過去の掲示板の内容 その他色々

HP更新ののため、同じフォルダーに入っている過去掲示板をよみ返した。すると・・・何年経っても「ぶれ」ていない書込みがされており感心した(自画自賛)。2002年の集成材の話や、ファンヒーター廃止運動などなど・・・。今でももっともだと言う話。

家は他の家電製品や車などの最先端科学搭載の機器と同じように変化するものではない。時代に左右されない構造や性能が求められる。設備は入れ替え可能だから最先端でも問題ないが、基礎や柱、暖かさの性能などは50年(暖かさは30年)以上現役でいなければならない。だから毎年チラシを見るたびに変わるメーカーや建築会社の家には抵抗がある。・・・そういうおもいで「緑の家」は造られている。だから10年前に建てた家と今建てている家に違いはなく、今でも感じが良い「緑の家」だ。

8年前の緑の家の内部。今と変わりなくヒノキの無塗装の床


無塗装の木の外壁

先日、木の外壁をこのブログでお勧めしたとき紹介した「ターシャの家」の本の写真をアップします。いいですね。この雰囲気。一般にこのような外観から受ける印象は、冬寒そうな感じを受けますが、そこは高気密高断熱構造、厳寒期でも家全部が温かいです。上の写真で外壁がシルバーグレー色になっていないところは、まだ10年くらいの部分でしょう。グレー色は35年です。
無論、日本では軒の出のない木の外壁は、避けたほうが良いですが、もう少し軒を出せばの日本でも耐久性は十分です。

最近は法律が変わり、よくログハウスが町中に建てられますが、このように木や緑があふれていないと何か重要な物が足りないと感じます。せめてシンボルツリーでもあればと思います。ちなみにターシャのこの家は多分2×4工法であってログハウスではありません。


見学会を行います。

12月13日(土)と14日(日)の二日間、新潟市東区にて完成見学会を行います。詳しい内容は、HPの完成見学会でご案内いたします。

写真はまだ施工中で、玄関戸の梱包ボール紙もくっついたままのものですが、シンプルで端正なイメージが伝わると思います。右手にあるケヤキの幹がこの家のイメージアップに大きく貢献してます。右の屋根が低いのは、隣の北側になる保育園に光を落とすためです。あとはシンボルツリーで完成。

敷地いっぱいに建てているのにこの開放感は、周囲の環境をうまく取り込み、室内天井高が3m近くあるからと思います。更に通常は床から使う掃き出し窓を、普通の家の天井高さとなる2400mm付近から設置することで、明るさと安心感を両立させております。ローコストながら工夫いっぱいの家 I邸です。設計事務所だからできる計画。ぜひ足をお運びください。

又随時写真をアップします。


素のままの「木」の外壁のススメ

木の外壁は、日本の住宅で古くから使われている。特に新潟県では雨板(あまいた)と呼ばれる杉の外壁。この雨板は、施工性に優れ、貼るだけで通気工法と同様の効果も得られる優れもの。欠点は、どうしても和風外観になること。そこで多くの住宅で敬遠されてきた。しかし同じ木でも横に貼るようにすると完全和風ではなく、洋風に近いイメージを与え、スッキリと納まる。まるでシンプルな角ログハウスのようである。写真は寺泊の拙宅であるが、この度皆様に強くこの木の外壁をお勧めしたい。今までお勧めできなかったわけが2つあったが、それらが解決したのである。お勧めできなかったのは、1.防火(コスト)の件・2.色の変化と材料変化である。防火の件は1年位前に防火の規定がはっきりと示され、一般の市街地でもOKとなる施工が紹介された。今までは準不燃加工した木や一部しか使える方法はなく、コストアップになったけれども、安価な杉板でOKとなった(詳しくは問い合わせてください)。2の色の変化や材の変化についていては、問題ないというより「良い」感じになることがわかったためである。色の変化は好みもあるけれど、写真上の2年後には綺麗なシルバーグレーになりかけている。シルバーグレーになれば、庭の木々の緑とベストマッチング。そもそもシルバーグレーという色は、木の幹の色。写真上のケヤキの幹と外壁の色が同じでしょ。と言うことは葉っぱの緑色が一番自然に見えるそんな色がシルバーグレーなのである。だから周りの緑に溶け込む。シルバーグレーは無塗装の外壁だからこの色に早くなる。家の中も外部も木の無塗装万歳!!これで「緑の家」が外観からでもはっきり「緑の家」とわかるようになった。

ただし木の特性上雨の日と晴れの日では外壁色が大きく違うことに理解が必要(私はこの色の変化が木を含む自然材の特性と理解し賛成である。水にぬれて色が変わらない素材はほとんど人工素材だから。硬い石でも濡れると色は大きく変わるよね。だからやさしい)。またこれも木の特性であるが、雨の日は外壁が隙間なくピシッと平らになるが、雨から晴れに変わったとき、外壁に少し隙間が開く。勿論それを考えて「サネ」という構造になっている。この変化は緑の家にお住まいの建て主さんは、無塗装の床で実感しているはず。暴風が吹き荒れる寺泊でも大丈夫なのでご心配なく。近々に詳しく当HPのコラムに載せる予定。


エアコンだから乾燥する?

※以下相対湿度と表現してますが、通常の天気予報で言う「湿度」のことです。

冬になると、「暖房」というワードの検索が多くなる。最近の生活スタイルでは、寒いということは暑いと違って我慢できないものである。「暖房」という検索ワードで見ると、ウエブ上に多いQ&Aには、まだまだ「エアコンで暖房すると乾燥する。だから石油(ガス)ファンヒーターがお勧め!!」といったアドバイスがある。

果たしてエアコン暖房だから乾燥するのか?

確かに石油(ガス)ファンヒーター類は、日本以外の先進国が決して行わない燃焼排気ガス室内放出をしているので、石油1Lが燃えたら水が約1L水蒸気となって放出される。だから室内に加湿器があるのと同様。しかし、そもそも燃焼排気ガス室内放出は行ってはいけないことである(同じ石油関連機器の自動車を家の中におくようなもの)。完全燃焼すれば、害のある燃焼ガス成分はないというが、通常使用で完全燃焼などありえない。石油(ガス)ファンヒーターを使っているお宅に伺うと必ず燃焼ガスの匂い(どんな成分かわからないが)がする。30分いるとなれてしまうのであるが、これがもっと恐ろしい。

高気密高断熱(C値1程度)の住まい人数にあった家の大きさ(一人当たり10坪弱)であれば、エアコン暖房でも決して乾燥感はない。これは計算で実証できる。計画換気による室外の乾燥空気の流入量と、人が活動によって発生する水蒸気があるところで釣合い、相対湿度50%位となる。隙間からの水蒸気流失はわずかになるためである。

ところが高気密でない家は、計画換気以外にも温度差換気により換気量が増え、乾燥した空気が大量に室内に入り、人が活動によって発生する水蒸気とのバランスが崩れ相対湿度が40%以下になる。さらに高気密高断熱でない家は、家中(居室)暖房でないため、暖房しているリビングの戸を開けて開閉するたびに、乾燥した廊下の空気が流入しリビングの相対湿度は下がる。だからリビングの相対湿度は時には相対湿度30%となる。だから石油(ガス)ファンヒーターによる加湿を行わなければ乾燥感を感じる。これは深夜型蓄熱暖房機とて同じこと。

つまり、暖房の仕方や家の構造によって左右されるのが冬の相対湿度である。決してエアコン暖房が悪いのではない。よく床暖房が乾燥感がないのでよいということも囁かれる。これは事実であるが、床暖房というもの自体が良いのではなく、室温が2から3度低くても暖かさを得られる暖房方式だからである。仮に快適性が得られる室温22度のエアコン暖房の環境では相対湿度50%とする。この部屋で床暖房を行った場合室温19度で同じ快適性が得られる。このときの相対湿度は60%になる。まったく同じ部屋の空気質で相対湿度が10%も変わる。この原理は空気の湿り線図というキーワード検索すれば丁寧に説明しているウェブがある。当ホームページでも解説している。室温が低くなると同じ空気であっても相対湿度は上がり、同じ空気であっても室温が上がると相対湿度は下がるのである。エアコン暖房だから乾燥感があるということは、正しい表現ではない。


今までの建て主を蔑ろにした講習会が堂々と行われる不思議。

先日、政府所管の財団法人主催で木造住宅の壁量計算等構造設計の講習会が三条市内であった。しかしこの講習会に住宅の設計実務者が行っているとしたら、それは非常に奇妙な講習会となる(行っていないと信じたい)。この講習会の趣旨は、来年実施されるであろう4号建築物の特例廃止に伴う確認申請の混乱を防ぐものであるととされる。が、その内容は壁量計算の実際の方法や計画である。確認申請の混乱を防ぐ目的なら、事務手続きのみの説明であるはず。しかし内容は、壁量計算の方法(構造設計)が主である。

そうこれがなぜ建て主を蔑ろ(馬鹿にした)講習会かと言うと、そもそも壁量計算は、数十年前から必ず設計者が行わなければならない決まりである。例外はなく、確認申請のいらない田舎でもそれは同じである。

平成11年の改正で壁量計算の項目が数個増えたが、あれから8年以上も経過している。この8年間、もしかしたらこの新しい壁量計算を知らないで、建て主に「安全、安心」といいながら建物を設計してきた設計者がいるのだろうか?(いやたぶんいるはず。そうでなければ国をあげて講習会を行うはずがない。木耐協の調査でも既に建築されている築25年以内の62%が耐震性に疑義があるとの結果がある。)なんといい加減なことであろう。住宅設計に携わる設計者は、この7年間に行った家の壁量計算を全棟行ったのだろうか?特に危惧するのは、純日本建築(数奇屋造り)や、デザイナーズ住宅といったアクロバットな住宅、三角形の変形住宅、片流れの屋根の家そしてロフトを持つ住宅である。

当事務所では築7~8年以内の住宅の簡易壁量計算を行うことをHPでご案内した。是非ご利用頂ければと思う。この期間であれば無償で施工会社から直してもらえる法律があるからだ!!


