2014年度 エアコンのお勧め ①

2018年に加筆修正 緑字

量販電気店で集めたパンフ

高断熱高気密で使う家庭用エアコンのお勧めを数年ぶりにご案内します。
但し、実機を使っての体験、実測談ではなくカタログやメーカーに聞いての評価なのでその点はご容赦ください。また2014年度のカタログ、仕様からの内容ですので2014年度にしました。

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梅雨時の空調・・・除湿の奥深さ

この3日間で読者さんから

「東芝のエアコンで湿度管理がうまくいかない」

とのコメントを頂いております。
確かに梅雨時の空調は、

顕熱負荷が大変少ないのに潜熱負荷が大きい・・・

という特殊な状況になりますから、普通のエアコン使用方法では湿度が下がりにくくなるでしょう。
ですので少し整理してみます。ただし、現在通常業務がとんでもないくらい山積みされていますので簡単に端折りますこと・・・お許しを。

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容量可変型コンプレッサー搭載エアコンとは?

緑字追記 2014/10/17
タイトル修正、リンク追加 2014/10/29

建研のHPから入って省エネ性を計算するプログラムソフト「省エネルギー基準(平成25年1月公布)及び低炭素建築物の認定基準(平成24年12月公布)の告示に沿った計算方法」・・・所謂
「住宅・住戸の省エネルギー性能の判定プログラム」がこの10月10日からバージョン1.13になりました。そのソフトで見た「容量可変型コンプレッサー搭載エアコン」とは一体なんぞや??

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「て・こあ」でのある一日 ㉜ 空調と土壁の家

まるっきり自然素材の家である築100年の「て・こあ」。土壁とわら床のタタミ、そして無塗装の木の3つで構成される家。通風が最大限とれる間取りであるが、昨年のカビには全く役立たず。

去年の梅雨から夏にかけて大きな害をもたらした「カビ」・・・。

今年の「て・こあ」は、そのカビから大事な布(絹)や本を守る為に、占いの間に空調設備(エアコン)を設置しました。

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自動お掃除付エアコンのお手入れ

2014.02.13.06.45緑字加筆

これは・・・

最近のエアコンで上位機種にはフィルターの掃除を自動で行ってくれる機能があります。メーカーのカタログには「10年分の埃を溜めるタンク付」とか、「強制排気で屋外に放出」とあり、まあ10年近くは掃除しなくても大丈夫なのかなと読めます。しかし当事務所や「緑の家」などのように24時間使いつつ一年の2/3を使用していると・・・

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エアコンの工場見学 二日目

おはようございます。今朝は静岡市のビジネスホテルから書いております。

今日はエアコン工場見学の二日目の朝です。というか昨日は移動だけだったので、今日が本番です。

まず最初に昨日の夕食はうまかったですね。エアコン会社さんの主催で開かれた夕食会で、静岡らしく「鮪」の刺身から始まり、甲煮、最後は赤身漬乗せご飯で締め、デザートはこちらもご当地抹茶の掛かったスイーツでした。思わずエアコンはこのメーカーに数年間決定と言いそうでした。今日も午後から随時アップします。午前中は工場内で多分アップできないでしょうから。

・・・iphoneのツイッターでアップしようかな・・・。でも最近ではツイッターは馬鹿発見器とまでいわれているので、私はブログで発見されてしまっているからこれ以上・・・(笑)手を出せずにおります。

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家庭用エアコン論文2013年 その①

今日の内容はマニアックなので興味のない人はスルーしてください。 o(_ _)o

最新版の査読論文※(建築環境系)が手元に届きました。本号は最新情報のてんこ盛りです。

※・・・査読論文とは何回かご紹介しているとおり、非公開の複数の専門家識者によって査読され、内容に間違いがないと思われた事が確認された論文集で、一般の論文とは信頼性が全く違う論文の事です。

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2013年前半のお勧めエアコン

2016年加筆 ダイキンさんのエアコンは室内温湿度センサーが不思議な場所にあり床下用エアコンとしても壁掛でもお勧めし出来ません。この記事に関してはNGで本当に申し訳ありませんでした。

今年はダイキンが良い

今年は大きな変化があります。
先に松尾さん良い情報をありがとうございます。

過去5年くらいパナソニックのエアコンがお勧めの主力だったのですが、今年からダイキンのエアコンが主力(床下用)になりそうです。

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連休中の自宅で換気扇交換

パナソニック製換気扇。20年間連続運転に耐えた流石の「メイドインジャパン」。

20年間殆ど休まず動き続けた自宅のお風呂に設置した計画換気扇(パイプファン)・・・。そろそろ時々動かなかったりしてきましたので取り替えです。

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新潟の家 都市にはエアコンが高効率で運転できる家を!その4

