久しぶりにコラム更新

半年振りにコラム(住宅最新ニュース)を更新した。話題は、先回の住宅完成見学会にお越し頂いた方からのご質問で、「集成材は問題あるのでは・・・?無垢材の構造がいいよ!」というご質問と意見を頂いたので、それに返答する形となっている。

何度かお伝えしているが、法律的根拠もないのに、建て主に「危険ですよ。あぶないですよ。」ということは、度が過ぎると「脅迫商法」となる。以前、このブログ内でも「無添加=安全か?」とか「何もかもが昔のままが良いのではない!」とかで、根拠の薄い、脅迫商法まがいの事を、中堅ハウスビルダーがチラシに載せたり、大きな声で営業したりする事が問題とコメントしてきた。最近は大手ハウスメーカーの営業手法として「大手ですので倒産しない=安心な家。一方小さい会社は倒産するかもしれない=不安な家」と営業するようだが、「倒産しない=良い家ができる」とは限らない。注文による家造りは人の人生と同じく、「出会い=縁」であり、人と人である。会社や組織ではない。  ・・・と思うが、如何か?

重要追伸  ブログの更新が楽で、掲示板の更新を3ヶ月しなかったら、サーバーのNFTYの規定により完全削除されてしまった。掲示板には過去9年の大切な足跡的内容(ジャンク投稿以外削除記事がないことが自慢)があるので、HP上で過去ログとして復活させたい。楽しみしていた方(もういらっしゃらないか・・・)にはご迷惑をおかけします。


夏の終わり・・・。

拙宅(寺泊)では、浮き輪の空気抜き作業で夏も終わりだと悟る。7月の初めから膨らませた浮き輪は、夏中家の前にたてかけてある。今年も例年どおりお盆が終わった時に空気を抜き、海水浴の終わりとともに夏の終わりとなる。この作業が少しさみしい。

海の水は今ごろが一番温かくなるが、くらげも沢山になるのでもう泳げない。(今年は8月の初めからあんどんくらげが多かった。しかも例年ではほとんど見ない水くらげも多く浮遊していてとてもびっくりした。)避けて泳げない事もないのであるが、先人の言葉どおりお盆を過ぎたら泳がないようにしている。

今年の夏は、ほとんど熱帯夜は無く、強烈に暑いと思った日は、数日もなかった。結果、不必要にエアコンも力いっぱいにがんばる事無く、効率の良いCOP運転ではなかっただろうか?ちなみに先回も書いたが7月11日から8月12日の拙宅の32坪の全館24時間冷房状態で、電気代は9千円。快適でかつエネルギーロスがなく非常に効率がよい。

すだれなどで、窓からの日射を外部で極力防ぐ。日本古来の智恵。すだれの上げ下げが日課。


夏のエアコン生活・・・悩ましい。

赤字2008.08.14に加筆

暦ではもう秋。残暑お見舞い申し上げます。が夏の暑さはまだまだ。今拙宅では24時間冷房中。8月に入ってから熱帯夜になる日は少なく、24時間冷房を止め、窓を開けようかなと悩むところではある。しかし、次の日もエアコンをつけるとわかっていると、エアコンは消せない。(拙宅の8月の電気使用料金は、約9000円。これで24時間エアコンをつけっぱなしだから効率は非常に高いと自負している)

新潟市のアメダスのデータでは、昨日は深夜0時は気温25.7度、湿度67%で比エンタルピは61.2KJ/kgであり、その時室内は26度湿度55%で比エンタルピは55.6KJ/kg。という事は、外気温が室内温度より下がっているのであるが、潜熱が大きいので、比エンタルピは室内より高く、外気を入れたとたん体感温度が上がるという状態(風は無視)。

更に温度の下がる早朝3時でもは気温23.5度、湿度75%で比エンタルピは58.3KJ/kg、朝6時で22.8度、湿度78度、比エンタルピは57.5KJ/kgと、室内の空気よりは熱がある。つまり防犯上問題が無く窓をおもっきり開け室温より冷たい外気を取り入れても、この程度の気候であればエアコン空調された部屋26度湿度55%の方が熱が少ない。ここで悩む。次の日もどうせ冷房を入れるなら窓を締め切ってエアコンをつけておいても、そう消費電力に変わりないのではと思うから。それは拙宅は、壁や天井全てが無塗装の木(シナベニヤ)で出来ているので、湿気が短時間で大量に吸湿されてしまうため。つまり体感温度に影響を与える潜熱が蓄積されてやすいのだ。木などの多孔質の吸湿は、吸湿された瞬間は問題ないのだが、窓を閉めてエアコンを始動させると、湿気の放出が始まり、この時点で蓄熱と同じ状態になり、除湿のために余計なエネルギーを使う。だから悩ましいと感じる。

番外編

有名な外断熱の基礎断熱工法で、夜は基礎についている換気口を開ける工法がある。夜涼しくなった空気を床下に導こうと言う発想である。しかし新潟県は↑記述とおり、空気のエンタルピは下がっていない。熱のある空気で折角熱の無い空気(床下空気実測では23度湿度70%で比エンタルピ54.4KJ/kg)のところに暑い空気を入れる事になる。つまりエンタルピを無視した工法である。朝、気温が下がるからその空気を取り入れることで快適などと言っているが、まったく潜熱を考えていない。まあその結果、新潟県は普及していないが・・・。薦める会社は潜熱さえもしらない環境系モグリであると言える。例えば冷房中の快適室内環境を上の26度、湿度55%で比エンタルピは55.6KJ/kgとすると、これと同じ比エンタルピは、22度、湿度80%くらいになる。新潟県では、夜から朝に掛けて22度まで下がる季節は、アメダスによると例年8月下旬ごろから。ところがその時は最高気温も28度くらいに下がるので、エアコンは使わなくても良い時期。つまり日中に窓を開けても快適性が得られる季節なので、わざわざ床下の換気口をあける必要はない。基礎断熱工法に複雑な仕組みはいらないと言う事がはっきりわかる。写真は床下温室度の実測。


住宅の契約・・・

通常、一般の建て主さんが住宅の建設にあたる契約は2つの方法があり1.設計は建築士事務所、工事は施工業者に分ける方法と、2.設計と工事を住宅メーカーや施工業者に依頼する方法です。大事な事は、どちらでも設計契約と施工契約は別々に行う事です。

設計の契約は、建築士法のに規定があり、ほとんどの住宅では、建築士が設計し、その建築士は設計事務所に所属する必要があります(業として報酬をもらう場合)。つまり設計の契約は通常省略できません。くわしくは、宮崎県(県庁)のホームページがわかりやすいです。この12月からは、契約時には、建築士の免許を提示する必要があります。

http://www.yutori-net.jp/contract/index.html

よく2.の「一括設計と工事請負だから設計や工事監理における契約はしなくてよい」と言っていらっしゃる方がおりますが、これは本来×です。「業」としないボランティアで設計や監理を行う場合は、必要ありませんが、そんなことはほとんど無いと思います。(但しボランティアと言っても、その管理や設計の責任は負いますから、進んで大きな責任があるのに無償で行う個人はいないでしょうから)

さて、2.の実態はどうか?というと、設計工事監理と施工を別に契約している事例は非常に稀で、さらに設計工事監理の契約をしていない事例がほとんどです。

ではどうして守られないのでしょうか?実は、これらの違反をしても、今現在刑事罰はありません。行政罰のみで(訂正2008.08.12)罰金20万以下です。またその罰金以外の所謂行政罰(事務所の業務停止等)も県知事が定めておりますので、身内保護といいますか、甘い取締りの社会システムが実態です。(行政の天下りもあり、何といっても選挙では、建設業界の力は影響力があるので・・・)今まで契約方法違反で行政罰を受けた事務所は聞いた事がありません。

姉歯事件以降、建築士や設計事務所のモラルアップを受けこの12月、建築士法が改正されます。しかし罰則を少し厳しくした事と、罰則を受ける該当者が、事務所開設者から管理建築士に代わっただけで、社会システムが変らない限り、この方法では実態は変わりないでしょう。逆にそれが狙いなのかもしれません。法律としては良い法律なのに、取締りが無ければ全く意味がありません。確認申請時に、設計委託の契約書のコピーを添付するになればそれ相応の効果があるかもしれません。姉歯の構造計算に騙されマンションを購入した人の多くは、罰則と取り締まりの強化と言ってますが、この実態を評価するのは、建て主さんがやはり中心でしょうか。


エアコンの水漏れの原因はカビ ②

ちょうど一年位前に水漏れをおこしたエアコンから再び水漏れ。水漏れ箇所は、室内機の冷風吹き出し口の下のところ。しかし今回は落ち着いて自分でメンテナンス。使った器具は、いつも水槽の水替えをする時に使う手動ポンプ。これを室外機近くにあるドレンホースの先端につなぎ(テープで空気の漏れが無いように固定)、手動でポンプを作動し吸い出す。するとでてくる。でてくる。写真のように直径2cmはあろうかと言うカビ球が3個くらい。

もし皆さんのエアコン室内機から水が漏れてきたら、ドレイン内のカビ球を疑って見ると良い。このカビ球を除去すればすぐに直る。ポンプがない場合は、口で吸い出す事もできるが、このカビ球を見るとお勧めできない。大事な事は水が漏れている時はそのまま吸い出せるが、無い時は室内機のドレインがたまる皿に、水を入れてから行わないと綺麗に出ないこと。もしこのような現象でお困りの時は、ためしてみて!!すぐに直るから。