エアコン暖房について。暖房機器は燃費(効率)が重要。

ほとんどのブログと同じようにNIFTYブログには検索機能があり、どの検索言語でブログにたどり着いたかがおおよそわかる。ここひと月は調べて見ると「エアコン、暖房、コスト、暖かくない」などの語句が多い。暖房の季節が来たので暖房器具の検索が増えるのだろう。当ブログはエアコンマニアの管理者が書いているので、結構エアコンの話題が多いので訪れてくれる方も多いのだと思う。そこで「エアコン、暖房、暖かくない」で他のブログや話題を検索すると、意見が2分されていることに気づく。それは

「エアコンは暖房に向かないので使わないほうが良い」「エアコンを暖房器具として積極的に使いましょう」と言うまったく正反対の意見となる。

当ブログや当HPをご覧のかたは、「これからの暖房はエアコンかな?」と思って頂けると思うのであるが、断熱性能の低い家の住んでいる方の多くは、「エアコンなんてだめだめ」となるだろう。このことは昨年のブログに4回に渡って掲載した。

しかし、意見が2分されていようとエアコン暖房はこれからの主流である。そして国をあげてエアコン暖房推し進めるだろう。東北電力さんも以前は蓄暖の暖房を進めていたが(補助金が出る)、現在は蓄暖は勧めていない。理由は行政がエアコン暖房を推し進める方針を打ち出したから。国のNEDOの補助金も「エアコン暖房」が主流で補助金対象となるシステムが多いことがこのことを物語っている。

ではなぜ今も「エアコン暖房はだめ」と言っている人が半分いるのだろうか?これはエアコンのシステムと燃料代についてよく知らないからだとおもう。 エアコンは暖房機であるが、ほかの暖房器具と決定的に違うのは、直接熱を造らない機器と言うこと。「えっ。ではなぜ暖かい風が出てくるの?」となるが、簡単にいうとエアコンは熱を運ぶ機器で、熱を集めて凝縮して運ぶので暖かくできるのである。熱は運ばれてくるだけ。暖房時だったら外の熱を凝縮(圧縮)するので、外気0度から熱を吸い上げ40度以上の熱に圧縮して室内に放出する。だから運搬の効率がよければ電気を直接熱に変える機器(ハロゲンヒーターやオイルヒーター、IH機器など)に比べて6倍以上の熱を室内で発生させることができる。つまり暖房費(電気代)が1/6になると言うこと。結果、何もしなくてもCO2 も削減されることになる。こんな簡単原理とシステムなのでちょっと説明すればわかるのであるが、どうも理解されていない。特に暖房機は、その購入金額よりも運転しているときの金額が5倍以上にもなることも多い特殊な機器。たとえば車であれば購入金額200万でその車の燃費が10kmで10年間(10万キロ)乗ったときの燃料代は、130万程度で、とても購入金額の200万にはならない。ところが暖房の支払い料金は、年あたり少なくても3万/一人。10年暖房器具を使えば30万となり、どんな暖房器具の購入代金の10倍から2倍になる。車などと違い唯一と言ってもよいくらい特殊な家電機器と言える。

暖房器具は購入代金より、使用時の燃費(効率)が重要なのだ。

もし、暖房費が年6万を超えるなら主暖房は、迷わず効率の高いエアコン暖房をお勧めする。エアコンの効率は外気温湿度で変わる。本州でも最低条件に近い新潟県の外気環境でも、平均COPは4を超える。←年間測定結果(2007年論文による)


住宅のメンテナンスは床下がほとんど。

先日築1年経った家のメンテナンスに伺った。特に重要視するところは、「緑の家」の床下。左の写真は床下のもの。配管や排水管が露出され、誰でも見ることが可能。加えて、お分かりの通り明るい。人は暗いところには、なかなか行きたがらない。この床下は、照明器具が配置されているので、明るく乾燥している。住宅は床下に配管や電線が集中している。加えて湿気やシロアリの害を受けやすい弱点が集中するする部分。中越地震後の被害地に建つ家のメンテナンスに行ったとき排水管が少し外れていることに気が付いた。緑の家のような家中の床下が見れる構造でなければ、気がつかなかっただろう。見逃せば、後々木が腐ったり、カビ臭が出てくる。普通の家は、床下隅々まで簡単にはいけない(ご自分の床下を見たことがない人がほとんどのはず)。

ユニットバスの下の配管を見たことがありますか?下の写真は、ユニットバスの下の配管部分。人の大きさと比べると如何に余裕を持ってメンテナンスできるかがわかると思う。光ファイバーの増設でも床下で配管すれば、設置業者さんもらくらく。勿論、1階の床面積の1/2まで床下収納にも使える。くまなく床下を動けるように計画され且つ財団法人住宅保証機構の基礎計画を守った立ち上がり人通口(人が行き来できる開口部)も重要点。最近は床下を使う家も増えてきているが、基礎の構造計算や計画はとてもずさん。本当にこれで大丈夫なの?という基礎も多くある。普段目にしない床下の構造まできっちり美しいのが「緑の家」である。


NEDOの補助金復活!! 20年度2回目公募募集

20年度NEDOの補助金復活!!再びお申し込みを!!

今年の春に第一回目の補助金申請が、その応募件数が一年分のさらに1.5倍もあったため、すぐに打ち切りとなってしまった。ところが地球温暖化防止策の一環として個人が利用できる補助金の意義は大きいらしく、この秋補正予算がつく(はず)。このため第二回目の公募が可能になった。多くの補助金をもらうためには、高い性能(高気密高断熱)の住宅を造る必要があるが、当事務所の「緑の家」の仕様では、ほとんどが標準でOK(基礎はべた基礎のとき)となる。詳しくは当HPのここへ。

蛇足であるが・・・

この補助金は住宅の性能表示制度に合わせて申し込む必要がある。この性能表示制度は、今回の断熱気密性ばかりではなく、耐震性や耐久性といった最も重要な性能についても、客観的に評価してくれる。よくチラシに「当社工法は耐震性が高いよ」と言っても、実は偽り(自分の勝手な評価)で、実際は低い耐震性が明らかになる。よって多くの施工会社は勧めたがらない。この性能表示で目指す耐震性の等級は2以上が基本。等級1は最低限度の耐震性があると言う評価になるので「高い耐震性」は偽りになると考えるから。


最新エアコンの選び方 暖房編

毎年秋はエアコンの最新機種が各メーカー揃って販売される。自称エアコンマニア(浅間の事)が注目する今年機種は・・・       情報が混乱しており赤字にて加筆修正11/22しました。

3位・・・東芝のエアコンRAS-221PDR 251PDR 281PDR

なんといっても東芝のエアコンは、今年から高気密高断熱住宅(マンション含む)向けとカタログ表記されたこと。これは、通常のエアコンのお勧め表示能力で高気密高断熱などの性能の高い住宅で使用すると、少ないエネルギーで運転され本来のCOPピーク値からはずれ、COPの低いところで使うことになる。結果経済的ではないし、無論エネルギーロスが出る(私の2年前の論文で発表した)。しかし、エアコンを購入する人は、どんな性能の家で使うかわからないので、闇雲にも小さい出力値にCOPピークを持ってくるわけに行かない。ではどのように東芝は対処したかと言うと、コンプレッサーを2つにした。出力が小さいときには1つだけ運転し、大きい出力が必要なときに2つ同時に動くようにした。まるで最新の車のエンジンと同じである。東芝はこれをデュアルコンプとなずけた。また、これも前から必要と思っていた、エネルギーモニターも設置。車のプリウスのオーナーが燃費を気にする運転をするのは、その瞬間燃費がわかるエネルギーモニターがついているからとコメントした。だからエアコンもこんなモニターがつけば、COPを気にして温度設定や運転方法を変えるようになるはずと・・・。東芝さんすごく「偉い」。

1位・・・日立の床置きRAF-36Y エアコン 

日立さん「がんばったね」というエアコン。またしても数年前に研究し論文発表した中にあるが、エアコンが発売された当時(50年以上前)は、暖房としてはまったく考えていなかったため当時クーラーと呼ばれていた。ところがメーカーは夏しか売れないのでは困る。冬も暖房機として売ろうと考え本腰を入れたのがおよそ25年前。時代は変わり、今やエアコンは暖房機器として使われるほうが多くなり、年間あたりの消費エネルギーも暖房のほうが10倍になることもある。となると冷房主体だったときに考案された、天井付近に設置することの意味が薄れ、暖房時に効率が良い床設置となる。しかしメーカーは保守的なため、今まで床設置型のエアコンはほとんどなかった。ところが昨年から日立は床置きエアコンを販売しはじめ、今年本腰をいれて商品を投入した。暖房時、エアコンの室内機では室内空気を吸い込んで、暖かい冷媒に触れさせると言う熱交換がおこなわれる。このとき吸い込み温度が低いほど、熱交換の効率がよい。一般に天井付近の空気は、温度が高くこの空気を吸い込むのは暖房時は効率がわるい。つまり天井付近に設置したのは、冷房時の効率を上げるためと邪魔にならないようにするため(当時は畳の部屋が多かった)。なるべく低い位置に設置するだけで効率があがる、と同時に暖房は足元からが基本であるので、床設置は理にかなっているのである。ただ2位になったのは、COPが少し低い。せめて5.5以上はほしい。

2位・・・ナショナル(パナソニック)のお掃除エアコン CS-X229X

ナショナルはお掃除エアコンの元祖。面倒なフィルター掃除をまったくしないで10年大丈夫として数年間に発売し大ヒットした。加えて各社が室内機サイズを小さくしてCOPが落ちたこの3年間も、がんばって大きな室内機でCOPのトップを常に守り続けた。室内機が大きいと販売店(備え付けが面倒)で嫌われるので各社は小さくし、COPも一時低くなった。なぜ室内機が小さいとCOPが悪くなるかと言うと、熱交換器が小さくなるため。COPを簡単に高くするには、熱交換器を大きくし、風量を上げるだけでよいが、この両方とも使用者から嫌われる。6帖用は暖房COPがトップの6.76!!(がしかし昨年は6.85)今年は10畳用機種もCOPが落ちた6.67→6.27(表記の機種はそのまま)。これはAPFという新しい基準値(これもCOPの一種で年間のトータル時のCOP)は上がったのだが、低格時のCOPが落ちては元もこうもない。APFをあげるにはCOPのピーク値を低い出力側にもって行けばよく、エアコンの使い方で悪くなることも予想される。小手先の改善のため2位とした。本来は一位のなのに残念。

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今回の東芝製品は自信があるらしく、値段が他メーカーの同等機種より高い。コンプレッサーが2個あるので仕方がないが、数万円も高いとちょっと手が出ない。せめてコンプレッサー1個分の金額だけとしてもらいたい。東芝性エアコンはちょっと気持ちが入れ込む。私が高気密高断熱の暖房用として使い始めたきっかけは14年前に255SDと言う機種が出たから。この機種のCOPが4.65で当時はその効率の高さに大変驚いた。この255SDは自宅、事務所で計4台もある。海沿いの拙宅でもオーバーホール1回(室外機のケースが錆びてなくなった)で11年間動いている。当時の機種の耐久性もたいしたもの。しかしパナソニックの設置フリーエアコンはここ4年くらいトップ性能を維持している。すごい!!