前回の「その3」では

温熱の快適さで人に影響を与える6要素
1.空気の温度(乾球温度)
2.輻射熱
3.空気の湿度(湿気)
4.気流量(風)
5.着衣料(衣服)
6.代謝状態(運動状態)

の内3以外は説明しました。

今日は3.空気の湿度(湿気)を説明します。

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新潟の住まい 自然素材の家とエアコンマニアから 2010年夏モデル②

2010.05.24緑字加筆

集めました。この夏のエアコンカタログ。

さて発表です。2010年のお勧めエアコンは・・・

第一位
パナソニック CS-X220C

第二位
日立 RAS-S22Y、三菱 MSZ-ZW220

第三位
パナソニック CS-HX220C

です。

なんとパナソニックが2機種もランクインです。
理由は下の表をご覧ください。

クリックで拡大します。

まず6帖用機種で選定してます。これは現在の高気密高断熱住宅であれば、6帖用の2.5KWの出力があれば30帖くらいまで暖房できます(実用範囲は24帖程度が効率が良いと思います)。
時々チラシに「エアコン一台で暖房可」と自慢げに謳っている住宅会社がありますが、一台で暖房すると負荷が多くかかりCOPが相当悪くなり同じ暖房でも電気代があがります。表の低温COPを見て頂くと定格の半分になる事がよくわかります。更に温度ムラなどできます。可能な事と奨める物は違います。低温COPとは外気が2度の時のそのエアコンが最大出力(約4Kw前後)時のCOP。低温でも定格以下で50%くらいまでの出力ではCOPはこんなに下がらない。だから真冬時で外気2度の時はエアコンを数台で運転して一台当たりがより低い出力で分散運転するとCOP(効率)が上がる。これがオーブルが「数台で運転してね」という理由。

6帖用でも一機種調べる事でそのシリーズ効率特性がよくわかるので、この大きさのエアコンを調べました。
シリーズとは・・・イチメーカーで通常複数のシリーズを価格別に販売してます。一番価格高いシリーズはフル装備でかつ効率(COP、APF)もトップです。

まず全体の省エネトップは寸法フリーのパナソニックCS-HX220Cです。APF及び暖房COPでも最高です。但し価格も他の機種の1.5倍もするので第3位としました。でもあくまでも省エネトップに拘るならこちらです。

すると第一位は寸法規定のパナソニック CS-X220Cです。APFこそ2位ですが暖房時COPが6.4と検討しております。APFが寸法規定の第一位の三菱 MSZ-ZW220は新潟県ではとても重要な暖房時COPが5.5と極端に悪く、何か相当APFだけをあげるためにセッティングしてあるようです。従って第二位です。但し関東のような温暖地では第一位になってもよいでしょう。
三菱のMSZ-ZW220と同じく第二位は日立 RAS-S22Yです。暖房時COPやAPFもトップクラスで安定感があります。
第三位は先ほどのパナソニックの寸法フリーで省エネトップのCS-HX220Cです。あまりにも価格が高いので三位です。

一昔前省エネトップ常連だったの東芝さんの大清快は、その暖房時COPの高い事設計思想(デュアルコンプ)や付加価値(見える表示)で昨年度ランクインしていたのですが、今年はあまり代わり映えしない事と、最小出力時のCOPが極端に低いのでランク外となりました。残念です。

ちなみにこれは当事務所のエアコンマニアの浅間が勝手に順位をつけています。よって新潟県の気候で高気密高断熱住宅で使用される事が前提です。

さらに補足説明すると、各社エアコンの暖める&冷やす以外の機能(付加機能)を色々アピールしていますが、エアコンはまずその基本性能が肝心ですので、基本性能でランクづけしました。付加機能部分は趣味程度でお選びください。

あと超高気密C値0.3以下を目指すなら、この表の掃除方法が◎の所を選ぶ必要があります。○では外壁に直径2.5cm程度の穴が開いているのと同じ状態です。ドレンは最悪トラップで気密維持できますが、掃除用排気管は気密維持不可能です。そう考えると日立のRAS-S22Yは超気密の場合は第一位ですね。この部分がエアコンマニア的考えです。


自称エアコンマニア エアコンの機能の進化は正しいか?