新在協のQ1.0住宅 →新住協でした。

新在協と書きましたが、新住協の間違いでした。私が高気密高断熱で北海道に行っていた20年前は、新在協でしたが、10年位前に新住協に変わったようです。関係者様にはご迷惑を掛けてすみませんでした。

新在協新住協(NPO法人新木造住宅技術研究協議会)の薦めるQ1.0住宅の講習会に参加した。このQ1.0住宅とは、高気密高断熱住宅(次世代省エネルギー住宅)の断熱性能を地域にあった方法で効果的に高め、暖房にかかるエネルギーを1/2~1/3以下にしようという住宅。講習会途中で帰ろうとしたが、ひきとめる内容がありとても有意義で参考になった。

現在、次世代省エネルギー法ではある断熱基準が定められており、それを満足する住宅造りが求められている。ある断熱基準とは、暖房に関する所では①部位毎の熱貫流率を満たす、②熱損失係数を満たす、③年間暖房負荷を満たす等の3つの基準を確認する方法がある。特に当事務所では②を標準と考え計算するが、①で確認する場合もある。これは、冬でも日射取得による暖房負荷の基準(パッシブソーラー採用基準)が複雑なため、計算では採用出来ないが、熱損失係数の計算だけでは現状と合いそうもない場合に確認に使用する。ところがこのQ1.0プロジェクト2使用するQPEXという熱計算プログラムは、元々次世代省エネルギー基準の2倍程度の断熱性能の住宅を想定しており、その超高断熱仕様の家では内部発生熱や窓からの太陽取得熱が今まで以上に、快適性に影響を与える(家具などで蓄熱できる)という経験(実測?)に基づき、計算に反映される。だから、冬でも多少でも日射があれば、積極的に南面は熱反射ガラスを使わない(庇等は必要)ことで※、暖房負荷を減らそうという計算が組み込まれる。このおかげで、冬に日射がある地方では、複雑なパッシブ仕様にする事無く、ある程度窓からの取得熱を組み込める。熱損失係数だけでは判断できないが、実際にそくした方法だと歓迎する。因みに温暖化問題から、現在の次世代省エネルギー法を更にアップさせた断熱性能が検討されているらしいが、その中に今回のような冬季日射量を加味する内容が含まれるらしい。学術的な評価は不明(プログラム結果の責任は一切取らないと記載あり)だが、実務者にはちょうど良いQPEXの開発者でこのプロジェクトのリーダーの室蘭工業大学鎌田先生に感謝するばかり。写真は計算結果。

※・・・これは「緑の家」に実際住んでいらっしゃる方からもご指摘がある。


金属類(ガルバニューム外壁)価格上昇中。

当事務所で定番の外壁で「ガルバニューム鋼板」を含む金属類が価格上昇中。ガルバニューム外壁は、安価ながら耐久性が良いのが特徴。表面色は色退行が遅く、製品寿命まで塗り替え無しで大丈夫という優れもの。特に張り替えるのではなく、上から貼っても重さが軽いため問題が少ない外壁材である(除去費用が不要ということ)。そんな優れものが、世界の金属類価格上昇を受け、値上がっている。その値上がり巾は、他の建材より大きくこのままではサイディングの方が安くなる感じである。サイディングも良い外壁材であるが、軒の出なし建物には使えないのが欠点。ガソリンも含めて現在の価格上昇には少々厳しいものがある。がしかし逆に考えれば、日本の建物の材料は建てたときが一番価格が高いのがこれままでで、このように価値が上がる材料は初めてである。つまり今後は建てた時より価値が上がる可能性があると言っても良いのではないだろうか?


暑っ!今日はまさしく夏日


今日は、一日オフ。寺泊のダイニングから投稿している。まだ9時なのにもう32度。長岡花火大会2日目も無事晴れるといいな。全国から楽しみにしてくる人のために、雨など降らないように。

バルコニーから見た海は真っ青。気持ちよい朝。ちょっと電線が・・・。


住宅性能評価で耐震性は?

最近、住宅性能評価を2件を日本ERIさんにお願いしていた。その内ひとつの評価書が来た。

住宅性能評価とは、品格法で定められた客観的に住宅の性能を評価するシステム。新聞広告やチラシに「地震に強い建物」とか「地震に強い構造」とかあるが、実際はどのくらい強いか建て主にはわからない。そこで「国が一軒ごとに評価しましょう」という法律を7年くらい前に造った。その評価を受ければどのくらい強いかわかるというもの。

評価する項目は10種類。

①耐震性、耐風性

②火災時の安全性

③耐久性

④維持管理の配慮

⑤温熱環境

⑥空気質

⑦明るさ

⑧音

⑨高齢者配慮

⑩防犯対策

である。

この中でオーブルデザインが拘るのは、

①、③、④、⑤、⑦である。その他は特に最高ランクに拘らない。

全て最高ランクであれば言う事なしであるが、例えば耐震性を最高ランクにすると、明るさが最高ランク取れなかったり、高コスト化する。そこで「緑の家」では①の耐震性は等級1から等級3の真中ランク等級2とし、③、④、⑤、⑦は最高ランクを標準としている。すると「①の耐震性も最高ランクにすれば?」というご意見もある。しかし最高ランクでは「緑の家」の自由な間取りや吹き抜けが制限される。そこで数百年に一度の大地震の1.25倍の力に対しても倒壊しない家である等級2を標準としている。実はこの耐震性の項目だけ、一番低い等級1と等級2には大きな隔たりがあり、我々建築士の中では雲泥の差となる。等級1は構造計算を必要としないし、基礎の計算も不要。つまり客観的評価が事実上ない。だからもし皆さんが性能評価を受ける時は、必ず耐震性は等級2以上をお奨めする。等級1では我々建築士は特に何もしないが、等級2を取得するにはその設計裏付け費用として10万以上の経費(実務時間3日以上)がかかる。そのくらい検討するということ。

因みに日本ERIの新潟支店さんは去年開設されたが、大手メーカーの住宅以外で、オーブルデザインが初めて木造住宅で性能評価を行ったと聞いている。


NPO法人だからOK?

NPO法人は最近よく聞く。NPO法人とは「特定非営利活動法人」の事であり、NPO法 第1条は、その目的を次のように規定している。

「この法律は、特定非営利活動を行う団体に法人格を付与すること等により、ボランティア活動をはじめとする市民が行う自由な社会貢献活動としての特定非営利活動」

これを聞くと一瞬「NPOだから皆ボランティア?」と思う事は大間違い。NOPの役員、理事等に相当な高額収入者もいる。ではどこが普通の企業と違うのだろう。

そもそも普通の企業は、利益がでたら先ず株主に配分し、更に社長や役員、そして社員に配分する。しかしこれは株公開の大手企業のこと。小さな会社は、ほとんどの株主が社長個人であったり、役員の親族であったりするため、利益が出れば社長が手当てとして配当されたりする。つまり決算をして利益が出れば(勿論社長の給与、税金を払った上で)給与の他に更に手当てとして配分する。NOPはこれが出来ない。しかしNOP(非営利活動)と言っても、それはその団体の活動で利益を出してはいけないということではない。利益をたくさん出して次の活動資金にする事には全く問題ない。違いは株主等に還元するかどうか。しかし日本の小さな企業のほとんどが同族経営なため、NPOと普通企業と違いはほとんどない。

だから営利団体(普通の企業)の傘の下(出資)で特定の団体の利益を誘導するような活動をしているNPO団体もある。また、NPO企業で小さな普通企業社長以上に収入を得ている人もいる。

NPOだから正直な会社とか、庶民の味方などという決め付けは危険だ。


7月も終わりますね。

今日で7月は終了。なかなかカラッとした夏にならなくて少々不思議な気分です。朝夕は涼しいくらい。

さて、「緑の家」で夏を始めて過ごす方も、もう何度も過ごしている方もいつも考えるのが、エアコンを可動させるタイミングだと思う。私のスタイルは・・・事務所では熱帯魚がいるため24時間空調を止める事ができない。熱帯魚というと夏の温度上昇には強いと思われる方が多いと思うが、水温が30度を超えるととたんに生命の危機になる。多分35度になればほぼ全滅。これは水温上昇とともに溶融酸素濃度が低くなり、また低温やけど状態になるらしい。そこで30度以下になるように空調を掛けっぱなしにする。

拙宅の方はといえば、これまた愛犬(18歳)がいるので空調しっぱなし。愛犬は暑さにめっぽう弱く、年のせいもあって28度以上は厳しそう。だから私の生活のほとんどが空調のなかである。

緑の家に住む方の話を伺うと、男性は空調機賛成派で、女性はどちらかというとできるだけ非空調状態持続派らしい。夏の過ごし方は基本的にどのように過ごされてもOKではあるが、普通自然素材はカビが生えやすいのでその管理だけ注意してほしい。カビが生えにくいのは人工素材がの方が圧倒的多い。しかしカビといってもそう毛嫌いする事はない。多くの公園や森林は、家の中より圧倒的に空気中にカビが多い(詳しくはここ)。にも係らず、多くの人が「気持ちよい」と感じている。つまり空気中のカビや地面等のカビは、周りの他の気持ちよい風景や静寂さより優先しないものである(健康な人には問題ないということ)。まあカビ臭はご勘弁願いたいが・・・。


「節水」は環境に良いか?