基本計画の重要性

現在施工中の家が新潟市にあります。この住宅の敷地条件は通常の考えでは、あまり良くありません。東側道路で東西に長いのですが、南にすぐ住宅のがあるため南の景観が期待できないからです。しかし考え方によっては、とても良い条件に変わります。写真のとおり、北側の保育園があるからとても開けているのです。特に境界付近にケヤキのような広葉樹があるので、窓から見ると借景としてとても良い雰囲気です(写真は足場がまだあり、養生シートで曇って見えます)。また東側窓の位置を、前の道路にあわせて目線の先の障害物がないので広々としており、市街地のコンパクトな敷地を感じさせないばかりか、とても贅沢な景観が見れます。この見学会は、1月くらいを予定しておりますが、お越し頂き、真剣に考える設計事務所のプランとコストの絶妙さをお感じいただければ幸いです。

北側に隣接する保育園の園庭がとても贅沢な敷地条件

リビングの窓からは、すべて広がりのある景観。(施工中)

窓のすぐ外には市街地では、よほど庭が広くないとめったに見れないケヤキの紅葉も真近に見える。

2階北側の窓から見える風景は、園庭のおかげ開放感たっぷり。まるで自分の敷地がそこにあるよう・・・。

南に窓があっても目の前に家があるようではカーテンが閉めっぱなし。それに比べこの住宅では、北と東の窓がいつもオープン状態。市街地の敷地ではこれがとても贅沢なこと。良い敷地を選ばれました。


設計・工事監理を受託時、「重要事項」の標準雛形発表

住宅や建物を作る場合、必ずその設計が必要になり、通常は自分以外の人や団体にお願いすることになる。これは昔ながらに大工さんに直接発注しても同様である。実はこれは住宅などの小建物向けの法律である。中規模以上の建物は、この法律以前にしっかりとした約款がある書式の契約書で契約(説明)している。住宅などの設計と施工一式請負に、このような説明が一切されなかったので、義務化したのである。 と思っている。

住宅における設計や工事監理の責任が一般の人にはあいまいでわかりにくいため、このたび11月28日から土地などの不動産取引と同様に「重要事項」の説明が契約前に説明することを義務付けられた。つまりこの住宅は誰が設計をして誰が工事監理をするか?その金額と期間はいくらか?報告はどのようにするのか?という当たり前のことが今までなされていなかったので、法律で義務化しようというもの。よく誤解するのは、家は○×ホームに頼んだので、設計者は○×ホームという団体だと思われがちであるが、それは正しくもあり間違いでもある。法律ではあくまでも設計者及び工事監理者は個人名が記載される。したがってそのもの個人の責任と設計を受けた法人(団体)の責任と分かれることなる。複雑な法律解釈は専門家サイトをご覧頂くとして、姉歯耐震偽装のときある程度認知されたと思う。

新しい書式詳細はここにあるのでご興味がある方はどうぞ。内容は今まで当事務所が使っていた契約書の中身とまったく変わらない。(リンク先は当事務所の平成10年の契約書)いかに当たり前のことが住宅業界では省かれてきたかがわかる。ただし記載例にあるとおり「逃げ」がある。「・・・・本説明内容は最終的な契約内容とは必ずしも同一になるとは限りません」と・・・。不動産と違って可変性のある人間の行為だから仕方がないが、これを悪用する人もいるだろう。


太陽光発電パネル補助金復活! 違法な階段その2

さて、太陽光発電パネル設置を考えている人には吉報。1kwあたり7万で補助金が復活。普通は3~4KWを計画するから、21万~28万を国からもらえる。詳しくはここに。無論当社でも補助金申し込みのお手伝いをしております。ご利用ください。

さて、数年前から何度なくアナウンスしてきた違法階段。これを業界最大手出版社が取り上げた。それによると建築士の16%は知らなかったと答えている。果たしてこの16%をどう感じるか?そしてその記事にもある違法階段がある常設展示場が結構あるらしい(実際に長岡市に建っている)。それをどうかんがえるか?まあ階段くらいよいのではと考える人もいるだろうが、建築基準法第一条には「この法律は安全性の最低基準」という位置づけとある。それから考えると、とても許されるものではない。


地震対策はトイレ対策

今日のMSNで報じられていたが、都市型地震ではトイレ不足がもっとも深刻な問題となる。これは近年2度の地震と水害にあった新潟県人の経験上もっともの話である。当事務所は中越地震後に、タンクレストイレ(タンクがなく、水道と直結している流行のトイレ)を積極的に勧めることは止め、タンク付のトイレを最初に勧めている。タンク付なら断水状態でも、配給水、雨水、井戸水、風呂の残り湯をバケツで汲んでタンクに入れれば普通に使える。しかしタンクレスの場合は、便器に直接水を流し込むため、汚物が散乱して何回か流さないと綺麗にならない。この違いは大きい。電気は比較的短時間で復旧するが、水道は復旧まで概ね電気の数倍の日数が掛かった。ガスはなくても何とかなる。つまりお風呂は2から3日我慢しても平気であるが、トイレは1日でも我慢できない。水害や地震後は食料も最初に届く品物であり、飲み水、食料もそう困らなかった。困ったのは、トイレ(と寒さ)に尽きる。

さて、都市で地震が起きたら、85万人が「トイレ難民」となると記事にある。中越地震のときもそうであったが、地震のひどい地域から数キロ離れただけで普通に生活できる地域が必ずあり、その差に驚いた。たぶん首都地震も同じと思うため、まずは都心や被害の大きいところからすぐに移動し、郊外に行くことがよい。そのため災害後は、的確な情報処理をを行政が行い、人を移動させられる自衛隊トラックや、民間トラックを自由に使えるシステム構築のほうが、介護用オムツを常備するより良いと考える。本当に数キロはなれるだけで、すべて普通どおり生活できるので、ある程度震災部の受け入れが整ったときに、事後処理をはじめることが精神衛生上もよいと思う。


光る床!

今日築8年を経た「緑の家」I邸に撮影のため訪問させて頂いた。

家の撮影なら新築の家が被写体になるのが普通。ところが「緑の家」では、築年数を経た家のほうが美しい部分が多い。その代表がヒノキの無塗装の床である。写真は光が床に反射して輝いているのがわかると思う。実はこの艶は、8年の歳月で自然と出てきたもの。通常1年目から出始め、5、6年で深みがあるくらい光る。お手入れは特別必要ない。裸足でよく歩いてもらうだけ。足が多く触れたところほど光る。この状態になれば汚れもつかない。(多少吸湿感も落ちるが、たたみもそうであるように素足になじむ)

新築時は、赤ん坊のようなピンクの床が、こんな感じで「飴色」になる。そしてさらに数十年たつとお寺さんの床のように茶色くなってくる。そんな床が「緑の家」の無塗装の床だ!!

ちなみにI邸は2年までご夫妻だけの住家であったが、この2年間はお孫さんと同居している。多少へこみも増えたが、トップクラスの美しい床をもつ「緑の家」。お忙しい中、撮影ご協力して頂きありがとうございます。

この写真は、新築時の「緑の家」のヒノキの床。このピンクも良いし、あめ色もよい。しかしシグマのSD14で撮った写真は、色や質感を忠実に再現する。


確認申請時の図面があれば無料で耐震性のチェックします。

今日、増築申請建物(既存の家に付け足すこと)の確認申請を審査機関に提出した。すると妙な電話が審査機関から掛かってきた。

既存(3年前に新築した部分の建物の、耐震性のチェックしました。と一筆ほしい。」

当事務所返答

「では新築する部分のところにも耐震性のチェックをしましたと書き入れるのですか?」

審査機関返答

「いりません。」

当事務所返答

「どうしていらないのですか?」

審査機関

「あたらしい建物だからしっかりと壁量計算※してあるでしょう。(数年前の建物の壁量計算はしていないでしょう?)」

当事務所返答

「絶句・・・・」

心の中で「だって法律では壁量計算を数十年前からやるように決まっている。数年前にやりなさいと決まった法律じゃないはず」

たった数年前の建物の壁量計算が怪しいと言っているのだ。このように審査機関が、数年前の建物は壁量計算(耐震性)が怪しいと認めている。となるとまだ数年しかたっていない現在建っているのほとんどの建物が・・・。なんと恐ろしいこと。

もし平成13年以降引き渡された住んでおり、壁量計算書がお手元になければ、当時設計者に申請し、壁量計算書をもらう権利はある。それがなければ安全性の裏づけはないから。そしてもし壁量が足りなければ、所謂「耐震偽装建物」であるため、無料で直す義務が設計者に生じる。是非チェックをお勧めしたい。法律で定められた保証期間の10年を過ぎれば請求は難しい。今がチャンスだ。ちなみに10年を超えても、耐震性の著しい瑕疵は民法上の不法行為となるという前例がある。心配な方は、当事務所に確認申請図面をもって来ていただければ、無料で簡易チェックします。巷にある木耐協のいい加減な耐震診断よりしっかりとしてます。  (ちなみに13年以降の建物としたのは、すべての家が原則10年無条件に保証される住宅になった施行年のため。)

