壁を活かすため、この玄関アプローチはわざと窓なしの4mの大きい壁のみ。洋風建築は「壁」の存在感が命。その「壁」が職人の手による真っ白い左官壁、言うことなしですね。綺麗です。
外観はこのような感じです。勾配のきつい屋根はシングル葺きで仕上げ、真っ白い塗り壁に上げ下げ窓(木の雨戸もこれから付きます)。この真っ白い壁を守るために屋根はある程度軒の出を確保。木の外壁の納屋を隣に計画。お隣さんの松の木が見えなければ、日本ではないような雰囲気の家。内部もこだわりぷんぷん。照明器具から扉の取っ手まで、建て主さんが捜し歩いて決めたもの。このご紹介とこの施工を行って頂いている高い技術力の常務さん率いる腕のよい職人集団「吉田建設=よしけん」さんのご紹介は次回のブログで。
赤字訂正 2008.05.16
無塗装の外壁の家。これからの主流の自然素材の外壁・・・。完成見学会を行います。
日時は6月13日(土)、14日(日)の10時から17時まで。
場所は三条市荻掘です。
この外壁を見に来るだけでも価値ありますよ!!。コストも標準のガルバニューム外壁より15万~25万/一軒UPでOK。手で触ってみてください。やっぱり自然素材は無塗装でこそ価値があります。
性能は耐雪2mでQ値1.91.7w/m2kと、共にハウスメーカーが採用している積雪基準、次世代断熱基準の2倍、1.3倍も高い性能。無論耐震性は、性能表示の等級2相当の質実剛健の家です。
PS
予約は不要ですが、「ひやかし」等はプライバシー保護の点からお断りしております。
ビオトープ・・・。ドイツで生まれた概念。水場を中心とした最小の循環環境が明確にある場所、仕組みをさす言葉と解釈している。
我々建築士は家の事ばかりではなく地域環境にも気を配る。 仕事としては幅広い守備範囲がある職種だと思う。だからこそ、耳を傾け心を澄ます事を常に意識しなければならない。この写真は妻が世話している自然農園(スパイラルガーデンと呼んでいる)で見つけた「オニヤンマ」の羽化風景。小さな小川が流れるスパイラルガーデンの傍らに水場があるが、娘がその付近で羽音がするので目を凝らすと、大きなトンボがちょうど羽化中。ちょうど羽を乾かしているところ。オニヤンマの抜け殻=ヤゴは3体(写真は2対のみ)あるが、羽化中は1匹。たぶん兄弟は既に飛び立ったのだろう。このトンボがその輝く翼で羽ばたくものもうすぐ。
そして3時間後その姿はもうない・・・。
現在三条市で施工中の「緑の家」SS仕様。外観はデザイン性と間取りの融合を重視した切妻。まだ施工途中であるけれど、美しい家は下地施工中でも美しい。
写真は中霧島壁を塗る前の下地組み。通気層を幅広の貫材をとり、下地の板をわざと斜めに張る。斜めに張ると三角形ができ建物の剛性があがる。その造詣がつくる美しい模様は杉織綾(ヘンリボーン)。確かにこの板は杉材である。杉綾織りはニシンの骨模様からだと思うが、もしかしたら・・・と思わせる。木でできたヘンリボーン まさしく「手仕事」の良さが光る。またこの斜め板が通気層の補助部材として、縦横の通気を可能にしている。
主要なサッシは木製断熱窓アンダーセン400シリーズ。チタンコーティングのアルゴンガス封入のペアガラスのアンダーセンは、内側が無塗装のパイン。外側が樹脂コーティングされた木で、木製窓でよくありがちな数年おきのメンテナンスが不必要。K値は1.6W/m2k(最近のデータでは1.7に括られてている)ととても優れもの。
最初にこの論文から・・・。
これは、昨年の精査された建築学会の論文文集から松鵜、石松、龍氏らの論文からの抜粋である。この論文は「省エネルギーを目的とした地中熱利用ピットや自然換気装置が採用されている建物の微生物による空気汚染を調査したものである。結果は、戸外と比べ室内環境が高濃度になりやすく、維持管理基準をクリヤーできなかったとされている。地中熱利用ピットとは、少し半地下のような住宅の床下のようなところで、その空間に屋外空気を流して室内に取り入れ、地中熱を利用しようというシステム。結果の図のとおり、確かに室内のほうが微生物の出現数が数倍高い。確か当ブログでは、微生物濃度は、森のほうが大きいときがあったと報告した論文をご紹介した。そこから考えるとこの程度あればそう問題ないが、この建物はまだ築3年程度であり、塵や汚れがピットに多くあると考えにくく、15~20年後はどうなっているか今後の調査が待たれる。