環境にやさしい行為を考えた場合、「節水」はその代表格のような感覚であるというような人がが多いと感じる。しかし節水は思ったほど環境にやさしい行為ではないとおっしゃるサイトがある。

これについては私も同意。新潟県に住んでいるせいか、夏の水不足にほとんどお目にかかれないため、生活水の心配をする事が少ない。確かに4年前に三条市で水害があり、断水に近い状態を経験したが、これも普段の水を少なくする事が環境に良いと考えるに至らない。(上水は貴重であり感謝している事は間違いない)しかし環境保全に対し効果が少ない事に一生懸命するより、正しい情報で効果のある環境に対してやさしい行為を一生懸命行う方が、より良いはず・・・。

そのサイトから引用すると

「水は再生可能資源なので、その持続可能性を支配している環境問題の原理原則は、再生速度を上回る資源を使ってはいけない、というものでしかない。」

「36Lの水をお風呂程度まで温める熱量で、1000Lの水の上水供給と下水処理ができる。お湯と水では、30倍近くもCO2発生量が違う。もしも、努力して1日、30Lの水を節約するのであれば、1Lのお湯を使わないことで、同じ効果がでる。」

「水に限らないが、水を大切にしようという心が、環境を守る心である。」には同意。

等である。特にお湯の1Lが水の30Lの節約になるというのは、CO2削減からするとすごい事。そう考えると食器洗い機はなかなか優秀品と思う。まあ両方いっしょに節水すれば完璧であるが、とりあえず効果が高い方を削減する事は、環境問題解決の鉄則。

勘違いしないでほしいのは、水を汚す事と節水は別物。水は汚さないように使えば、再生速度上回ることがどんどん少なくなる。水は極力汚さない努力は大切。拙宅では使ったテッシュで皿をふき取ってから洗う。昔は理解できなかったが、今はこれをしないと気持ち悪い。


良さをアピールしよう!

先週末行われた見学会に起こしいただけた皆様、大変暑い中ありがとうございました。この場にてお礼申し上げます。

見学会の中でよく質問される事があります。それは「集成木材はだめなんじゃないの?」ということです。これについては当HPで何度かご説明しておりおりますが、再びコラムにてご案内しようと思います。

結論からいえば、「現在の木造住宅は集成材無しには成り立ちません。だから日本の国もJASという基準で厳しく管理しております。だから、良くない事はありません。」となります。

☆ここでいう集成材とは木と木を何らかの方法で接着した木。☆

我々のいたるところで集成材はつかわれています。この集成材の良い所は、「小さな木からでも大きな材料が簡単にとれ、木の性質はそのままで製品品質は安定していること」です。だから大きい材料を使う時は、接着していない木より安価で、逆に小さい木を使う時は、集成材の方が高くなりがちです。その価格を見ながら使うところを決めております。また集成材は現在全ての木造住宅のどこか一部に使われていており、逆に集成材を使わない家はほとんどないくらい普及してます。

ところがこの集成材を悪者扱いするメーカーがおり、そのメーカーによって誤解してしまうような情報が発信されております。私どもプロの建築士から見ると、その集成材を悪者扱いする会社のHP上には、。「集成材は構造材に使うと接着剤が剥がれるし、化学物質も発生してよくない」とありますが、その会社の家には合板をしっかりと壁に使って、自社オリジナル工法としてアピールしてます。この合板はれっきとした集成材の一番の親分で、且つれっきとした重要な構造材です。だからとても滑稽に見えるのですが、一般の消費者にはこれがわかるはずがありません。「集成材は構造材に使うと接着剤が剥がれるし、化学物質もでてよくないのでは」というご質問頂く事になるわけです。とても残念です。日本の確固たるJAS基準の集成材は、しっかりした品質です。建築基準法でも、無垢材の最大1.5倍の許容応力度を取る事が出来ます。このような裏ら付けのある材料を「剥がれやすい」と言って過去に起きた生産本数の0.02%以下程度の剥離事故(しかし構造上問題ないと国交省が発表)を声高らかに宣伝する不思議さ。(因みにあるメーカーの新車自動車販売台数に対するリコール数は100%。「自動車 リコール率」で検索すればわかりあます)。こういう少ない事故例を大きく取り上げてチラシや広告宣伝するのは、脅迫営業みたいな物。それより自社の無垢材をアピールすれば良いのにと思います。私も無垢材使用は賛成です。私の場合は積極的に無垢材の構造材を最初薦めないのは、その品質の不安定さからです。無垢材の構造材もJAS基準はありますが、そのJAS基準のスタンプやシールが貼られた無垢構造材を現場で見たことはほとんどありません。つまりほとんどが「JAS基準ではない」木が流通しており、JAS材使用が高価になってしまうので、標準ではお勧めしないのです。JAS材ではない木は不安定な材料です。しかし我々はその宣伝を大々的には今のところしません。同じように脅迫まがいになるからです。それより自社構造の良さをしっかりと伝いたいものです。

下の図は集成材を悪者扱いする会社にある壁の断面図を、私が手書きした物です。ここで示される合板はれっきとした構造材で集成材だと思うのですが、それともこの集成材(合板)には接着剤が使用されていないノーベル賞的製法の合板なのでしょうか?


暑い中の完成見学会

明日、明後日に三条市帯織駅付近(旧栄町)で見学会を行います。見所は・・・、いつものように新築臭のない家。と明るくて、かつすぐ涼しくでき、暖かい家。そして「防音室」がある家です。

所謂最近の家は、吹き抜けがあったり、壁のほとんどがPB(プラスターボード)下地のため、音が家の中で吸収されにくくなってます。TV番組で見たいものあっても、音が家の中で響くから止めたり、趣味の音楽を聞こうと思っても、やはり音の問題で思いのまま聞く事が出来なかったりします。そんなときにこの他の部屋と音を隔離できると言う部屋は、ありがたいです。

壁は防音素材を入れ、壁の構造のつながりを断ち、吸音材を15cm程度入れて下ります。床も防音素材をいれ、吸音材としてセルローズファイバーをなんと50cm近くいれてます。天井も同様です。窓は3枚のガラスで遮断し、換気扇も防音フードをつけております。入り口は既製品の防音扉(シアター程度級)を設置し、ピアノ程度なら音がこもって少し聞こえる程度。TVぐらいならほとんど聞こえない位です。無論家の外にはほとんど漏れないので、ご近所さんに気兼ねなく楽しめます。是非確かめに来てください。音を出して実演しております。写真は3重のガラス部分。わかりますか?


夏!暑い!

昨日は月曜日で休日と重なり、1日オフ。おとといの天気予報では曇りだったので、海水浴を諦めて娘と違う事で楽しもう!となった。そこで朝4時30分に起き、珍しく新潟西港にて釣りをした。(大物ねらいで)結果は3時間で子供の鱸が一匹、メバル2ひきとなり、ねらいのチヌは空振り。何で3時間?というのは、8時ごろから青空が出没、9時にピーカンとなりとても釣りという感じはなくなったため。いそいで寺泊に帰り、途中のアメ横にある「てんや」さんという乾物店で「エゴ」と「ところてん」を購入。このてんやさんのエゴは絶品で、他のエゴが食べれなくなるくらいおいしい。価格は約300円で手作り。是非ご自分の舌でお確かめを。

午後から家の前の海岸で泳いだ。昨日も、その前の日の夕方も泳いだがその時とは全く違う透き通るような海水に引き込まれ、延べ4時間近く潜っていた。(途中昼飯に30分くらい家に帰った。)今、凝っているのはヤスによる魚狩猟。というとかっこいいが、まあ小さな魚を浅いところで少し潜ってヤスで仕留め、食することがマイブーム。昨日は、メバル、タナゴ、キュウセン、イカ、アイナメ、石鯛(みんな小魚で10~15匹)で全てからあげにした。自分達で取った魚はおいしかった。が、・・・ いやー  45才のおじさんにはとてもハードな内容だった。

写真は3枚おろしの魚から揚げ。もうすこし量があったのだが、味見で食べられている。自分で狩りをするという事は、自然の恵みに感謝の気持ちがないとただの遊びになってしまう。食べられたお魚さんたちには「栄養になってくれてありがとう」との気持ちでご馳走様でしたといっている。


家の性能評価

新聞折込チラシ等では、「この住宅は地震に強いですよ!とか天然素材を多用しているので空気がおいしい!とか、構造が無垢材なので耐久性がある!」とか好き放題PRされている。これは憲法で保障される表現の自由があるからで、明らかに虚偽等がなければ、そのPR方法は自由である。困るのはエンドユーザーで、専門的な内容がほとんどなのでどれを信じていいかわからない。そこで国は8年前に住宅性能がもっと客観的に比較できるように品格法を定め、住宅性能表示制度を施行した(義務ではなく、表示するにはこの方法で!!というもの)。国交省は自信を持って普及すると思っていたが、現実は国交省のもくろみとかけ離れこの制度を利用する建て主さんはとても少ない。それはその評価に掛かるコストである。評価を受けるために通常の確認申請とは比べ物にならないほどの資料を集める。申請書と設計図及び資料でその厚さはA4紙ファイルに納まらない4cmを超える。これを最低3部用意する。手間が多く掛かるため作成費用は25万~50万掛かる会社もあり、その他審査機関の評価審査料金で13万~16万程度、合計で38万~66万も余計に掛かる。また施行会社も積極的に薦めない。それは評価に出してPRどおりの良い評価が得られなければ、本末転倒になるから。「地震に強いですよ。100年もちますよ。」とPRしても、評価がランク一番下(所謂建築基準法の最低レベル)であれば「強い、耐久性がある」とはいえない。そればかりか、ランク一番下も取れない家も数多く出るだろう。つまり建築基準法違反の家となる。

さて、「緑の家」はどうだろう。いま申請を2件だしているので、結果はわかり次第ご報告する(プライバシーを侵害しない範囲で)。写真は、その申請書のファイルである。紙ファイルには納まらない厚さとある。しかしどの評価でも評価するということは大変なものである。


既に夏!!