※壁量計算書とは・・・

数十年前から法律で設計者が木造建物の安全性を確かめる義務が決められている。建物審査機関は、建築士が設計した建物であればこのチェックをしなくてもよい。それをいいことに、この20年間壁量計算をしない木造住宅が数多く建築された。壁量計算の実務は2時間もあれば十分可能な業務である。営業マンがプランしたり、設計施工の一体契約の場合、壁量チェックすると契約後に、耐震性が悪く建たなくなる家もあるので、設計者は見てみぬふりで行ってきた。特に注意が必要な建物は、ロフト付や、南側に大きな開口部のある建物。そして片流れと言われるとんがり建物。このとんがり建物は、風圧力が地震力を上回ることがあるので、要注意。


掲示板(過去版)復活です。

過去8年くらいの掲示板が突然閉鎖され見えなくなり皆様には大変ご迷惑をおかけしました。ようやく過去分データだけは復活させました。過去8年の歴史は重要で、いかに「緑の家」の仕様がずっーと同じで、変化の必要がなかったかがわかります。たぶん数多くある設計事務所、施工会社の中でも、7年分手を加えることなく保存、閲覧できるものは、当社ぐらいではないでしょうか(手前味噌です)?今後も今までと同じ仕様、そして断熱気密強化タイプをご提案してまいります。

今後再び新規掲示板をするかどうかは、検討中ですが、コメントできる本ブログがあるのでたぶん立ち上げしない方向です。(ただブログでは皆様からの画像が貼る事ができないので、どうしょうかなと思っております。)

過去掲示板へは、このブログの左にある掲示板へにリンクを貼りました。

また直接入力ではhttp://arbre.green.coocan.jp/?m=listtop&p=1です。

これからもよろしくお願いいたします。   ブログ管理者 浅間英樹


建築基準法上の工事監理者

工事監理者はとても重要な業務である。100m2以上の建物には、建て主さんが建築士の資格のある人を工事監理者として定める事、と法律で規定されている(義務事項)。「ああ現場監督さんね。」と考える人はちょっと待ってもらいたい。左の写真は法律定められた現場に必ず設置しなければならない表示看板である。ここには、建て主、設計者、工事施工者、工事現場管理者、そして工事監理者を記することになっている。ここで工事現場管理者というところに名前があるが、こちらは所謂「現場監督」であり工事監理者ではない。

この工事監理者の名前に見覚えがなければちょっと変と思ったほうがよい。建て主に内緒で勝手に工事監理者を決めて申請していることになる。また工事監理者と工事現場管理者の名前が同じであるときもおかしい。つまり造る人の現場代表と図面と現場が同じことを法律上責任を持って確かめるひとが同じことになる。確かに同じであってはいけない規定はないが、なぜわざわざ法律で工事監理者を定めなければならない既定になっているか?それは、施工する人が自分の工事が正しいかチェックしても意味がないのでわざわざ施工する人と違う人が図面どおりかチェックするシステムにしているため。特に注意したいのが「当社は最近第三者管理機関のチェックをしてますよ。」といっているが、これが法律上の工事監理者でないことがほとんど。法律上の工事監理者でないと、工事に関する注意などは法律上権限がない(建て主に報告する義務もない)。

もっと変なものは、施工者と設計者と工事管理者と工事監理者がすべて同じ場合。これではせっかくの法律で定められたチェック機構が働かない(働きにくい)。

写真の通りわかるのは、工事監理者は「法人名」ではない。何かあったとき個人の責任となることがほとんどであり、実際そういう判例が多い。


「緑の家」が目指すものは?その5 JAS材と強度表示

その5では、その4続き具体的になる。

再び現在進行中の性能評価申請中の現場で説明する。

性能評価は、構造の安全性の評価表示のため、等級2(等級1は建築基準法ぎりぎり)以上は構造計算することになる。特に雪国での柱は、雪の重みを受けるので座屈に注意が必要。また梁(横たわって見える木のこと)は、長期のクリープ現象(数年間掛けてたわむこと)を加味しその大きさが決定される。で、このときに使う数値が写真の中にあるシールの基準値となる。クレテック工法の場合、集成材が基本であるから、このようにすべてにシールが貼られているが、製材を使った場合は、このようなシールを見たことがない。しかし、製材にも計算の基準値が存在しているので本来ならなければいけない。経験値で行う時代は終わったのであるが、今もほとんどの住宅の現場では、シール無しのJAS基準無しの柱や梁が使われている。ちなみにシールを貼り表示するためには、JASの認可工場になることが条件といえるのであるが、新潟県には次の5件が製材等のJIS認定工場として登録されている。長岡市の(株)諏方木材工業、(株)志田材木店、新井の(株)菱元屋、新潟市の(株)ザイエンス、王子緑化(株)の5社である。現在出回っている製材品の量を考えると非常に少なく、無垢材がよいといっている会社等の登録がないのが不思議である。

さて、シールがなくてもその材料の一般的な性格は、一応決められている。たとえば杉の製材であれば、Eの強度は6860N/mm2、松の製材ではE=7840N/mm2。ただしあくまでもJASの基準を満たす構造材乙種以上の強度。現在進行中の性能評価申請中の現場の梁(松)のEの強度は11760N/mm2である。これは製材の杉の1.7倍。製材の松の1.5倍となる。ということは梁の構造計算式ではたわみで決まることが多いので、一般的な梁の加重の場合、

たわみ=5wl^4/(384EI)×2(クリープ考慮)

となるので、Eに比例してたわみが少なくなる。実際は、集成材の梁が断面10.5cm×24cmですむところ、製材の杉は10.5cm×27cmは必要であるという計算結果が出る。

だから製材がよくないというのではない。むしろ製材を使いたいのであるが、しっかりと乾燥した製材品は、集成材よりの高い(逆を言えば適当な製材品は、集成材よりもずいぶん安い)。だから集成材を多く使っているといえる。重要なことはこの強度の違いを知って設計しているか?ということ。あなたの設計者に、「梁に使うE(ヤング率強度)はいくつものものですか?」と聞いてみると、本当にその設計者があなたの家の構造を把握しているかわかる。それが答えられなかったら 無垢材=安心ではない。


「緑の家」が目指すものは?その4」

その4では、急に具体的になる。

この写真は現在進行中の性能評価申請中の現場である。建設審査はまったく何も指摘なくOK。この後最終検査をしてコンクリートを打ち込む。アンカーボルトは既にセットされ、一回で立ち上がりとスラブを打ち込むため、型枠を浮かせるということにになる。巷の基礎の多くは2度打ち込みだろうが、やはり基礎を一体化できる一回打ち込みのほうが、基礎が計算上の力を発揮できる。

普通の住宅のべた基礎は、「経験値」で鉄筋が組まれる。当事務所の家は、そのすべてが構造計算して決定される。すると、写真アップにあるように、鉄筋から下の地面まで7cm離すことになる。これは基礎底板の厚さが18cmのほぼ真ん中に鉄筋が来るようにしなければならないため。(詳しくは08.05.08のブログを参考)

基礎立ち上がりで囲まれた底板(スラブ)は、ピン構造の端部というより剛接になるため、立ち上がり近辺で力が下端にかかり、中央部で上端に力がかかり、両方の強度をこの鉄筋で補うため、コンクリートの中央に来る必要がある。


でも下端から7cm離れている現場を見たことがない。そもそも写真のように、鉄筋を浮かせる小さいサイコロは短辺が4cm、5cm、6cmという羊羹状である。7cmがないので、このように鉄筋を捨てることで7cmを確保した。勿論7cmのサイコロも注文すればあるのであるが、業者さんが勘違いをしたらしいのでこの施工となった。この方法でもコンクリート打ちの時、注意すればまったく問題ない。

雪の少ない新潟市に建つこの家は決して特別大きいわけでもないのに、シングル配筋のピッチは15cm以下である。大きい家はたぶんダブル配筋か、鉄筋ピッチが12cm以下となるであろう。本当に他の業者さんは、構造計算してべた基礎配筋を決めているのであろうか?最近はブログで基礎の写真を公開されている会社が多いが、見るととても問題あるような配筋や施工である。素人の方ではわからないだろうが、我々ならすぐわかる。

環境だけでなく構造の安全性をきちっと裏づけのある形で作る。チラシに書かれているように「18cmべた基礎で強い」などという裏づけのない計画はしないことが、「緑の家」の目指すもの。


「緑の家」が目指すものは?その3

その1とその2で「エコ」を批判するような内容をUPし、眉をしかめられた方も多いと思う。しかし、調べるほどやはり大きなメーカーが力説する地球温暖化防止(エコロジー)は、本来の内容から外れる気がする。我々庶民が行うべきは地球温暖化防止ではなく、地球温暖化が進んだときの対策であり、エネルギー枯渇(高騰)の対策である。無論、温暖化がゆっくりになる行為もできる範囲で行いながら・・・。

政府(行政)主催のごみ削減会議や環境対策会議がTVで映し出される。そこでいつも違和感を感じるのは、机の上にずらっと並んだペットボトル飲料。そもそも環境対策で重要なのは、ごみを造らないことである。昔みたいに湯のみにお茶ということにならなければおかしい。いくらリサイクルの優等生のペットボトルであってもまずは、使う量を減らすことが第一。間違った男女平等思想でお茶くみ排除よりも、得意な方面を生かすことが本質。お茶は入れることが得意な人が行えばOKで、もしそれが女性ならその人が行うことが自然である。お茶くみ=雑用という発想はおかしい。お茶入れ=もてなしであり、当事務所でもとても大事にしている行為で、私自ら率先してお出ししている。よく私は訪問させて頂いた先のお茶がおいしいと感動する。味はそのもてなし度に比例し、おいしいものを差し上げたいという気持ちがなければ決しておいしいお茶にならない。せめて行政が率先してそんな昔ながらの日本人気質を思い起こす行為を行って頂きたいと願う。

「緑の家」の高い性能は、経済性重視の「備え」型住宅で、必ず建て主さんのメリットになる性能を備えていると今までどおり宣伝し、「地球温暖化防止」や「エコ」、「地球に優しい」という体裁のよい言葉は使わないようにしよう。(最近リメイクしたカタログにはエコロジーという言葉がひとつだけ載っているが・・・。)

ここから余談

最近バイオエタノールという言葉を多く聴く。今日もニュースで全農協が新潟県でバイオエタノールのプラントを始動開始!と流れた。年1,000KL生産するという。もしリッター100円がプラントの販売価格だと年1億円の売り上げ。プラント工場には十数億円投資されたと言うが、採算が取れるのだろうか?リッターあたり100円くらいだと運送費、税金、販売店利益で末端価格は200円/Lだろうか?ガソリンより高ければ売れないと思う・・・。もしかして世界的にガソリンの価格が上がっているはそのせいか・・・はて?。

左の図は日本のエネルギー自給率。「恐怖」を感じる。


「緑の家」が目指すものは?その2 10/7日22時加筆修正

前頁では「希望」をお伝えした。今回は備え。

何が備えか?