話題を題名に戻すと、事務所設立当時から、一戸建て住宅で床下から暖を取る「床下暖房」については2つの問題があると指摘してきた。この4~5年間で当事務所も2棟ほど採用し、巷でも最近多くの住宅で採用されているがもう一度問題点を整理して見ると・・・、
①ある特殊工法(屋根で空気を暖めそれを強制的に床下に入れる)では、外壁の中や土台付近には、シロアリ防蟻予防材や、防腐材が塗布、注入されている。その中を循環してくる空気は綺麗とはいえない。
②床下を暖める床下暖房は、床裏から直接伝熱してくる熱だけでは不足なので、床下の温まった空気を1階居室に入れ、空気対流で暖める。この時、床下の空気が清潔とはいえない。
である。①は、新潟県では採用事例が少ない。仮に採用例があったときでも現在は防腐剤を使わなくてもよい通気工法を採用している会社が多い。そのため防腐防蟻剤の点では問題はなくなりつつある。但し、壁内は薬による害はなくても、10年くらいたつとごみや虫の屍骸がたまり衛生的とはいえない点は未解決。
②は、解決できる問題もある。②の最大の問題は、壁の中と同じように床下がゴミや虫の屍骸で衛生的とはいえないことである。新築時は確かに綺麗である。しかし掃除ができない床下はいつかはゴミ、虫の屍骸、もしかしたらねずみやゴキブリの屍骸があるかも知れない。そんなところの空気を居室に取り入れ暖房に使っていて平気か?私は抵抗がある。
「でも御社でも採用しているのはどうしてですか?」という問い合わせを頂く事もある。その時は、「当社の「緑の家」は床下内に人が簡単に入ることができ、自由自在に活動できる最低の高さを確保してある(基礎高1m)。勿論床下を掃除することも可能。だから建て主さんがそれを了解して床下暖房望めば、床下暖房にしている。」という返答になる。また基礎から発せられるコンクリート臭は、積極的に空気が入れ替わる床下暖房ではそう問題ではないことがわかった。確かに集合住宅ではコンクリート住宅が多い。コンクリート特有の「灰汁臭」が強烈だったらすめないであろう。積極的な床下利用で空気が換気されれば、灰汁臭は問題にならない可能性が高い。
よい点は床暖房のような快適性が最低レベルのランニングコストで可能ということ。これに尽きます。またイニシャルコストもエアコンと基礎高アップだけなので経済的。
そこでこれからオーブルデザインの勧める家は「床下暖房+床高1.4m」が多くなるであろう。勿論その熱源は以前と変わらず「エアコン」である。最近のエアコンはフィルター掃除が10年間いらないため、益々便利に使える。エアコンによる床下暖房万歳!!になるはず。 下写真は1.4mの床下内に設置されたエアコン。床は綺麗に塗装されている。
拙宅の夕日のあたる外壁。築18年になろうとしている拙宅であるが、外壁を3年前に杉の無塗装の羽目板に貼った。西の壁と東の壁の痛みや色の変化は全く違う。西は猛烈な季節風が吹きつけるので、あっという間に外壁が研磨されるような状態になる。無塗装でなかったら、まだら模様になっていたはず。ソリッドの無塗装の木であるため、一様な雰囲気のある外壁の顔を見せる。海という自然が強すぎるところほど、無塗装である自然素材がよい。但し木は雨に弱いので屋根のないところは、ガルバニューム鋼板(海まん前でも大丈夫)。
こちらは2年前に増築した車庫の上の屋上菜園。今ある緑は殆どこぼれ種(らしい)。ねぎ、パセリ、ブロッコリー、シソ・・・。みょうがの芽も出てきてそろそろにぎやかになりそうな気配。
管理者の意向により完全無肥料、無農薬。自然マルチにミミズ入り。
18年で周りに家ができてきたけれど、それでもまだ夕日はしっかりと見れる。今日一日感謝です。
(写真はすべて連休初日撮影)
現在三条市栄地区で建築中の「緑の家」の外壁工事が始まった。この外壁は、職人の手塗りによるモルタル塗りの外壁。昔はどの家でも左官工事は必ずあり、写真左端に写っているような電動ミキサーが工事現場においてあった。最近は「現場作業が無い、早い、ノン職人」がもてはやされ、職人中の職人芸の左官工事は殆どなくなった。