寺泊は既に夏モード。

昨日の寺泊(家の前の海岸)は、こんな感じで既に夏モードです。但しこの写真は昨日撮れなかったので去年写真ですが、ほとんどこんな感じです。で、私は午後から休みが取れたので勿論今期2度目の海泳ぎとなり、早速ヤスで魚を中1匹小3匹をとって食しました。内一匹は娘が捕りました。小5年まで全くといって泳ぎが苦手だったのに、いまやシュノーケルをつけて自分から海に潜ります。ある時期が来ると自然に泳ぐ事に興味がわき、泳ぐようになります。水泳教室や学校プールではほとんど興味なしで嫌いだったけれど、海に潜る楽しさから自然にマスターした感じ。だからクロールはまだまだだけれど、平泳ぎと立ち泳ぎはそれなりにマスター。親馬鹿ながらたいしたものだと思います。

屋上菜園も順調で家の2階ダイニングから見るとこんな感じに!!

今はトマトが一番おいしいかな?拙宅はご隠居(18歳の犬)がいるので暑さは厳禁。従って昨日のような気温は既に冷房モード。極力日射を入れないように右の大きな窓外には午後になると「すだれ」が下がります。外観だけ海の家モードですか??


重要!!メイルが不具合ですみません。

タイトルとおり7月12日(土)お昼ごろから7月14日(月)11時くらいまで、到着した全てのメイルがメイルサーバーで破棄されております。申し訳ありません。この期間にメイルをお送りいただけた皆様には大変ご迷惑かと思いますが、今一度お送り頂けるようにお願いします。(エラーメイルも表示されません。)

メイルサーバーの容量を越えたため、サーバーが受け付けなくなってしました。メンテナンス不備で申し訳ありません。


落選でした。200年住宅。

突然あるDMから、200年住宅補助金事業にに応募しようと4月に思った。5月には申し込み、半々位の確率かなと安易に考えていた。しかし昨夜メイルが届き落選を知った。申し込みにあたってご尽力を頂いたIAU様には感謝している。この場を借りてお礼申し上げたい。

落選の最大の原因は、200年メンテナンスの方法具体化不足であろう。しかし200年の長き間、計画したとおりメンテナンスができるであろうか?200年といえば最低でも6~7世代にまたがる。その間エネルギーの変革もあり、世の中の仕組みも大きく変るだろう。200年先を考えるという事は、故手塚治氏が「アトム」を執筆したような卓越した「想像力」が必要。多く人には縁がないと思う。(^o^;

しかしその想像力がなくても大丈夫な方法がある。今年3月頃のブログにも書いたが、200年住宅の最大のポイントは、「愛される家」を造る事。現在新潟県に残る都市型建物(主に住宅)で60年以上前からある建物のほとんどが、愛される建物である。それは建て主の拘りの洋館風の建物であったり、大工さんの思いがこもる町屋や民家であったりする。規模の大きい建物が多いが、たまに小さな建物が混じる。愛される家には、愛される家族が住まい、家や地域を愛する。そんな家造りが家を長持ちさせる。


基礎断熱工法と結露 その①

結露とは、湿った空気が冷たいところに触れて空気中の湿気が水の粒となったもの。これは表面結露と言われるが、通常このことをさす。空気自体冷やされる霧も結露現象といえる。

さて、基礎断熱工法内の床下は結露するかと言われれば、基礎断熱工法内に限らず空気が存在する地球上あらゆる場所で結露はする。このような問いはしっかりと条件を整頓する必要がある。先ず基礎断熱工法内の床下と比較する工法は何で、どのような条件を設定するかが最も重要。またその前に基礎断熱工法とは何かという事に触れなければいけない。

基礎断熱工法とは、「暖房する」居住空間において、熱的区画を1階の床下までと考え床下まで暖房する空間とした工法。「暖房しない」居住空間には不要。つまり亜熱帯地域の住宅に基礎断熱という工法はない(冷房をする空間にも良いかもしれないが、稀であろう)。

次に暖房とは、「熱的境界ができるような区画をある物質で作り、その区画内部を暖める事。」になるであろう。だから熱的区画内は全て暖房空間である。ところがこの熱的境界の捉え方が日本の住居には馴染みがないため、数々の問題が起こった。それが部分暖房や、短時間間欠暖房、開放型ストーブの使用である。熱的境界は主に空気が区画されている。だから計画的に換気していなければ、その区画内の空気は変らない。そんな区画内で換気もせず開放型ストーブを使用すれば、時には生命の危険さえある。また、暖かい空気はより多くの湿気を含むことができる(お湯には多くの砂糖が溶け、水には少しの砂糖しか溶けないと同じ)。だから、暖かい空気が冷たい場所に触れると、その接触部分の空気は冷たくなり、空気中から湿気を水滴にして出す。この温度が露点温度。例えば温度20度湿度50%の空気は、9.6度で露点温度になり、コップに水が7度で注がれるとガラス表面に水滴ができる。

家の熱的区画は通常家の外壁及び天井、床の内と外で分けられている。
さて話がまわりくどくなったが、ようは基礎断熱工法は、暖房する家のための工法で、その暖房する家とは、家中暖める事が前提の熱的区画となっている。暖房しない家には必要無いし、暖房方法を間違っている家には何らかの問題が生じることは当たり前という前提が先ず必要。

本題の基礎断熱工法と結露はその②で。


第一次屋上菜園改造工事終了

昨日定休日を利用して、拙宅の小さな屋上菜園に屋根や防風壁を取り付ける第一次改造工事を完成させた。少ない予算(笑)の中、趣味と実益を図って計画された改造はとりあえず終了。第二期改造は、本格的な強風の吹き荒れる冬を越してから再び悪い点を改造する。建築のプロであっても、風の巻き込みやあたり具合の詳細は、不明点が多い。通常新潟県では基準風速30m/sで、建物の高さ、形状にあわせて風の力を計算し問題ないか確認する。こういう大きな部分は大丈夫なのだが、防風壁、隣地の建物配置によって、風の巻き込みが発生し、玄関前にごみが貯まることもありえる。風の強かった次の日に、じぶんの家玄関前だけにごみが散乱している経験をされている人も多いはず。という事で様子見となる。よく風通しの良い家とかで紹介している事を聞くが、風は隣家や周囲の状況で大きく変るので、私は周囲に家がない時で明らかに風向がわかる時だけにしか言わないようにしている。

さて、改造の概要をさっと説明すると屋根は半分トーメイのポリカでつくり、西防風壁もトーメイのポリカで可動式としている。風の強くない日は、ここをあけ風を通す。右写真は、縦で撮影した時、まともに太陽が入りゴーストが出てしまった。左写真は、防風壁をあけているところ。強靭なロープで開閉する。施工は全てステンレスビス止めであおり風と錆びに対抗している。


改正建築基準法の施行の苦しみがわかります。

木造2階建て程度では、昨年改定された確認申請の問題はほとんどなかったとブログでもお伝えしました。が・・・、現在性能表示申請を2件行っており、その資料の多さと、決められた図面書き込み方法で少々ギブアップ気味です。こんな部材の認定番号までいるのという感じです。ちょっと納まりが違うだけで認定から外れ評価して頂けないつらさ(財力があれば、実験でもして認定番号が取れるのだが、設計事務所ではそんなことはできない)。まさしくこの評価申請は、大手の規格住宅向けか、評価申請をする機関の仕事を増やす事が目的のような内容です。きっと木造以外の確認申請もこんな感じなのだろうとようやくわかりました。一例として脱衣所にまで防水性能が求められる事はとても不思議です。脱衣所は湿気が出る場所だからというのが理由とされていますが、それは昔の話です。何のために換気扇があり、何のために内部結露を防ぐ計画をしているのか?冬季の湿気ならコンセントボックス程度の穴からでも充分侵入するとR2000マニュアルにあったぞー。根本的に防湿化すれば問題ないはずなのに・・・。

日本の国も他の先進国と同様に、木造住宅の構造くらい国で統一するようにしてもよいのではないかと思います。いま民間から公募している200年住宅などは、国がその骨格くらい取り決めればよいのではないかと思います


ビニールクロスは・・・匂う。

  昨日、近所の整形外科に行ってきた。2ヶ月ほど前から寝ちがいが原因で首筋がはり、痛い。特に寝ている時に首筋が張る痛みで目がさめる。よくなるとほっといたが、完治しないのでついに診察を受けた。結果はやはり原因は特になく、運動不足と柔軟体操不足という感じ。