誰もが化石燃料が永遠に続くとは思わない。明日にはすぐなくならないだろうが、20年後はどうかわからない。地球の1/3くらいの人口を占めるインドと中国の急激な先進国化。つまりエネルギーを大量消費する国が突然増えるのである。日本はもともと島国。限られた資源で生活しなければいけない社会であるし、それを実践してきた。しかしこの1世紀だけは例外で、足りない資源を船によって海外から調達できた。それが今後だんだん終わりになるだろうと思われる。

日本は少子化でこのまま行くと確実に人口が減る。政府や多くの識者人は危機的状況であるといっているが、私はそうは思わない。危機的なのは人口が増加すると仮定してきた社会保障と税金である。これらの方向を転換すればよいだけ。もともと日本が自給自足、地産地消で循環していた江戸時代300年間の人口は約3000万人という。日本の資源ではこれが持続可能な社会の上限人口だと歴史が教えてくれる。だからこれに向かってゆっくりと舵を切ったのだ。そう自然と皆が感じ取ったかもしれない。また1世紀かけて3000万人に減ってゆけばよいのではないかと思う。その過程でエネルギーが足りなくなり高騰する問題が出てくるであろう。だからそれに「備えた」家造りが「緑の家」の性能である。特に断熱気密性を高めたSSクラスでは、ほんの少しのエネルギーで家全体をあっためられる。少なくても冬の寒さ(恐怖)から逃れられる。人間を楽しくないほうに動かす(悪)エネルギーは、「恐怖」から生まれる。生命の恐怖である。その中には「飢え」「寒さ」が筆頭でそれ以上はない。なぜ働くのか?それは飢えや寒さから身を守るため。この2つが満足されれば、取り合えず生きていくうえでの「恐怖」がなくなる。あとは寿命(老い)の「恐怖」だけであるが、これは信仰?によって解決されるであろう。

地球温暖化は防止はできないと内心感じている人がほとんどだと思う。原因が二酸化炭素とわかっているなら、二酸化炭素を出さなくすればよいということだが、明日から車やめられますか?電気を使うのをやめられますか?水道をやめて地下水しますか?暖房をしないで冬すごせますか?できませんよね。仮に志高く一人で実行しても二酸化炭素はほかの誰かがたくさん排出しますよね。便利なものすべては二酸化炭素を多く出す。人間は怠け者だから便利を好む。だから二酸化炭素を出さない社会は実現不可能(半世紀では)となる。しかし時の流れ(地球)はよくしたもので、必ず余計なもの淘汰してくれる。このとき淘汰されないように備えてきた生物が今残っている生き物なのである。地球をコントロールするのではなく、地球や生物の出す条件に沿うように変化するのが生き残る生物である。

新築時に太陽光発電パネルの設置希望が購入したいエコ設備のトップだそうである。私なりに理由を考えるとこの設備でお金を儲けよう(光熱費ゼロ)と思って付けているというより、仮に将来電気が供給不足になったら、自分の家は自家発電ができるという危機管理意識があるのではないだろうか?そうでなければ25年以上掛かっても設置費用の元が取れるかどうかの太陽光発電を、積極的に付けようとは思いにくい。純粋に地球温暖化防止のためだけにつけている人は少ないと感じる。

さて、先回の「希望」と今回の「備え=現実社会」の2つが相反することで成り立っている。ひとつは気遣う心が将来の持続可能な循環社会の希望育むこと。もうひとつが人間の欲には歯止めが利かないので来るべき時代に「備える」こと。この両輪があるから未来が語れる。常に相反するもの(光と影)が必ずつりあって存在しているのが、この太陽に光エネルギーをもらっている地球上の生き物だから。


「緑の家」が目指すものは?その1

お気づきかも知れないが、当事務所のホームページには、意外と「地球温暖化防止」又はそのための「エコ」という言葉が少ない。(実は載せたくないと思っているのだろう)冷静に考えると「緑の家」の目標は、「将来を見据えた家」と「希望が育まれる家」なのかも知れない。まるで言葉遊びのような地球温暖化防止とか見かけのエコに惑わされないということ。

まず何が希望か?

当HPにも少し説明があるが、無垢の自然材を無塗装で使うことをお勧めしている。これは肌触り、香りが勿論よい安らぎを与えるのでるが、もうひとつ大きな効果がある。それはものを大事に使う心を育むということ。偉そうに聞こえるがそうなのである。

無塗装の木は、少し荒く使うとすぐに傷がつく。そして汚れる。だから自然とやさしく家を扱おうとする。神経質になって綺麗にしようというのではない。あくまでも「気遣う」のである。

お住まいになっている所へ訪問させて頂くと、小さなお子様がいらっしゃれば床や壁は汚れていることも多い。しかし汚れとは逆に皆さん木(家)を愛していらっしゃることが肌身でわかる。木に傷がつくと親は「悲しい」ことになるが、それを子供は察して今度はなるべく気をつけようとする。その子が遊びに行くご近所のお家では、普通の硬いフローリングなのであるが、そんなとこでも気をつけようとするのである。乱暴に扱えばすぐに破壊される木。身の回りの環境のほとんどが実はそうである。地球上で食物連鎖のトップに立つ生物だからこそ、乱暴物であってはならない。乱暴に扱えばすぐに人にやさしい(人に都合のよい)自然はなくなる。そんなことを、傷つきやすい「緑の家」で感じ取っているのではないだろうか?このような環境で育った子供たちはきっと自分以外の他のものに気を使うことができるはず。そんな子供たちがつくる将来はより住みやすい社会になるのではないだろうか?という希望である。


業界ニュースの最大手ケンプラッツのコラムにて。

再び上のコラムに投稿しました。

本文は後日掲載しますが、コメントのほとんどが「住宅の」冷房のエネルギー消費が意外と少ないことをなかなか認めませんね。

http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/knp/column/20080722/524530/

上リンクは会員登録が必要かも知れません。(無料)

住宅で消費されるエネルギーは、給湯と暖房で半分から2/3を占める。ところが普通の感覚では、家電製品(冷蔵庫、照明、TV等)や冷房が多くを占めると思われている。

真夏の関東地方の特に都心部はヒートアイランド現象も伴って、連続熱帯夜が20日以上になったとの報道もあり、非常にきびしい環境。無論26度くらいでは、熟睡できないであろうから冷房することも多いはず。15年位前のエアコンは、COPも3以下でインバーターもない機種がまだ販売されていた。するとやはり冷房に使うエネルギーは実際結構あり、当時は他の家電機器の消費電力も少なかったので、冷房=エネルギー消費大と思うようになった。でも今現在の冷房消費エネルギーは住宅での年間消費されるエネルギーの5~7%くらい(日本平均)である。ではなぜ、冷房が目の敵にされるか?

1.東京電力管内において消費電力のピークが真夏であるため。

2.冷房しなくても我慢できるエコ機器(扇風機)がある。

3.健常な人にとって、夏は生命の危険を感じない。(夜そのまま外で寝ても死なない)

ではないかと推測する。

それに比べ暖房は、

1.東京電力管内で真冬に消費電力のピークが来ない。

2.暖房はすべて暖房機以外ありえない。暖房のエコ機器がない。(過去には炬燵があった)

3.暖房無しでは健常の人にとっても生命の危機がある。(夜外でそのまま寝たら凍死の恐れがある)

となり、冬に「暖」がないことは、生命の危機であるため、これを倹約の対象とは考えない回路が脳内に組み込まれる。つまり生きていくに必要なものは、贅沢品ではないのである程度気にしない。たとえば毎日の普通の食費など・・・。同じように給湯(お風呂や洗顔)がどうしても必要で変わるものがないので(水風呂というわけにはいかない)、たくさんエネルギーが消費されても仕方ない感覚である。正しい統計結果で考えると、我々住宅建築に関わる者で消費エネルギー削減に寄与できるものは、やはり暖房エネルギー削減のための高気密高断熱だったり、暖房機器や給湯機器の高効率のものを推薦することになる。ところが、感覚的な統計結果?で考えると、冷房エネルギーの削減のために、通風を一番と考え、多少隙間があってもよい家ではないかと、変な理屈ができる。(建築に多い)正しく現状を把握し、未来に必要な性能と耐久性をしっかり考えるため、惑わすような情報は発信してはいけない。

一方関東地方の冬の日中のオフィスビルでは、冷房エネルギーも多いはず。それは冬でも暑くなるビルが多いため。これは、パソコンや照明、人など発熱するものが大変多く、かつ日射が室内に多く入るようなビルも多数あるし、容積に対し外皮面積が少ない建物が多いので。


設計・工事監理を受託時、「重要事項」の説明が義務付け

この写真にある手紙が最近届いた。差出人は国交省。

一般的には述べ床100m2(30坪)以上の家を造るときに建て主さんは、建築士へ工事監理や設計を依頼する決まりになっている。今年の11月28日からこの依頼時に「重要事項」の説明を受けれることに改定された。ようやくかと感じる。その重要事項の項目はまだ明らかになっていないが、考えられるに、