モルタル塗りの外壁の歴史は古く、戦後(60年以上前の第二次世界大戦のこと)の復興住宅から関東でたくさん造られた外壁。シンプルな外壁で所謂モルタルを厚さ20mmで塗って仕上げるもの。現在も根強く残っている数少ない外壁工法。
最近は厚さ14mmの工場で作られた外壁版を釘で貼って仕上げるようだが、やはりこだわりの建て主さん。本物の左官壁(モルタル)が好みということで、コストはかかるが、モルタルの外壁をチョイスされた。
現代のモルタル外壁は通気工法で作る。昔は通気工法がなく、壁が黒くかびる事があった。通気工法は通気胴ぶち(貫材)を455ピッチで縦に入れる。このとき外断熱工法では、ビス数が通常の倍になる。更にオーブルでは通常の倍以上の幅105の通気板を使う。その上にザラ板を釘3本で打ち、タイベック(通気工法でない場合は必ずアスファルトフェルト)をタッカーでしっかりと止める。
その上からラスを入れる。ラスとは針金をネット状にし(針金ではないのだがそう見える)、メッキ施してある。ラスも安い物だと厚さはまるっきりないが、オーブルでは山高10mmの物を使う。これを使わないと20mmの厚さまで塗ることは難しく、剥離しやすい。決められた重ねや、開口部補強を施し、モルタルを11mm前後木ごてで塗る(下塗り)。
何気なくすばやく塗っても職人さんが塗ると平らになる。すごいね!!
この後中塗りを施し、仕上げに今回は珪藻土入りの樹脂モルタルで真っ白に仕上げる。この時こてムラはわざと残すが、汚れが上にたまるようなことはしない。あくまでもムラ程度で仕上げる。写真は下塗り後のもの。中塗り仕上げは又後日ご紹介する。今が面白いところ。この施工をご覧になりたい方はご案内します。
バルコニー部分の下塗りが終わったところ。
さてこの家の内部は・・・
2階は 木組みが露出する緑の家。
昨日、「緑の家」の増築のお引き渡しを行った。
4年くらい前にお引渡しした母屋の「緑の家」と同じくらいの規模の増築。所謂「スープの冷めない距離」に親子で住まうための増築。お父様の大事にされていた「金木犀」は新しい部分の玄関納まるように計画。この金木犀ので、玄関アプローチの雰囲気がとてもよい。切られることなく移されることなくうよかったね。ありがとう、これからもよい香りを運んでね。と願う。
ベージュの家が4年前の「緑の家」。白いほうが今回増築した「緑の家」。全く違う色なのに、なぜかつながりが感じられると思ってます。やはり設計者が同じだからでしょうね。
今回、増築ということと、工期の関係で完成見学会は行いませんでした。残念です。しかし次回は三条下田地区で行います。外観からもう既に「緑の家」で、今後一押しの無塗装の木で囲う緑の家。耐雪住宅なので限りなくシンプルですが、内部のいつもの木の家。なんとシアタールームがある家です。ご期待ください。
今回の内部は、建て主さんのご希望でなんと12年ぶりに「新建材」の床でした(最初から床が光っています)。私にとって新しいのに懐かしい感じです。床や扉は新建材なのに壁、天井にはビニールクロスは一切使ってないので、新築臭はほとんどありません。新築臭の犯人はやっぱり「ビニールクロス」ですね。
新築の際は、壁、天井のビニールクロスだけはよくお考え(新築臭を体験して)になって使ってくださいね。新築臭が好きな人もいると思いますが、私にとってなじめない匂いです。
軒の出が1mもある正統派のフォルム。アプローチの屋根の重なりが美しい家です。 軒の出を1m近く出すには、大きな部材が入ります。その部材は「たる木」と呼ばれ、通常屋根の中に隠してしまいますが、「緑の家」では堂々と露出です。
主要な窓は、木製サッシ「アンダーセン」の高性能400シリーズです。K値1.6~1.7です。家のQ値は、1.7w/km2ですので、SS仕様にはもうちょっとですが、内外インテリア等は拘りのもので、中霧島壁や、床下暖房+薪ストーブです。
家の和室に入るところには大柱があり、これは建て主さんと木材屋さんでチョイスしました。この大柱は35cm角のケヤキ製です。もう少し工事が進んだときご案内します。
この屋根もオークリッジプロというアスファルトシングル葺きの屋根で、洋風な雰囲気を出してますね。