この医院はある大手メーカーが一年ほど前に建築した。外部はタイルや塗り壁でとても立派なのだが、内部はほとんどビニールクロス壁、天井とビニール床。だから内部に入った瞬間、医院臭いと言うよりは、ビニールクロスの可塑剤※の匂い。久しぶりに新築臭を感じた。(皆さんが感じる新築臭はほとんどこの可塑剤の匂い)やはりビニールクロスは所詮ビニール臭が強い。外観にたくさんのお金をかけるなら、中にいる患者、スタッフ、ご自身のためにビニールクロスは最小限度に留めたほうがよかったと思う。がしかし、医院にとって外観は重要でステイタスなのだろう。

※ビニールクロスは塩化ビニールが基材になっている。塩化ビニールそのものは非常に硬い物質。これを柔らかくするために可塑剤を使う。この可塑剤が揮発性物質なので、ビニールクロスが柔らかい間(10年くらい)は可塑剤の匂いがする。そして可塑剤が匂わなくなったころ、つまりビニールが硬くなった頃、剥がれやすくなる。これがいやでオーブルデザインではエマルションペイントを使う。価格はビニールクロスの1.5倍するのですが、10年もあの可塑剤の匂いをかかなくて済む。


名義貸し・・・。

先日このブログでご案内した工事監理アドバイスしている家(法律上の工事監理ではない)の事で今日とても驚いた。

建て主Xさんは、Y工務店と一括請負契約(設計も施工もする)を結んだのであるが、この家の法律上の工事監理者はA設計事務所のBさんと確認申請書に記載されている。そこで建て主Xさんは、施工に疑義を抱き、このBさんのところに「施工は大丈夫でしょうか?」というつもりで事務所に伺った。そこで工事監理者Bさんは、建て主さんに向かって「名前だけ貸しているだけで実際の工事監理はしていないよ。オーブルに管理させるのであれば、うちに工事監理を依頼すれば対応したのに。」と言ったそうだ。びっくりした。Bさんは正規の工事監理者になっているのに、全く認識していない。姉歯の耐震偽装があって工事監理者の名義貸しの厳罰化となり、昨年数十名の建築士が見せしめともいえる免許剥奪処分を受けたというのに、全くお構いなし。同じ職責をになう者としてとても残念。人の命を預かるともいえる建物を設計・工事監理する建築士には、「人間性」のチェックの必要があると思われる。いくら技術的、営業的に優れた建築士であろうが、建築基準法の骨格を成す部分での違法性は、もっと厳重に取り締まる必要がある。しかし取り締まりはしないで、確認申請そのものを細分化してすまそうという意識が業界や国にあるように感じる。現法律が守られないのは、取締りがなく、また罰も軽いところに問題があり、入り口が問題ではない。出口の問題。ここが厳しくなければ所謂「ザル法」となる。

確認申請の書類をいくら細分化し厳しくしても「取り締まり」や「罰」がないなら意味はない。確認申請が厳しく不必要なまでに細分化されたコストを善良な建て主さん、建築士にまで要求されるのだから。そして一番問題なのは、これが特別の事ではない(普通にある)ことだ。


南雄三さんの講師は面白い。CASBEE講習会から

昨日、いつもお世話になっている、見附市の上野住宅建材さん主催で、CASBEE講習会※を受けてきました。3年程前から興味があったのですが、機会がなくこの度初めて講習会に参加しました。何しろ講師があの高気密高断熱で有名な「南雄三」氏だったので、きっと面白いと思い楽しみに出かけました。

やはり過激なトークとジョークで、「こんなのくその役にも立たない」という言葉を3回も発せられて、ここで笑いだろうと思ったのですが、会場は「しーん」という感じでした。私は最前列で小声で笑っていました。この真面目さが新潟県人なのか、中水を使った事がないのでピンとこなかったのか不明ですが、どこが役に立たないかというと、CASBEEの評価では中水利用で80L程度のタンクを設置すると評価があがるのです。しかし、南講師を含む我々中水実務者は、80Lのタンクでは役に立たない事を良く知ってます。普通2000Lくらいは必要です。なぜなら中水(雨水貯蔵)を庭の散水用に考えると、雨の適度に降るときは、この中水は必要ありません。この適度な雨でも80Lを超えると全て雨水を捨てます。しかしいざ雨が降らなくなった盛夏に、庭が散布用としてこの中水を使うと、80Lでは1回散布用もありません。庭散布は、少し小さい庭でも、車の洗車でも100~200L/回くらいは必要です。そして盛夏の雨がない時は10日くらい平気で晴れが続きますので、10日で中水はなくなってしまいますからね。せめて中水が効果を発する盛夏くらいは使えないと意味がないでしょう!(だって他の季節では庭に水散布はほとんど必要無いからね。プランターが多くある家は効果あるかも。またトイレ用に使う中水システムは効果あり。この中水を使うという意識が負荷を減らすのだね。きっと。)

さて、CASBEEが役にたたないかというと、これは 現在の良い評価システムです。日本での建物の20世紀のキーワードはあたらいい構造や生命の安全性、後半でゆとりと快適性でした。しかし今世紀はとにかく「環境」がキーワードです。その環境性能で評価するCASBEEは、世界的にも注目を集めており、評価分母に「環境負荷」が来るという今までにない環境評価手法です。これを世にお送り出すためにご尽力された方に拍手します。

早速拙宅をこのCASBEで評価して見ました。ちょっと甘めの解釈で評価すると最高ランクのSです。拍手!!拙宅では環境負荷を大きく低減する「太陽光発電、太陽光給湯、エコキュート」はありませんが、大きな木の植樹や、植え込みの木の多さ、雨水利用(屋上菜園)でよい評価となります。

※CASBEEとは・・・建物を環境性能で評価しランク付けする手法。2001年に国土交通省の主導でIBECが委員会を設置しまとめた。委員会委員長は、元建築学会会長の村上周三博士。評価方法はQ/LでQは建物の質、Lは環境負荷。この評価で大事な事は、昔みたいに暖房我慢、冷房我慢、お風呂は週2回という我慢生活といわれる行為だけで環境負荷を減らすばかりでは良い評価とならない。今の快適性を維持しながら、環境負荷をできる限り減らそうという現実性が伴うところに価値がある。

浅間邸のCASBEE評価。たいした家ではありませんが、環境との調和、緑地や植樹の多さ、外壁の自然素材や塀も新潟県産の石を積み上げて造っている擁壁が、環境負荷を減らすとCASBEEでは評価されます。


たばこ

このブログは2008年の1月9日に書いてあったのであるが、手違いでアップされていなかった。昨日ニュースでタバコが1000円/箱になるという極端な値上がりを聞いたので、過去のニュースを思いだしアップされていないこのブログがあることに気づいた次第。

今日報道で東京都内タクシーの完全禁煙が開始されたと聞いた。とても歓迎したい。私はタバコをやめてから早21年たつだろうか?最初の5年くらいは、夢の中で吸ってはっとしたものだ。(吸いたい願望のせいだろうか?)今はタバコの匂いでもとてもいやな気持ちである。というのは、ホテルに泊まった時、深夜にタバコの匂いで目が覚めそれから寝むれなくなるから。どうも私の泊まれるホテルクラスは空気質が悪く、家の寝室が一番快適と思う。特におきている時や仕事をしている時は問題ないのだが、リラックスしている時や数時間眠り込んだ後、眠りが浅くなったときとても気になる。そこでホテルの部屋に一歩足を入れた瞬間タバコの匂い(ヤニ臭)がすると一気に帰りたくなる。仕事柄空気質には、とても敏感になったようだ。

タバコの害を論じる時によく引き合いに出される話題は、今初めてタバコが発売されるという仮定をした時、厚生労働省にタバコの販売の申請?をすると間違いなく発売禁止物品となる。それほどタバコの害は認知され間違いのないところ。(そんなものが今も販売できること事態が不思議であるが・・・。)人類が酒と付き合っている時間より歴史の浅いタバコは、「100害あって一利なし」といわれる物質。しかし私はタバコを発売中止にする必要はないと思っている。タバコは嗜好品。危険とはいえそれを承知で服用するのであるから、たとえると危険な冬に山登りする登山家と同じこと。個人の自由。だから喫煙を禁止することはよくないとおもう。但し、登山者が遭難したときに、その遭難救出に掛かった費用を請求されるように、タバコが原因で癌になったり、高血圧、心筋梗塞になったときは、その医療費をタバコを吸わない人より高くするようなリスクを背負わせることが必要ではないかと思う。※実は喫煙者のほうが喫煙による病気で早死となり、長生きスル人より医療費がかかっていないかも?ここらの統計を知っている人がいたなら教えてください。※それが健康保険制度の精神にそった平等というものであるような気がする。嗜好品であるタバコが原因による病気の治療費を、タバコを吸わない人までが負担することは不公平であるということ。そうであればタバコの販売、喫煙は今後もずーとOKだ!勿論タバコの喫煙者が喫煙しない人に配慮することは大前提。匂いはキツイシ、最近の研究では吸っている人より周りの人のほうが害を受けやすい時もあるらしいことがわかっているので、分煙化は絶対必要。(ホテルも禁煙室が増えるとありがたい。)