1.設計者の氏名と資格

2.工事監理者の氏名と資格

3.設計の費用、支払い時期と図面の種類

4.工事監理の費用、支払い時期とその内容(どんなことを誰がいつするか)

5.設計期間と工事監理期間

という一般的に当たり前のことであると思われる。(無論当事務所はいつも行っていること。)

家を造ると同じくらいに大金を使う行為に土地を買うときがある。土地を民間の不動産屋さんから購入するときは、宅地取引主任の免許を持った人が「重要事項説明書」が読み上げ、説明する決まりになっている。この重要事項説明書の説明が義務付けられる以前は、宅地と思って購入したのに、実際は家が作る事のできない法律規制があったり、道路やライフライン引き込みがあいまいで口約束であったりして、著しく素人である購入者が不利益を被った事がきっかけである。今やこの「重要事項説明書」無しには何もできなくらい重要な書類である。

さて冒頭の重要事項を説明しなかったり、虚偽があれば、契約解除は当たり前(だと思う)で、建築士事務所には1ヶ月から3ヶ月の業務停止という罰則がある。今までなぜなかったかとお思われるだろうが、実は今もこの3から5は書面にて説明しなければならないという法律があった。今までは事務所開設者が説明しなければならなかったが、これが管理建築士に変わっただけ(←その程度)。大きい会社は、事務所開設者は会社の代表取締役がほとんど。管理建築士は別に社員がなる(設計部長など)ことが多い。

建て主にとってよい法律ができても守られる仕組みがなければただの絵に描いたもち。姉歯偽装の事件時点でもこの法律は存在していたのに、なぜ開設者が管理建築士に代わっただけでよくなるのかがどうも私の頭ではわからない。w(゚o゚)w

いまでも多くの建て主さんが、自分の家の工事監理者に会ったことがない事実をどう受け止めるのか?


暖房開始!!去年より4日早いぞ。

今日の寺泊の朝の気温は14度。とうとう我慢できずに暖房ON。ブログの記録によると去年は10月1日に暖房ONなので4日早い。そういえば去年も外気温 14度のときに暖房したということが書かれている。つまり来年も14度くらいで暖房ONとなるのだろう。リビングは暖房なしでも22度くらいあるのだが、 1階のトイレや玄関は20度前後。5日前まで冷房するくらい暑かったのにこの差が「20度」をより寒く感じさせるのだろう。冬の20度は温かく感じるのに人間の感覚は不思議である。

灯油の請求書がきた。なんとリッターあたり124円!w(゚o゚)w   ┐(´д`)┌
去年よりさらに上がりさらにびっくり!!拙宅ではお湯は石油給湯器で造る。これは18年前、石油給湯が一番安価であったため。寺泊のガスは都市ガスは来ていないのでプロパン。当時はプロパンが一番高かったが、今でだとプロパンのほうが安い。さて、給湯機もそろそろ寿命であると思うが、なににするか?もちろんエコキュートが一番ランニングコストは安価だろうが、・・・なにしろここは、海の真ん前。エアコンの室外機は7~8年もたない。さびて外箱が崩壊する地域。85万も設置費がかかるエコキュートで、7~8年(普通の地域は15年以上は大丈夫だろうが)だと、1か月1万が償却費となる。これでは・・・大変つらい。石油給湯器やガス給湯器は室内設置できるのでやはり15年以上は大丈夫。ガス給湯器は設置費用は20万あれば大丈夫。すると月1千円が償却費。その差は9千円。どんなに使っても平均9千円を給湯に使うことはないと思う。するとガス給湯器が良いかな?(^-^;

ここから先は9月30日に追記

灯油価格 124円/L・・・61W/円(1L・・・8900Kcalとして *効率0.75)

プロパンガス 550円/m3・・・37W/円(1m3・・・・24000Kcal として *効率0.75)

エネルギーあたり灯油が安い。さて石油給湯器の価格も20万弱。

ということはやはり現在も石油給湯器ですね。プロパンガスは競争市場ではなので高値安定傾向があります。


「断熱区画」のシュミレーションが今年の建築学会で発表された。

三井ホームの坂部氏と北海道立北方建築総合研究所のチームが「部分断熱区画導入による住宅公団熱か手法の基礎研究」という論文を今年の学会で発表した。内容は、シュミレーションではあるが内部発熱の多い生活部分と、生活時間が短い部分を分けると効果的に家電から内部発熱が使えるとなっており、まったく同感。そのときの暖房負荷はおおよそ3割少なくなる。懸念される非暖房室での結露についてはまだ結論はないらしい。このシミュレーションは、普通の生活パターン。もっと週末しか使わない部屋とかを区画する条件時シミュレーションは差がつくだろう。(詳しい内容はご本人かこちらにお問い合わせください)

当事務所では、数年前から住宅における断熱区画をご提案している。特に最近は当HPでもその提案を明確にしている。そもそも断熱区画は、拙宅で12年前に行われている。拙宅は、前にもこのブログで紹介しているとおり、資金がなかったため最初は24坪だった。それを8坪増築したため、この8坪と前からある24坪部分がそのまま断熱区画となった。使ってみるといい感じで、普段は24坪の空間でOK。8坪部分は温度を下げて暖房するか、OFF状態。予めお客様がいらっしゃるとわかっている時は、前日から20度から22度に温度を上げ使う。無駄な光熱費をカットできる。「何だ普通の家もそうしているよ」とおっしゃる方もいらっしゃるが、この方法はしっかりと断熱区画した家でないと、結露を引き起こしてしまうので・・・。もともと高気密高断熱住宅は、家中暖房が条件で造られている。部分居室暖房は、国のマニュアルにも想定されていない。(多くの実際の住宅では、部分居室暖房が一般的という矛盾がある)

ご存知のとおり、新潟県で郊外の家は、今でも二間続き(和室8帖と8帖がくっついているような客間。ハレのときに使い、普段は誰も使わない)の要望が多い。このときにこの断熱区画は非常に無駄がない。2年前の「黒の平屋60坪」では、暖房費が厳寒期で月1万ちょっと(24時間家中暖房)という実績結果がある。この家には三間続き部屋があるが、ここは普段暖房しない区画。だからこのコストで快適さが得られる。

図は2008年建築学会梗概集「部分断熱区画導入による住宅公団熱か手法の基礎研究」坂部芳平氏ら から抜粋


太陽光発電パネル設置とペイ期間について。

ここ数年、大手ハウスメーカーの営業攻勢によって太陽光発電パネルの認知度が大変高まったが、「光熱費ゼロ」などと大々的に広告するので大きな誤解も生まれた。光熱費がゼロとなるのは、25年以上経ってから。25年間は、光熱費をまとめて新築時に払っていると考えたほうが正しい。それは・・・

太陽光発電パネルの設置費は1kwあたり70万位。標準的な3kw設置だとおおよそ210万円の設置費用となる。これを回収出来るのは、25年から30年となる。それは・・・

新潟県での太陽光パネル3kwの発電された電力を現在の買取金額にすると年約7万分。単純に設置した費用210万を7万で割ると=30年。そこに、現在の補助金で一番高額なNEDOのシステムと組み合わせたときのもらえる額は、実質70万。すると210万-70万=140万が実際の設置費用。だから 140万/7万=20年。しかし運よく太陽光発電パネルが壊れなくても、インバーター変換機の寿命は10年だから2回は交換すると20万かかる。また、発電効率は表面のガラスの汚れで著しく落ちるので90%の発電効率とすると、(140万+20万)/(7×0.9)=25.3年となる。

したがって、実際は25.3年経ってから初めて利益を生むので、25年から光熱費が7万で済む住宅であれば光熱費ゼロとなる。しかもこれは補助金を70万もらったとき。もらわなければさらに10年間かかり、35年目で初めて元が取れる。だから太陽光パネルの設置の動機は、「化石燃料の負荷低減のためあえて高価な機器の導入した」という高い意識感である。あとは25年間太陽光パネルが壊れずにしっかりと働いてくれるように神様にお祈りすることが重要。

緑の家でも太陽光発電はお勧めしたいが、決して最優先ではない。というのは、上の理由のとおりである。こういう置き型設備は後工事でも問題ない。最先端技術はあるとき急激に価格下がることがある。その時に設置してもまったく問題ないが、家の構造はそうは行かない。しっかりと今、断熱気密の高い家を造っておかないと、後では非常に工事が厄介になる。だからお勧めする優先順位は最優先ではない(気持ちは最優先にしたい・・・)。

ちなみに太陽光発電のことについては、実際設置され、かつ科学的経済的にも分析しているこのサイトがとてもわかりやすい。そこには、日本の今の太陽光発電パネル設置政策は、「国民よ、損を承知で投資せよ!とか「おだてて屋根に上らせ、そのあと梯子をはずす」と皮肉っている。これは現在の太陽光発電によって作られた電力の買い取り価格は、数年前成立した現在の法律のままだと将来半額以下(24円/kw→11円/kw)になる。すると回収年月がさらに倍になり50年間は回収無理ということも考えれる。

現在、設置を計画している建て主さんもいらっしゃる。是非(電力会社保護のような)法律の改正を望む(ドイツのように倍くらいで電力を買い取るような改正を!!そうなると相当設置を考える人が増えるはず)。


なちゅらる らいふ ふぇすてぃばる in 寺泊 その3

昨日無事になちゅらる らいふ ふぇすてぃばる in 寺泊を終了しました。お越しいただきました皆様には感謝しております。(私は直接の関係者ではありませんが)特に二日目は雨の為、会場が港公園から長岡寺泊青少年センターに変更になり、足もとの悪い中にわざわざ訪ねて頂いたお気持ちには、熱いものを感じます。
初日の公園のショットを何点かアップします。本当は、もっと素敵なショップやブースが沢山あったのですが、写真のブログアップ許可を得ていないので差し障りのないもののみアップします。当日の港公園の会場は、まさしくゆるりと時間が流れていくそんな感じです。ブラッッドカルチャーの民族太鼓が深く丹田に 
響く中、子供たちの笑い声や、親御さんの細めた眼が、海風に乗って揺らめいておりました。19時30分からのファイアーポイは、その始まりまでゆっくりとしかし確実に太鼓がだんだん大きく腹に心に期待感を与え、最高潮にまでもっていく時間が30分くらいある事は、普段感じられないゆっくりとしたそして興奮するとっても素晴らしいひと時でした。

ありがとう!!!  合掌


なちゅらる らいふ ふぇすてぃばる in 寺泊 その2

今日は「なちゅらる らいふ ふぇすてぃばる in 寺泊」の日です。晴れて海も煌めいて、遠くでブイが波にゆられるたびきらっと光り
ます。そんな中、出店業者も26店舗となり少し規模が膨らんだようです。是非お遊びにきて頂ければ、ゆっくりとした時間を提供できると思います。この写真は今朝の海です。http://naturallifefestival.blog.drecom.jp/


家の地盤改良の説明(メリット、デメリット)は受けましたか?