エアコンは、今や快適な生活を送る上での必需品です。夏は湿度をとり温度を下げ、冬は温度を上げ暖かくします。エアコンが世の中に出てきたのは1952年。この頃は冷房しかできないためクーラーと呼ばれていました。だからエアコンをクーラーと呼ぶ人は45才以上です

13年以上故障なしで事務所で稼働中のRAS-255SD東芝(8帖用)稼働率は年間50%くらいになる。

1961年に暖房機能が追加され、またヒートポンプ式エアコンも同時に発売され、エアコンという名称になりました。更に1970年から壁掛け式の現在あるエアコンになりました(余談ですが、車のエアコンはクーラーですね。ほとんどの車種が暖房はエンジン余熱によるものです。電気自動車はこのエンジン余熱がないので、エアコンをONすると暖房もエアコンですので極端に航続距離が下がります)
ここから既に約半世紀が経ち、当時のエアコンの性能はCOPで2くらいでしょうか?そこから現在は6.7くらいまで3倍以上も性能が上がりました。
私がエアコンを新潟県の暖房器具として使い始めたのは、17年くらい前の以前の職場です。ちょうど高気密高断熱住宅の新しい仕様がほぼ完成し、IBECの気密住宅の評価申請を終えたころです。当時標準で取り付けていたFF式の石油暖房器具(出力6KW)で、40坪位の家が丸ごと暖房できるのがわかってました。そんな中、冷房器具としてのエアコンを考えて調べていたとき、東芝のRAS-255SDという機種が暖房COP4.6を既に出しており衝撃を受けました。
私の学生時代に友人の卒研発表で「理想COP10以上」だったようなヒートポンプに関する発表があり今でも記憶に残っているくらいヒートポンプについては興味がありました。
そんな学生のころ、エネルギー保存の法則で、『ある閉じたの中のエネルギーの総量は変化しない』と習ってましたから、ヒートポンプを1のエネルギーで10のエネルギーを得ると解釈した私は、凄い機械があるものだと勝手に思ってました。実は閉じた系でなないことがわかったのが相当後になってからです。
熱をある系から系へ移動している機械がヒートポンプエアコンですね。生み出しているわけではありませんし(ここがエコの所以なのです)、環境規模から見ればエネルギー保存の法則のとおりです。お馬鹿でした。ただ、低い温度から高い熱をくみ上げることについては、理屈はわかっていても今でも驚きです。

ということで、COPが4.6ということがわかって、当時東芝さんからいろいろ資料をもらいました。気温別COPや、出力別COP(インバーターだったので)などのグラフももらい、新潟でも充分暖房機として使えることがわかり早速各地域の住宅に取り付けました。
思っていたとおり充分暖房可能でまったく問題ありませんでした。だた当時は灯油が安価でランニングコストが灯油を使うより少し高いことだけでした。

当時のエアコン暖房の利点は、いくつかありましたが、その中でもサーキュレーターの役目も兼用できたことが非常に大きい利点です。この利点が今のエアコンにはなくなってしまいました。これは、最近のエアコンが出力応じて勝手に風量を下げ、コンプレッサーが動いてないときは、室内送風機の風量が限りなく0になるからです。すると高気密高断熱住宅では、数台で少ない出力で運転している時があり、その時サーキュレーター代わりとして使えなくなるのです。こればかりか最近は、機械が人を見つけそこに向かって暖かい風を吹き付ける機種まであり、正しい機能の進化とはいえない気がします。エアコン暖房が嫌いな人は、あのなま温かい風が吹き付けられるのが嫌いという人多いはずです。そのためわざわざ当事務所のエアコン暖房マニュアル(こんなもの渡しているのは当事務所だけかな?)には、
「エアコンの風は、人に向けないように設定してください。」と書かれています。また、説明に当たっては、「エアコン風は窓下に向けると快適性がまします。」と言います。

窓周りの断熱性が壁より大幅に低いので、やはりコールドドラフトは発生し不快になりますが、このようにエアコンを使うと、不快感が軽減されることを経験上わかっていましたので、サーキュレーターとしての機能も期待してました。それが今の機種では不可能になりました。残念です。下の写真の機種は最近の製品ですが、これもサーキュレーター機器となりません。その点上の写真の13年前の255SDはサーキュレーターとなり事務所のような低断熱建物では大変重宝します。今後メーカーには、風量を人が調整できるようにして頂きたいと願っております。
2007年に事務所に追加した設置フリータイプの三洋製エアコン約COP6.4(10帖用)年間稼働率60%以上と大忙し。