仕事がら、家の換気計画には明るいつもりである。断熱性能が高い家の冬の暖房のエネルギーロスの約1/3は換気によるロスである。つまり換気しなければロスエネルギーの1/3はなくなる。しかし人間は息をするのでその換気量が最低必要であり、その時のロスが全体の1/3となるのである(換気には水蒸気および他の揮発性物質の希釈もある)。そこでタバコを吸うとなんと最低換気量の3倍以上の換気が必要である。おわかりだと思うが、タバコからは皆さんが有害な物質として認知しているホルムアルデヒドも発生している。よって高気密高断熱の家のなかでタバコを吸うことはまったくもってナンセンスである。エネルギーは3倍ロスするし、タバコの匂いまで希釈することを考えると10倍近くの換気が必要だとも言われる。やはりタバコを吸うときは暖房や冷房している空間から出て、屋外空間などででふかす事が懸命である。シンガポールではずいぶん前から空調が施された空間、及び特定道路(バス停等)での喫煙は全面禁止である。


屋上菜園の改良

昨年から始めた、拙宅の屋上菜園。夏は写真のとおり絶好調。しかし秋以降の木枯らしに、かぼちゃやサツマイモトが塩もみ状態。初冬には植えたてのブロッコリーも塩分たっぷりの潮風で見事漬物状態!!しゃれになりません。海の近くの恐ろしさを改めて知りました。そこで今年は囲いを造ろうと決意。定休日の月曜日を利用して、久しぶりの日曜大工(実は趣味)を始めました。完成は夏頃。ゆっくりとつくります。このまま見事に屋上家庭菜園が問題なく継続できれば、皆様にもご提案します。2階リビングの逆転プランで、2階に菜園があると、とてもなごみます。なんたって2階の窓外にすぐ土があるのはいいよ~。しかしまだ実績(数十年という期間過ぎていない)がないので、支障があった時に対処しやすい車庫の上などがお勧めです。


三菱の電気自動車

今日のニュースで三菱の電気自動車(軽クラス)が来年市販されるとアナウンスされていた。意外と早く市販化される事でびっくりした。価格は400万。但し国や自治体からの補助があり、最も補助が多い所(神奈川県らしい)は、150万の補助金が頂け(すごい金額)、400-150=250万という事。これであれば、プリウスより安い。思わずほしい!!と思ったが(先立つ資金があれば)、満充電における航続距離は160KM(10・15モード?)であり、高速道路は燃費がおち、航続距離が少し下がるとの事。うーーむ。満充電で160km(10・15モード?)は厳しい。多分、満充電は通常、バッテリー寿命を著しく縮めるはずだから、80%充電が普通と考え、勿論エアコンを使えば更に航続距離は短いだろう。また気になる表記(10・15モード?)がある。となると実情100km以下か?買い物であれば充分であるが、仕事やレジャーにはちょっときつい。やはり航続距離は短くても200km以上っほしい(バッテリー交換所があったとしても)。残念だがはやりバッテリーが課題でこれ以上はコスト的に無理なのだろうか?すると純粋な電気自動車はもう少し先で、今後10年くらいハイブリッドが主流なのだろう。(しかしいくら先導的車とはいえ、航続距離が100km以下でクレームにはならないのだろうか?)

残念なのが、TVの司会者やコメンテーター。エコカーに乗った事がないらしく、車のスイッチを入れて音が全くしない状態をびっくりしていた(視聴者のためにわざとか?)。当たり前だが、プリウスも(ハイブリッド車)モーター単独で動くので、エンジン音がしない時がある。地球温暖化がこれだけ叫ばれている中、首都東京では、電車が主なのでエコカーはあまりマスメディア(芸能人)には興味がないらしい。そういえば放送局は、エコには無縁のようなスタジオライティングや機器設備なので電気使用量が半端ではないよね。「エコに興味もってね」といっても無理なのかも。


近隣にも迷惑をかける法律違反

何度かブログHP上のコラムで「建築基準法違反の小屋裏」をお伝えしている。この小屋裏(ロフト)の中で一番多い違法部分は、最高天井高1.4m以下の厳守が守られていない事。この最高天井高が1.4mを越えると階数(3階建て)になる。1.4mでは居住するのには不都合。頭をいつも曲げていなければならなくなるので、居室にはならない。だからここで天井高を高くしたくなる。だから違法がわかっていながら作ってしまう。でもこれでは、先日の大阪であった、申請上は9階建てなのに実際は10階ある建物と全く変わりない。数年前の姉歯偽装建物と50歩100歩である。

さて、どうして小屋裏に天井高1.4m以下の規制があるのか?というと、先ほどの理由と反対で「常時人がいる空間としたくない」からだ。これは、2階建より3階建の方が緊急時に(火災等)、逃げ出す事が難しくなるから。3階建てには折りたたみ非常梯子や、消防隊員非常用侵入口の設置義務があるが、2階建はない。この差は大きい。火災や地震は忘れた頃にやってくる。違法建築であったため大きな事故になったではすまない。1戸建て住宅の場合、住居人がそれを承知しているならこれは仕方ない。しかし・・・

小屋裏(ロフト)が違法で3階建てとなる事で、近隣に迷惑をかけるとなると、「住居人がOKだから良し」ではすまない。特に第一種、第二種低層住居専用地域にある違法小屋裏が3階建になると、建築基準法の日影規制対象建物となる。日影規制とは、良好な都市(町並み)をつくるため、背の高い建物が近隣の建物や敷地に必要以上の日影を作らないようにする規制。関東ではこの日影をめぐって訴訟にまで発展する基本的居住性能である。特に第一種、第二種低層住居専用地域内では、字のごとく低層建物をつくる地域にすることで、皆がなるべく日があたるようにという規制が強い地域。だから3階建住宅にすると無条件に日影規制対象建物になる。これは他の住居専用地域や第一種中高層住居専用地域と違うところ。更に3階建ての方が地震時の揺れや建物挙動が大きくなるため、外壁の落下、倒壊の恐れが高くなるので、技術的施工要求も高く求められる。外壁の落下で歩行者や付近の人が怪我をしないようにという近隣配慮規制のため、法律を守らなければならないはず。このような法律を無視し違法する業者(設計者)は、他にも重大な違法性がその建物にはあるとといって差し支えないと考える。


かみ合わない高気密の議論。

5月22日のブログに「インタ-ネットの記事から」という題で、業界大手の問題提起コラムで私はコメントをした。その後2つのコメントが書かれていた。そのコメントはそれぞれかみ合っていないように見受けられる。

まず元々のコラム記事は、「もっと気密化を推進するべきである」と結んでいる。そのことに積極的に賛同しているのは私だけ。1.のコメントは、高気密化の方向を直接コメントしているのではなく、高気密化により、換気が不足が発生する期間があるため、24時間換気扇が義務つけられた事への疑問の提示である。このコメントの最後には、24時間換気ををするとエネルギーの消費拡大があり問題という、現実無視のようなとんでもないコメント。気密化をしない建物での空調エネルギーロスがどのくらいになるか、調査(計算)した事が無いのだろう。3つ目のコメントは、気密化に積極的に賛成しているのではなく、消極的賛成するという感じ。(しかし賛成には変わりないからOK)4つ目のコメントは、防湿層による高気密化も問題視しており、その延長線上での24時間換気に否定的コメントがある。更に否定的コメントをしておきながら、換気の制御には問題があるとのこと。何が言いたいのやらさっぱり不明。そもそも換気の制御とは、閉じた空間の話のこと。開かれた空間に換気などというものは必要無い。また、空気中の温度と湿気の関係について、まったく勉強されていないため、ビニール素材による防湿層の重要性がわからず高気密(防湿)のを否定されているのであろう。少しは結露と防湿の事を勉強していただきたい。もしこのこの方が建築に携わる方であれば、はっきり努力不足であると言いたい。また、換気のために開いている外壁の換気口が、コールドドラフトのために塞がれている。だから24時間換気はむずかしいので、違う制御方法が必要と主張されている。これもご自分の携わった建築物全てで、その建物の使い方をご説明されることが正しい使い方をしていただく第一歩。説明も使い方注意点の明示もその建物にしないで、住居人のせいにするのは、責任転嫁である。もっと正しく建物が使われるように啓蒙活動してから、こういったコメントをしないと説得力がない。因みに左の写真は、当事務所の緑の家の住まい方を説明しているパンフレット。緑の家にお住みになっている全ての建物において、換気口が塞がれていた建物は無い。(今のところ)


工事完了届けを見た事がありますか?