この写真は、現在の当事務所の前の風景である。大きな重機が入ってこれからビルの杭を打つのではないかと思う風景。しかしこれはれっきとした解体風景なのだ。既に建物本体は綺麗に片付いている。しかし何でこんなに大きい重機があるのかというと・・・

そう、地中にある杭を抜き取る作業をしているのである。直径600φ位のコンクリートの杭が地中8mくらい迄埋まっているので、それを引き抜く作業をしている。これは2階建ての事務所の解体風景である。しかし最近は住宅でも地盤改良が増え下の写真のようなコンクリート杭が埋められる「柱状改良」が多く施工される。柱状改良は軟弱地盤には優れた改良方法であるが、撤去時に結構大掛かりな機器が必要。なぜ撤去が必要かというと、不動産の取引の法律が数年前に改定され、地中内に工作物(杭など)があってそれを告知せずに売買した場合、売主が撤去費用を負担することになったから。だからこの現場では、撤去してから売買しようとしている。

そこで家造りで重要なことは、仮に柱状改良が必要だったとき、他にも改良の選択肢はあることや、撤去時の費用がかかることを、説明を受けたかが大事。柱状改良は他の改良方法(砂利で柱状形成する方法や、軽量材で土に置き換えて改良する方法が撤去時コストがかからない)よりイニシャルコストがかからないので、建設業者はこれを進めることが多い。納得して施工すれば後悔はないと思うが、説明がないままということはあまりよくないから。

写真は地中から引き出されたコンクリートの杭。引き上げたら砕いてダンプで処理工場へ。


WindowsのVISTAにしました。その2 と米問題など

私のPCはWin_Vistaになったことは先回お伝えした。その後運用していると様々な不具合、不都合がおき、やはりVistaはだめか?という感じになっている。せっかく4Gの高価メモリーも買ったのにいまさら6年も前のXPにしなければならないか?

そこで数年前から話題になっているバーチャルソフトでVista上で使い慣れたWin2000を動かすことにしてみる。Vistaで動かないものをWin2000上で動かせば、とりあえず2台のパソコンを起動しなくてもよいだろう。少しの間このバーチャルで試してみよう。

・ もういやというほど多くの報道がされている、「事故米偽装」。ずいぶん前から、一般に販売されている「当年度コシヒカリ100%商品でも、ほとんど古米が混じっている。」といううわさが多く聞かれる。DNA検査や厳密に検査しないといつ収穫米かはわからないそうだ。だから横行している米偽装。その行き着いたところが今回の事故米偽装となったのではないか?いったい日本人はどうなってしまったのか?昔はまじめで几帳面さが世界の人から絶賛されたことのある民族性。そうでなくとも約束を守ることが法治国家の基本であるはず。一人のヒトだけが関わった「うそ」と違い多くのヒトが、うそとわかって販売した形跡がある。何かがおかしい。昨日事務所に折込チラシが入っていた。中堅建設会社のチラシだが、ロフトが標準でつくらしい。ロフトが直下の床面積の1/8以上であると、耐震壁の割り増しが法律で決めrられている。本当に守っていいるのだろうか?このような安全性に関わる重要な瑕疵であると、10年を超えて損害を請求できる可能性がある。数年後また建築業界に「偽装」という激震報道がON_AIRされなければいいが・・・。


拙宅のダイニングにて

今日は敬老の日。朝の空気はひんやりして秋を感じる(でも窓は全閉で24h_AC状態)。拙宅の小さな屋上菜園は、今ジャングル状態。イモやカボチャ、豆などが先を争うように伸びようとしている。

2階のダイニングテーブルに座ってお茶を頂きながら、ふとみるとすぐ真近くに、この豊かな実り。屋上菜園の不思議さ。リスクとは背中あわせだけれど、お勧めしたいそんな空間。


なちゅらる らいふ ふぇすてぃばる in 寺泊

寺泊みなと公園で「なちゅなるらいふ ふぇすてぃばる in 寺泊」が9月20日、21日に行われます。今日のラジオ(BSN)でも朝8時45分頃10分間くらい説明しておりました。とても楽しみで私も行こうかなと思っております。詳しくはhttp://naturallifefestival.blog.drecom.jp/です。

今回の催しには私の妻も「小さな星の会」で出店します。主に「手仕事でゆっくりらっくりとした時を大人も子供もすごす」事を体験していただけたらな~。とのことと聞いております。

会場の寺泊みなと公園は私のホームグランドで自転車でよく行きます。海風があり夏でも涼しく、また海岸近くなのにしっかりと緑があるのが◎です。目の前には大きな海とどこまでも続くような砂浜。また隣には寺泊漁港があり、この付近でファミリー釣りができます。今の時分であれば「サヨリ」、「アジ」の子供が入れ食いになることもあります。また近くの新島崎川河口では「ハゼ」がよく釣れる場所です。時間があれば(なくとも)お越し下さい。


ようやくWindowsのVISTAにしました。

事務所にはWindows系8台のパソコンがあるが、内2台がXP、2000が5台、98(なんと古い)が1台。私のCAD用パソコンは2000であり、数年間もよく働いてくれている。しかし1カ月まえからフリーズをよく起こし始めた1日何度も立ち上げなおし、だましだまし使っていた。

もう一度OSからクリーンインストールすれば直る可能はある。けれど、トリプル画面のドライバーがうまく入らないと、ブルーバックや、真っ黒な画面となる。(2000ではまだマルチディスプレイが安定していない)4、5年前なら何とかセットアップしたが、その気力はもうない。そこで新しくPCの新調となる。通常はメーカー製パソコンを購入したほうが、安く、安定し、サポートもある。しかし私はどうしても自分用にカスタマイズしたい(一応デザイナーですから・・・)ので久しぶりに新しいパソコンをセットアップした。

CPUは数年前はAMD系が性能が優れていたのでAthionだった。今回は消費電力が少なく性能の高いINTELにした。最近の流行はQuad(4個のコアで構成されるCPU)だけれども、私のCADソフトはシングルコアのCPUでしか使ってくれないので、Duo(デュアルコアのCPU)で周波数の高いもの(3.2GHzをチョイス・・・ってどんな周波数?)をチョイスした。 ビデオカードはチップセット内蔵は使用せず、PCI-Eカードを2枚新たに購入し使いトリプルディスプレイとした。そのディスプレイは、数年前から使っているナナオの17インチIPSの液晶。やはり古くてもナナオの発色、見え方に慣れているため。ナナオは高くてもよいディスプレイと改めて感じる。

さて、肝心のOSだが、これは互換性においてXP-Proが評判よいのだが、まあ新しい物好きなので、やはりVISTAの64ビット版とした。なんといってもエアロや4G以上のメモリー(同時にCADや、フォトショップ、IEなどを使うとすぐに2G使用する。ここにエアロを使うとあっという間意32ビット上限の3.5GMAX状態)を乗せたかったので、だめもとで購入した。皆様ご指摘のとおり、半分くらいのソフトは×。またプリンターも半分くらいはドライバーがVISTAや64ビットに対応しておらずだめ。・・・残念。まあしかしCADは何とか動くみたい(サポートはない)だし、構造ソフト、メイル、IEや画像ソフトは動くのでよしとしよう。動かないソフトは「アクロバット」、「B’sレコーダー8」、「TV視聴ソフト」、と後はユーティリティーソフト全部(引越しソフトや、バックアップソフト)。ユーティリティーソフトは痛い。

HPの大型A1プリンターはVISTA未対応で動かない。(HPさん何とかしてよ。25万もするプリンターはそうそう買い替えできないよ)が、A2プリンターは64ビットのドライバーをサポートしているので(エプソンさん偉い)何とか業務に支障は出ないだろう。・・・と思う。しかし事務所の本命はこれからもVISTAではなく互換性が高いXPでしょうな。


IHコンロとガスコンロ。どっちが水蒸気が多くでるの?答えは大体同じくらい。

赤字は2008年11月8日に加筆、訂正

最近は、2軒に1軒の割合でIHコンロを計画する。ご存知のとおり、IHコンロは、電気を熱にしてなべを温めるのではなく、電磁波としてなべ本体の金属原子を振るわせ温める(なべ型電子レンジと思えばよい)。だから炎はないし、コンロ自体に熱は発生しない。一方昔からなじみのあるガスコンロは、ガスを燃焼し炎としてなべに熱を与える。無論ガスが燃焼すると水蒸気と二酸化炭素とその他微量のガスが発生する。IHは電磁波なので何も発生しない。だからガスコンロで調理するとIHで調理した時と比べ、水蒸気の発生が多くなるとずーと思い込んできた。

ところが今日、日本空気調和衛生工学会の2008年NO.138の技術論文(第三者によって審査された論文)には、IH料理の方がガス料理で行った時よりトータルで水蒸気が多いという結果があった。両方とも同じ料理で・・・。つまりガス料理は、ガス自体の燃焼による水蒸気発生があっても、料理からは水蒸気の発生が少なくなって、トータルでもIHの方が料理作業における水蒸気発生量が多くなるらしい(代表料理3種)。一日のメニュウであってもほぼ同じくらいか少なくなる(グリル構造が違うが・・・)。