デザインも重視する設計事務所なのにビルトインのエアコンにまったく興味がないのは、ただたんにビルトインエアコンや天井カセットエアコンはCOPが低いからです。私が最初に入社した設計事務所では、ビルトインエアコンを多用してましたが、ショートサーキットによく悩まされました。今後も暖房は床下エアコン暖房で、冷房は目立たないところに1台設置だけですから、住宅でビルトインの必要性は今後もないでしょう。


新潟の家 エアコンマニアのエアコンの選び方と実情 2009秋

朝日新聞社のネットに
「エコポイント」対象でもある省エネ型の家庭用エアコンについて、経済産業省が省エネ性能の調査に乗り出す。」
と昨日掲載されました。
http://www.asahi.com/business/update/1019/TKY200910190158.html

簡単には、エコポイントがつく省エネエアコンなのに省エネにならない事例があり、これではエコポイントを付けるの意味がない。とのことです。

過去のブログや拙者が3年前に書いた論文ではエアコンは、取り付けるシェルター性能に見合った機種を設置しないと効率が落ち、COP、APFや部屋の大きさで選定するだけでは必ずしも省エネ効果がよいといえない。」と結論をまとめています。ようやく市場でも問題が提起されたようです。エアコンマニアとしてはうれしい報道です。

そもそもユーザーがエアコンを選ぶときは、まず設置する部屋の大きさを考えますよね。8帖なのか、12帖なのか?それから価格や性能、機能を選ぶとおもいます。このとき最初の選定条件である部屋の大きさ(断熱性能による負荷)が間違っていたら、正しい性能を発揮できませんよね。

この部屋の設定条件は1964年に冷房中心で取り決めからほとんど変わっていないのがそもそも問題です。当時の部屋の設定は南側の部屋の設定で断熱性はほとんどありません。そういう部屋で使ったときのCOPが一番よくなるように調整し販売されてます。しかし最近のマンションや高気密高断熱の一戸建てでは5倍程の断熱気密性能があり、小さな部屋機種でも充分冷えますし、北側向きの部屋でも同様です。

仮にJIS9612に規定された平均的な?部屋条件(暖房)でQ値を算出すると、
2600W/20度/10m2=13W/m2kとなります。
個別暖房ながら現在のⅣ地域次世代基準の5倍近い基準です。

しかしユーザーが購入する量販店で店員にエアコンを聞くと、まず間違いなく設置部屋に応じたエアコンを勧められます。いかに断熱性能がよくても店員さんは、カタログ上の冷房推奨設置面積を薦めます。なぜか?

1.大きい部屋機種ほど販売価格(儲けも)が高いため。

2.小さな機種を薦めて万一冷えなかった(暖まらなかった)場合、責任が販売店に来る。

3.ユーザーの使い方が不明のため安全率を高く見る。

4.冷房時の部屋面積で決めたほうが、クレームにならない

この4つの理由でいかに断熱性能や遮熱性能がよくても推奨機種を薦められます。つまり最近のマンション内にある12帖リビングのエアコンを購入しにいくと、店頭では冷房12帖(暖房16帖迄)のエアコンを勧められ設置することになります。しかし本来は断熱性能がよく、6帖用でも充分なのに12帖用のエアコンですから、12帖用の大きすぎる性能のため、エアコンのインバーター制御範囲を超えてON、OFF運転が始まります。するとエアコンのCOPが急に下がり、本来の省エネにはならない範囲で多く使うことになります。

また、付属機能が多くなりすぎていることも問題です。例えば「再加熱除湿」を使うと大幅にCOPが下がり省エネではなくなります。もともと除湿とは弱冷房のようなものですから、ある程度冷風が出ます。この冷風が気持ちよくないので、メーカーは本来外に排出する熱を再び室内に戻し使います。すると熱交換機の半分が使えなくなるので効率が下がます。もちろん潜熱も熱ですからそれを室内で排出する自体負荷を増やし、省エネルギーとはなりません。再加熱除湿はできるだけ使わないほうが省エネになりますが、カタログには記載されません。
また加湿できるエアコンも同じように本来の性能を削いでます。また加湿も少量で他の方法で加湿したほうが効率は高いと考えられます。