大阪で確認申請時(建物を造る時の許可のような物)には8階建の建物が、10階建になりそこに住居している人までいる。という報道がされ、驚いた人も多いだろう。実はそう珍しくないことである。建設中に階数を変更し、その建物変更届と工事完了届が提出しなかったのである。住宅では、当初2階建てだった住居がロフトの天井を高くして3階建になったようなもの。よくある話。??さて、随分前から工事監理は、家造りではとても重要な項目だ。とお伝えしてきたが、その工事監理者が印を押して提出する完了届を見た事がある人は少ないはず。ともすると、勝手に印を押され提出されている事がおおい。これは有印私文書偽造であるともいえる。無論建て主がいいよ印を使ってもと言えば問題ないが、しっかり書類に目を通すことは重要。

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さて、完了検査申請書の全文は下から見れます。PDFファイルなので見れない方は、アドビのサイトからダウンロードしてください。この申請書の最後のページには、工事監理者が行った監理記録があります。そこで重要なのが、現場と照らし合わせた図面ということがでてきます。図面がなければ、照らし合わせる事も出来ない=監理不能となります。図面はとても大事な物です。

「kanryoukenns.pdf」をダウンロード


手前味噌ですが予言的中・・・。ハイブリッド車や燃料代

7年くらい前に掲示板をはじめ3年くらい経った頃ころ、その掲示板にハイブリッドの車は10年後半分近く占めるかも?と書いた。それが結構現実的になってきている。最近トヨタやホンダでは、ハイブリッド車の生産を急いでいる。特に当HPで紹介した愛車初代プリウスの3代目の現行プリウスは生産が間に合わないらしい。昨今のガソリン値上がり、そしてこれが今後も続くと予想される事で、省燃費車種が注目大であるため。 むふふ。5年前の予言が見事的中という感じ。ガソリンも。これと同じく、超高断熱の住宅は今後の主流となるだろう。特に新潟県は、冬のお日様が、太平洋側の地域に比べ著しく少ない。だから暖房を考える時、断熱性は最重要。暖房は家庭で使うエネルギー消費のトップで、年間の1/3にもなる。だから3年前に提言した住宅は冬を旨とすべきなのだ。冷房のエネルギーなど、暖房時の1/10以下。

では私の予言を。それは必ず暖房する燃料が高価で困る時期が5年以内にくる!!そのときこそ更に超高断熱住宅のよさを実感すると。でも予言は「絶対」ではないから、外れてもお許しを・・・。今日のブログは手前味噌で失礼。


雨の日

定休日である月曜は寺泊にいることが多い。夕方雷鳴と共に大粒の雨が降ってきた。SD14※を持っていたので何枚かとり、海の波に雷が落ちていたので100枚くらいシャッターを切ったが、一枚も稲妻を捉える事が出来なかった。海には15回くらいは落ちていたと思う。残念。

建築基準法では、「地盤面から1mにある外壁の木材部分には、有効な防腐防蟻を施さなければならない。」とある。写真のとおり、普通の雨でも水のしっぱ(新潟県の方言で、「はね」という意味)でも50cmくらいは平気で上に跳ね上がる。だから木が腐りやすくなり対策が必要であるということ。しかし雨の波紋は綺麗ですね。薄暗く手持ちなので見苦しいところはお許しを!!下写真は豪雨時の写真。

※SD14とはシグマ社のデジタル一眼レフカメラ。5年前に初代SD9が発売されSD10→SD14と進化した。初代SD9が発売された時は、垂直画層イメージセンサーを持つ世界にただひとつの市販カメラということで皆が驚いた。SD14は昨年の3月に発売され当時は20万した本体も今は10万と大変お手ごろ価格に。そこでSD10からSD14にに乗り換えた。最近はDP1というコンデジのヒット商品で、垂直画層イメージセンサーの良さが認知されている。


ラズベリーの季節です。

今年もラズベリーの季節です。イチゴと違い酸味がほとんどないのがこのクサイチゴです。またこのクサイチゴからベリーの季節幕開けです。続いてモミジイチゴそしてナワシロイチゴと続きます。そのころに桑の実も食べれます。さあ山へ!!


インターネット記事から

建築業界の情報発信サイトのQ&Aに「建て主から「高気密のメリットは?」と聞かれ困った」と掲載されていた。その記事の内容は同感できる。が、しかしコメント欄に書かれた読者の1つのコメントに愕然とした。だから私もコメントした。このヘンテコなコメントの方は同業者ではないと祈るが、高気密の理解がないままにそれを頭から否定するような内容に、CO2を削減しようと躍起なっているこの時に見過ごせなかったから。その方は、24時間換気を廃止しよう。換気のための建物の気密化には頷けないとある。そうですよ。換気のために気密化を始めたわけではありません。国民の大部分が「暖房する生活」を望んだので、建物の断熱化(気密も同じ)が進んだのですよ。断熱(気密)化が進んだので、今度は換気が必要になったのですよ。もし機械による換気をしたくなければ、暖房生活とは縁を切る事です。そうしなければ、貴重なエネルギーを無駄に空気中に捨てていることになりますから。

私のコメントもや本文が載っているHPは

http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/kenzai/20080519/520407/?ST=building

です。


感謝!!

今日の朝はリッチである。新鮮なイチゴと生みたての卵。これは一昨日、昨日とお二人の建て主さんの定期点検に伺った時に頂いたもの。卵はあの有名な「宮尾さんち」※から雛を分けてもらい、それが親になって生んだ物。LLくらいありそうなでっかい卵だ。実は私の家でも宮尾さんちの卵を買って、食べている。クリスマスの時は、長いこと励んでお役ご免になった親鳥も頂く。自然界の掟である食物連鎖の頂点にたつ人として最後まで感謝の気持ちで命を「ありがとう」と言いながら食べる。

イチゴは露地物。菜園に詳しい事務所のSさんの話によると、露地物でここまで大きく育てるのは大変。普段見ているイチゴはほとんどがハウス物。ハウス物は、比較的楽に大きくなるらしい。これまた感謝。特に頂いたMさんの話によると、最近狸がイチゴを「召し上がって」??大変らしい。だからイチゴ苗全てにしっかりしたネットを付けた。気持ちと手間隙かけるからおいしい物ができる。

※・・・旧豊栄のある農園。ご自分で書かれるHPの絵が素敵。http://www15.plala.or.jp/miyaonouen/


基礎コンクリート強度の移り変わりと土台等の施工

基礎コンクリート強度について

住宅をつくる場合、手本となる「本」がある。それは40年以上前からつい最近まで(財)住宅金融公庫という公的機関が、住宅資金を貸す時に基準とする仕様書である。現在は(財)住宅支援機構として引き継がれ、住宅の資金を貸し付ける支援をするときもこの仕様書を基準とする。したがって、この仕様書があるという事は、業界人なら必ず知っている。(知らない人はもぐりである。)当事務所には10年前の仕様書からつい最近のものまで保管しているが、左は一番最近の仕様書。厚さは1cm程度であるが、ほとんどの事が網羅されており、事務所で作成する設計図書の礎となっている。

この仕様書の中には、前話題のコンクリートの呼び強度が記載されている。それが下の写真。10年前の推奨コンクリート呼び強度は「18N/mm2」であるが、最近の仕様書ではこれが「24N/mm2」まで2ランクアップしている。実は3年くらい前の仕様書では21N/mm2だったので、住宅建設会社でも知らない人が多いと思う。無論、普通の建築士は知らないはず。

やはりこの背景には住宅を長持ちさせようとという配慮が表れている。コンクリートの呼び強度をあげるだけで、中性化は遅れ、基礎が長持ちするからだ。もし今家を造っている人(造り掛けている人)がいたら、「呼び強度はいくつが指定されてますか?」と訪ねたい。多分良くて21N/mm2というだろう。

土台の施工とアンカーボルトの計画

最近諸事情で他社さんの設計施工の準工事監理※を行っている。事務所と違う家の仕様は新鮮である。この施工会社はしっかりとしており、土台も米ヒバを使い、更に防腐剤を塗布している材料(米ヒバ)を使っている。以前当HPでなぜオーブルデザインは土台に米ヒバを使うかということをご案内した。それがわかりやすい形で写真に取れたので見てほしい。(この写真は他社施工中のもの)

現場で加工する土台の端きりや、塗布(加圧注入)後に穴をあけることが多い、「ほぞ」には薬剤の染み込んだ跡がない。この部分が問題だから、土台の木の樹種自体に防蟻防腐性が高い「米ヒバ」を使うのである。この施工現場では、土台は米ヒバなので、薬剤は必要無いため、全く問題ないが、土台に加圧注入された薬剤で防腐防蟻を考えている現場では、こういった部分にも薬剤注入は必要である。(多分この会社は、土台樹種が米ヒバなので急激な湿気で暴れないように防腐剤(撥水効果あり)を塗ったのかも?オーブルデザインでは米ヒバ集成材なので暴れはほとんどない)

また、当事務所では行わない、下の右写真の基礎換気口の設置であるが、筋かい、土台継ぎ手によって決められるアンカーボルトの絡みを考えると、正確に計画する事は至難の業である事がわかる。この現場ではきっちり考えてあるが、この一番下の写真のアンカーボルト一本だけが惜しい。(耐力的に影響は少ない部分なので、OKと私は考える。)

※準工事監理とは、法律的に工事監理者でない監理ということ。


200年住宅のコンセプト その③ 基礎コンクリート

200年住宅の③は基礎に使うコンクリートの話。コンクリートとは、砂利と砂と水をセメントという物質で固めた物。ちょっとだけ空気やその他の添加剤が入るが、基本的には上の4物質で出来ている。この中でセメントは水和反応という化学変化をして硬化する。簡単に言うと水に反応してコチコチになる。この硬化で4物質を固める。だからセメントと水の関係は重要でこの重量配合関係を「水セメント比」と呼ぶ。水セメント比(%)=水/セメント×100となる。