凄い結果!!。

当事務所では、好んでIHコンロをお奨めした事は今までない。しかしIHコンロのメリットは?と聞かれた時には、1.掃除が楽 2.空気を汚さない 3.安全性がガスより少し高い と答えてきた。その2.空気を汚さないということが半分当てはまらなくなった。空気を汚さないという事は、燃焼がないので酸素を使わないということと、水蒸気と二酸化炭素を出さないということで説明してきた。水蒸気は料理からたくさん出るのですね。なぜガスで料理した時よりかなりたくさん出るという事は、書かれてなかった(と思う)。

この論文発表者は、ガス会社勤務の方であるので、もしかしたらガスが有利な条件が入っているのかもとも考えたが、査読された論文なので(査読はされいない論文でした)そう大きな偏る条件はないと思う。恩師の先生に伺って見ると、「ガスが有利という条件はないと考えるが、論文に記述でははっきりとしていない部分が多すぎる」とのこと。

また、グラフには一次エネルギー消費というグラフもある。一次エネルギーとは、元になったエネルギーのこと。ガスであれば、直接化石採掘エネルギーなのでこのまま。電気は、火力発電所や原発から作られるので、そこに投入されたエネルギーで換算。例えば火力発電なら、重油を燃焼させ電気を作る効率が0.45。送電ロスが0.05で合わせて0.4という効率で換算しなければならない。一次エネルギーの比較でも、ガスが少なく効率が良い。こちらは少し前から業界では良く知られた話である。

昨日の常識は今日の非常識という言葉がちらついた。研究者は面白いでしょうね。下の表と図は上の論文から出展。実はこの図3がガスの燃焼時の水蒸気が入っているかどうかが明記されていない。このため図3は鵜呑みにできない。


自然素材と住宅、そして新潟での性能(設計 評価)

オーブルデザインでは、自然素材(天然素材)と性能の高い住宅を11年前からお奨めしていた。特に性能の内容は、安全性の要「耐震性」と快適性の要「高断熱高気密の性能」、長持ち住宅を示す「耐久性=劣化対策と維持管理対策」の3つが最重要である。

耐震性は、住宅性能表示で定める「等級2」が「緑の家」の最低基準としている。巷の他メーカー住宅は、以前のブログでお伝えしたとおりほとんど等級2を取ることは難しい基礎形態。「この建物は地震に強い」と口ではなんとも言えるのだろうけれど、この住宅性能評価ではごまかしは聞かない。そんな重要な住宅性能評価であるが、その新潟県での審査機関の最大手(県内ではほとんどの木造軸組み住宅がここに申請する)の窓口担当者は、なんとこの制度が始まってから数件しか申請がないと言っていた。※当事務所はたて続けに2棟申請し、当然のことながら構造の変更無しに「等級2」の評価頂いた。ちなみに等級2とは、「数百年に一度、極めて稀に発生する地震力の1.25倍によって、倒壊、崩壊しない程度」であるから、中越地震より大きい地震(震度7)が来ても倒壊しないことを指す。

快適性の指標となる高気密高断熱も、Q値2.0W/Km2と最高基準の「等級4」の更に25%も良い性能のお墨付きを頂いた。まあこれは当たり前。

耐久性は「劣化防止対策」と「維持管理対策」に分けられるが、いずれも「緑の家」の標準仕様で最高等級の「等級3」の評価を頂いた。この等級3は、3世代(90年)までは簡単な通常メンテナンスで維持可能という評価である。また、寿命が50年以下である建物配管類が、簡単に維持管理できるという評価。例えば配管類が床下で全て露出し、基礎内(下)に埋め込まれないなど。

ここで重要な事は、性能評価に申請した家が、いつもの「緑の家」であって特別な仕様ではないこと。←ここがポイント

最近は自然素材が流行しており、ネコも杓子も天然素材や自然素材を提案している。無論「緑の家」も多くの天然素材で造られるが、かといって他の性能が間引かれているわけではない。何事も先ずはバランス重視で、仮に家造りの重要性の順番をつけるなら、「耐震性」→「耐久性」→「快適性(高気密高断熱と天然素材)とコスト」の順番だろうと思う。やはりどんな建物でも安全性が一番重要。

※・・・耐震等級2で許容応力度による審査申請。

私の解釈であるが、設計の性能評価を受けると、仮に地震に強いと宣伝していたのに、耐震性の評価が「評価1」であると大変な問題となるのがわかっているため。また建て主さん側も、この工務店の社長さんが「地震に強い」と言っているのだから間違いないだろうと、良い方向に考えてしまうため。オーブルデザインでは年間10棟程度。しかし中規模以上の工務店さんは数多くの建物を建てるだろう。その中で年間にひとつ位は、性能評価を受けてもよさそうな気がする。


自立循環型住宅の講習にて その2

その1の続きのその2。その1では自立循環型住宅の講習で有意義だった内容をお伝えしたが、その2では少々?と思ったことを述べたいと思う。

それは通風。通風とは換気と区別し、涼を得るために積極的に外風を取り入れること。この自立循環型住宅のテキストでは、通風は結構エネルギー削減に寄与している。でもこれは疑わしい。昔みたいに、家の周りが舗装されていなくて、網戸もなく、ましてやエアコンの室外機がほとんど設置されていない頃であれば通風は効果がある。私も幼少の頃は建て混んだ市街地で育ち、その頃の1階は、北西の窓から涼風が入ってきた記憶はある。一方学生時代関東に住んでいた頃は、1階の窓を開けても涼風はなく、熱風が吹き込むだけ。またうるさいし治安は悪い。今の新潟県でも市街地はこの関東と同じような状況になりつつある。だから通風はなかなか難しい。だからといって通風を否定しているのではなく、ただ一般的な住宅地では使いにくいと思われる。

この写真はマニュアルの抜粋写真である。図のとおり夜間、就寝時にあける窓で上下に分かれている構造であれば、昼間はとても圧迫感のある窓ではないだろうか?ちょっと現実的ではない感じ。講習会の説明では、室内のランマの大きさで通風が決まると説明していたから、南北側(風方向)の窓は欄間付であればよいのだろう。私の恩師である環境の先生は、いつも「エアコンで涼を取るのは普通の人。裕福な人は、庭が広いし隣も見えない敷地なので、涼しい風で通風は充分取れる。これが一番贅沢。」と言っていた。そのとおりアスファルトや隣の家のトイレの窓が見えるところで、通風というわけにはなかなか出来ない。ちなみに夜間、通風で涼が取れる換気回数は10回/時以上ということらしい。

まあしかし、通風は少し考えるとうまくいく。先ずはその地域の風の方向。そして開放的な内部プランとし2面開放すれば、大体入ってくる。昨日メンテナンスに伺ったM邸は、非常に通風が良好であるとおっしゃっていた。2階リビングで窓が大きい「緑の家」だから可能なこと。

M邸のLDK。開放的なプランと窓が4面にあるため、その時の風向き状況に応じて各方向の窓の開閉ができる。


自立循環型住宅の講習にて その1

昨日、自立循環型住宅の講習へ行ってきた。自立循環型住宅とは、国土交通省がCO2の少ない省エネルギー住宅の推進(50%削減)をめざし、策定したガイドライン。法的に拘束力も強制力もなく、「こうすれば、エネルギーの少なくなる住宅になるよ」というマニュアル兼評価ツール。講師は無論南雄三氏。(持論が所々にちりばめられ、力が入るところが面白い)

そのテキスト中で、参考になる資料があったので取り上げる。まずその①は、数年前に「ふく射熱を遮れば、断熱材はいらない」とか、「ふく射熱を遮れば断熱材より効果がある」と言った間違いの認識で薦める会社や組織があったけれど、その中でも触れられていた遮熱塗料の実態について、「国」の造ったこの自立循環型住宅のマニュアルに図が載っていたので、ご覧頂きたい。遮熱塗料と言って販売される塗料の熱反射は、普通の白塗料とほとんど変わりないことがわかる。遮熱塗料を塗らなくても「白」を塗れば遮熱効果は充分と言う事。但し黒色は著しく遮熱塗料が熱を反射する。もしやむ得ない事情で「黒系」の色を選ばなければならない時に初めて遮熱塗料を検討すればよい。まあしかし、黒は暑くなる事は小学校でも習う。だから暑くなってもよいところにしか「黒」を使うことがないのでよほどがない限り大丈夫。

ちなみに、「緑の家」では黒の外壁をお選びになる人が多い。これらの家は暑くなるのではとご心配される方が多いが、実はほとんど問題ない。通気層も断熱材もしっかりしているので、内部まで暑さが伝わらない。(外壁を手で触ると大変に暑いが・・・。)

最近は、ガルバニュームの黒色系だけに遮熱塗料を使った物が販売された。なかなかメーカーも進化していますね。

左の写真は、日鉄住金鋼板のガルバニュームサンプル。


久しぶりにコラム更新

半年振りにコラム(住宅最新ニュース)を更新した。話題は、先回の住宅完成見学会にお越し頂いた方からのご質問で、「集成材は問題あるのでは・・・?無垢材の構造がいいよ!」というご質問と意見を頂いたので、それに返答する形となっている。

何度かお伝えしているが、法律的根拠もないのに、建て主に「危険ですよ。あぶないですよ。」ということは、度が過ぎると「脅迫商法」となる。以前、このブログ内でも「無添加=安全か?」とか「何もかもが昔のままが良いのではない!」とかで、根拠の薄い、脅迫商法まがいの事を、中堅ハウスビルダーがチラシに載せたり、大きな声で営業したりする事が問題とコメントしてきた。最近は大手ハウスメーカーの営業手法として「大手ですので倒産しない=安心な家。一方小さい会社は倒産するかもしれない=不安な家」と営業するようだが、「倒産しない=良い家ができる」とは限らない。注文による家造りは人の人生と同じく、「出会い=縁」であり、人と人である。会社や組織ではない。  ・・・と思うが、如何か?

重要追伸  ブログの更新が楽で、掲示板の更新を3ヶ月しなかったら、サーバーのNFTYの規定により完全削除されてしまった。掲示板には過去9年の大切な足跡的内容(ジャンク投稿以外削除記事がないことが自慢)があるので、HP上で過去ログとして復活させたい。楽しみしていた方(もういらっしゃらないか・・・)にはご迷惑をおかけします。


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