エアコン業界はカタログ推奨の大きさを自ら変えるつもりはなさそうです。というのは、

1.現時点の推奨面積のほうが機器が大きくなり、高く売れる。

2.現時点の推奨面積のほうが冷えにくいというクレームが少ない。

3.効率が下がっても付加価値で差別化をはかり販売アップにつなげたい。

ということです。1.の多く売れるということはメーカー業界にとって重要で、販売点側と利害が一致します。そこで国が実態調査に乗り出したということですね。省エネの補助金という御旗を翳せば、業界も協力しないわけには行きません。

もっとエアコンが進化してどのように使っても高効率を維持できるなら必要ありませんが、エアコンの効率が最大になるように、ひとつひとつ性能の違う家に設置するためには我々建築士がアドバイスしなければならないでしょう。また、エアコンの設置はいまや100%に近いわけですから、建築新築時にその条件で最も効率よく動くエアコンを設置しておけば問題は少なくなるでしょう。
いずれの場合でも、エアコンメーカーはもっとCOPに対する情報(部分負荷率ー外気温)を開示してほしいです。そうすればもっと最適なエアコン設置も可能です。

 有効なアドバイスが受けれない方は、今は写真の東芝PDRの6帖用エアコンがお勧めです。6帖から20帖くらいは問題なく冷える(暖まる)と思いますし、効率が高い範囲が広く、本体に消費電力量を表示して、省エネを可視化させております。またコンパクト(規定寸法)ですので、設置条件が広がります。
新築時はパナソニックのCS-X229A(設置フリー)が最高性能ですので最適ですね。ちょっと掃除音が大きいですけれどまあ許せます。


新潟の家 LED電球 その2

やはり私は・・・変です。数日前にLED電球についてこのブログに書き、「まだ購入は早い」様なことを申し上げたばかりなのに、ここにあるものは・・・。

つい、購入しました。ネット販売の恐ろしさです。LED電球を調査しているときに、知らず知らず「購入する」というボタンを押してしまいました。( ̄Д ̄;;
何事も体験主義の私としては、やはり試さないといけません。

しかし過剰包装ですね。

まず商品を開けるとあの新品のパソコンと同じ匂いがします。多分基盤が内蔵されているので、その洗浄液か半田の薬品の匂いでしょう。実績から東芝が良いですが、形状が穏やかだったので数社あるメーカーからこれにしました。一個\4000です。(^-^;

次に事務所のスポットと同じように設置。
これは違和感ありません。

次にグローブがある器具に現在使っていた蛍光灯形電球に変えて設置。ちょっとグローブの発色が違いますが問題なし。

次に当事務所の定番中の定番の使い方。

現在使っているのは2012年から販売してはいけない電球です。(^-^;

次にLED型電球に交換(後ろの壁に注目。間接光がありません。)

さらに蛍光灯型電球では・・・

うーーむ。やはりLED電球は指向性が高いのでその配光を正面に集中することで、省エネ性を高くしている傾向があります。どうもこのような壁付けでは、従来の電球と雰囲気が変わります。

使い方としては、ダウンライトや乳白グローブの中で使うことがよさそうです。今回のLED電球は、電球60W相当で7.5Wという消費電力。蛍光灯型電球では電球60W相当で13Wという商品がありますから、半分程度の消費電力です。但し寿命は40000時間でON、OFFに強いという特性を生かしたところに使うとよろしいでしょう。

ナス型裸電球は見ていると光がきれいです。ろうそくのような輝きがあります。さすがに相当長い間ろうそくになじんだ人間の歴史を感じさせます。


緑と木の外壁・・・そして石の外構とエアコン

寺泊の小さな拙宅は今年で19年目に入ります。外壁は無塗装の木で貼り増してから3年経ちました。どんどん良い雰囲気になります。ここが自然素材の良いところでしょう。
ケヤキも立派になりました。夏の暑い時期には家に優しい木陰を提供してくれます。
今の時期は花がちょっと少なくなりますね。庭には朝顔やトマトの花、そしてコスモスのような主張が少ない花達だけです。
正面から見えないように設置してある今年13年目のエアコンがとうとう壊れました。潮風で室外機のケース下半分がなくなったり、基盤の腐食でとりかえたりして13年間お世話になりましたが、とうとうお役ごめんです。東芝の255SDという当時はCOPが4.6あるトップクラスのエアコンでした。
ありがとう。感謝です。


新潟の住まい 正しいエアコンの選び方 その1

自称「エアコンマニア」のオーブルデザインがお送りする

2009年のエアコンの選びかた!!その1

お勧め

第一位 CS-X229A(パナソニック)同等品にCS-229XB、CS-228XB、CS-X228A

第二位 RAS-221PDR(東芝)