正しく配筋された場合、コンクリートが強い(呼び強度)ほど基礎の耐久性が上がる。これは基礎が鉄筋コンクリートで造られる為。鉄筋は所謂「鉄」(実は物質的に鋼と呼ぶ)で出来ているため、そのまま空気中にあるだけでも錆びる。錆びないようにするため、強アルカリでできたコンクリートが鉄筋の周りを取り囲む。この強アルカリも、空気中の二酸化炭素でいずれ中和し一般の基礎では、40から50年くらいで中性化する。中和化すると鉄筋は錆びて朽ちる。これでは高耐久の200年住宅は出来ない。木の柱は簡単に取り替えられても、基礎は簡単にはいかない。もしかしたら全部壊した方が早いかもしれない。だから基礎の耐久性=家の耐久性(布基礎やベタ基礎採用の家)とも言える。

では鉄筋コンクリートの耐久性を上げるには、どうしたらいいだろうか?簡単だ。呼び強度を上げる(実際の強度も上がる)事が一番簡単でコストもかからない現実的方法。普通の建設会社やハウスメーカーで使われているコンクリートは、呼び強度21N/mm2であるが、これを2ランクアップさせて27N/mm2にするだけで中性化は倍近く遅れる。つまり耐久性が倍近くになる。すると75年くらいで中性化する。更に30/mm2まであげると中性化まで100年かかる。では200年を考えると・・・。これ以上呼び強度をあげる方法もあるが、他にデメリットもでてくるため、鉄筋の周りを囲むコンクリ-トの厚さ(かぶり厚)を+15mm余計に厚くし、基礎表面を強アルカリのモルタルや密閉性の高い断熱材で保護し、二酸化炭素から守る事ができれば150年はいけるだろう。

「緑の家」では、10年前の事務所設立時から標準のSプランで27N/mm2を採用し、SSプランでは30N/mm2を指定する。更に基礎断熱で二酸化炭素から守るため、150年基礎となる。あなたの家の基礎のコンクリートは21N/mm2ですか?それとも・・・・。

左上の写真は「緑の家」のSSプランのコンクリートの配合報告書。ピンクのところにコンクリートの呼び強度が書かれている。なんと33N/mm2!!!スランプ12cm!!!※ これは12月の外気温では7度以下になる事が予想されるため、強度を上げる温度補正をおこなったため。

※スランプとはまだ固まらないコンクリートの硬さ(流動性)を示すもの。この数値が低いほうが硬い=高品質のコンクリート。一般基礎では18cmである。


200年住宅のコンセプト その②

2月頃、「200年住宅のコンセプト」について申し上げたとおりである。その思いは変わりないのであるが、実は国土交通省が募集した、「200年住宅=超長期住宅先導的モデル事業の提案の第一回公募」に免震装置で有名な「IAU」さんのシステムで申し込んだ。7月ごろOKもしくはNGがでるので、OKがでれば200万の補助金がその装置を導入した家に支払われる。ほぼ申し込み最終日に申請書を仕上げるあたり、IAUさんには大変お世話になった。

なぜ免震装置に興味があったというと、当HPのコラムに載せた時には「新潟県の平野部では効果は少ない」と結論付けた。この時の理由は、新潟県の平野部の大部分は第3種地盤(但し法律上では第3種と指定されていないため、各地盤調査データ分析で決める)というとても地盤が悪いところだから。それを裏付けるように、昨年起きた中越沖地震で多大な被害が出た柏崎中央商店街では、その地面である砂丘地のゆれの周期が約0.75s(所謂軟弱地盤の周期)だったので、大ゆれの後半に壊れかけた家のゆれ周期が0.75s(壊れる前は0.2~0.3である)と共振し、一気に倒壊したという結果が出ている。やはり軟弱地盤の恐怖である。当事務所が設計した家は、ほとんど無傷で問題なかったが、備品の一部が棚から落ちて割れ、タンスはひっくり返ったので、揺れによる「恐怖」はあると思う。そこでその恐怖を低減できる免震装置に興味が湧いた。そこで事務所のある三条に計画中の家に免震装置が付けられるかどうかと、実際の費用と構造が知りたくて「IAU」さんに問い合わせた。結果はぎりぎりOKの地盤らしい。となると、後は費用の問題。補助金200万の他どの位の費用で設置可能か?多分更に300万以上はかかると思われるが、これはこれからしっかりと詰めたい。もし皆様で免震装置をつけたい方は、当事務所に申し込んでほしい。補助金申請はシステムで行ったので、地盤さえクリヤーすればどなたでも免震装置の取り付けた家の設計施工可能である。(三条に決定すれば今期分は終了)免新装置のメリットは、はやり震度7クラスの大地震でも、4程度の揺れしか感じない事。これは家具の転倒や恐怖を感じない揺れである。すると200年に一度起こる大地震でも等級2クラス(住宅性能表示制度)の耐震性で倒壊しない家となる。この等級2くらいが重要で、免震装置がなくても大地震が来ても倒壊しない等級3になると、窓が小さくなり、大きな空間も出来きにくい。こういった制約がなくなることがメリットだ。さらに、マニアックなこの装置は、200年住宅の大事なコンセプト=「愛する家」につながる。愛することのできる家は、200年住宅の最大のポイント「メンテナンスをしてくれる家」となるからだ。デメリットは「緑の家」のコンセプトになるかもしれない「基礎断熱」→「床断熱」となり「床下収納」がほぼ使えなくなること。まあ、屋外物置と考えれば使えるが、洋服等はしまえなくなる。CO2問題で太陽光発電や太陽光給湯に目が行きやすいが、こういう基本的な性能にコストを掛けるのも悪くはないはずだ。

上図はIAUさんのHPから転載 (2008年6月に加筆修正)


べた基礎についての考察 シングルORダブル配筋

2008 05 023赤字加筆

今回のブログは少々専門家でないと難しい話である。しかしちょっと勉強されている建て主さんなら、なんとなくわかると思う。

過去にベタ基礎のHPのコラムやブログで話題を何度となく(2008.03.07)取り上げてきているが、最近の当事務所が行うプランで比較的最大区画(基礎立ち上がりで囲まれる区画)が3.64×4.55mの所謂和室8帖の基礎の詳細な構造計算をした。
詳しい内容の前に、基礎のコンクリートの考え方は、左の図のとおりである。基礎の平らになっているところをスラブというが、このスラブは板状である。このスラブ周囲に力を掛けると、下図のようにたわむ。凸の方には引っ張り力が、凹の方は縮もうとする力が働く(左図の鉄筋コンクリートの基本を参照)。コンクリートは引っ張りに大変弱いので、その部分の補強に鉄筋を入れる。これで鉄筋コンクリート造のスラブになる(左図の配筋の考え方参照)。
さて、屋根の出45cmという比較的屋根の軽い家(家の重さが重要)で、シングル配筋のベタ基礎のスラブ厚18cm、鉄筋D13@150とした場合、3.64m以上のスパンの基礎でNGとなる確立が高い。この仕様は、ちょっと丁寧な仕事をする工務店さんなら比較的多く使われている仕様である。このシングルベタ基礎配筋では、下の地面(捨てコン)からのかぶり厚を6cmとしている工務店さんがほとんどだろう。6cmというのは、既製品でピンコロと呼ばれる4×5×6cmの立方体で鉄筋をかぶり厚を固定するもの。その最大辺寸法が6cmを使うので一般的に6cmとなる。しかし、もしかしたら8cmくらいで行っている優良施工店ももあるかも知れない。なぜ8cmが優良なのか?というのは、ベタ基礎の水平部分スラブにかかる力は、下図のとおり中央部と端部に大きな力がかかるためここで配筋を決める。但し固定端部が多い場合は端部で決まる事が多い。この場合は6cmのほうが有利。結局計算で確かめるには変わりない)この中央部には地面からの反発力がかかり上にたわむ力が働く。よって計算する断面は、スラブ厚さC:18cmの時、下のコンクリート端部(地面の方)から鉄筋までの距離が抵抗する断面となる。よって鉄筋の位置が上にあるほど抵抗する力が大きくなる。もしの地面(捨てコン)からのかぶり厚を6cmとすると、鉄筋までの距離は多めに見ても8cmしかない。ところがもし地面(捨てコン)からのかぶり厚を8cmとすると、鉄筋までの距離は10cmになる。この寸法はそのまま強さになるので単純にかぶり厚を8cmにするだけで約1割スラブが強くなる。この1割で許容範囲内に納まる事が多い。また、もうひとつの理由は、下の地面(捨てコン)からのかぶり厚を6cmとすると、コンクリート表面までの距離が9.4cmと大きくなり、コンクリート表面にひび割れがしやすくなる事も考えられるから。また中央以外に端部に大きな力がかかる場合もある。この場合は逆に地面(捨てコン)からのかぶり厚を6cmとしているほうが強い。このように主たる鉄筋の位置は場所によって違うほうがよい。だからダブル配筋のほうがわかりやすいのであるが、詳細に計算すれば、シングル配筋でも大丈夫。但し「詳細に計算すれば」という条件である。いずれにしても意外と新潟県では雪の荷重で大きな力がかかるので、やはり「財団法人 住宅保証機構」の仕様書に記載されているとおり3mをこえる短辺を持つ基礎区画は、構造計算しなければならない。


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