第三位 RAS-S22Y(日立)

健闘賞 AN22JRS(ダイキン)

先ずこちらのサイトの10ページをご覧ください。

http://www.enecho.meti.go.jp/policy/saveenergy/seinoucatalog_2009summer.pdf

すると

エアコン省エネランキングがあります。その冷房能力2.2KWをご覧ください。

するさらに、寸法フリーが6機種、寸法規定が多数となります。

寸法フリーは、室内機の寸法が規定されていない分野です。寸法規定は、室内機の寸法が通常幅800mm以下で高さ300mm以下、奥行き300mm以下です。エアコンの特性として室内熱交換器(室内機)が大きくなればなるほど効率COPが上がります。ですので数年前までは、室内機がどんどん大きくなっていきました。すると通常の家の壁に設置することが難しく、家電販売店がエアコン販売するのにこまりました(買っても付けられなかったりする)。そこでエアコン業界は寸法規定分野を設け、区分けしました。同時に性能もCOP表示からAPF表示がメインとなってしまいました。実はここにからくりがあります。上のカタログをよく見ると、

APFは8%の差で大きく変わらないのに、COPは20%の差があります。

さて、APFとは何でしょうか?APFとはその機種で一年間冷暖房をシミュレーションした場合、どの位の平均COPになるかを示しているのですね。一年間冷暖房のシミュレーション条件は地域=東京でかつ部屋の大きさは今回の10ページのものであれば6畳を想定してます。さらにその部屋の断熱性能は最低レベルの断熱または断熱材が入っていない部屋です。最近の家は断熱材が入っており、さらにもっと高性能な高気密高断熱住宅もあります。このような高性能な家は逃げる熱や入ってくる熱が少ないので6畳用エアコンでもその6倍の36畳のリビングまで使えてしまいます。そのため「緑の家」では24畳を超える部屋でも6畳用エアコンを設置してます。つまりもしエアコンを設置するところが上の設置条件から大きく外れたところでは、APFはあてになりません。そこで目安となるのがCOPのほうです。

COPは定格時の性能です。つまり冷房能力が2.2KW時の性能ですので、はっきりとこのくらいの負荷がかかるところに設置すれば必ずこのCOPになります(外気温に左右されますが)。だからCOPのほうが条件を把握し、性能どおりエアコンを使うことができます。

またもうひとつ理由に、APFのシミュレーションの負荷は定格より少ないほうが多くを占めるので、機器の設計方針が定格2.2KWより少ないところでCOPが高くなるように設計(調節)してあります。だからほとんど機種でAPFよりCOPが小さくなります。ひどい機種になると20%もCOPが低い機種があり、これは冷房能力2.2kwがもはや定格とは云えない設計です。

さて本題に話を戻すと、一位の機種CS-X229Aは設置寸法に拘らず、純粋にCOP(APFも)高める王道の設計方針機種で拍手物です。数年前まではほとんどメーカーがこの設置フリー機種で、6.6を超えるCOPを叩きだしてました。しかし最近では、設置規定でCOPが小さくなっても販売店が困らない機種しか開発しておりません。ですのでこの機種を出しているパナソニックさんには純粋に大きな拍手ができます。無論設置フリーで健闘しているダイキンさんも健闘賞ですね。

さて次に設置寸法フリーで2位になったRAS-221PDR(東芝)ですが、こちらは寸法規定で1位という評価と暖房時の定格COPが6.25と高いことと、デュアルコンプやCOP表示がすばらしいということで総合的に凄いということで2位としました。

同じ理由で3位にはRAS-S22Y(日立)です。特に暖房時の定格COPは寸法規定ながら6.4とすばらしく、新潟県ではもしかしたらこちらが2位でお勧めといってもよいでしょう。

上の理由でなぜ暖房時の定格COPに拘るのか?それは新潟県が圧倒的に暖房時のCOPが重要だからです。関東などは厳寒期でも晴れて外気温が7度は普通でしょうが、新潟県は外気温2度がふつうです。外気温低下はエアコンの性能を下げる最大の因子です。そのため新潟県では冷房用エナルギーより暖房用エネルギーが10倍も多く必要です。ですので、仮にAPFが優れていてもMSZ-ZW229のように、暖房時定格COPが低いと評価は著しく低くなります。

今回なぜ6畳用エアコンで順位をつけたかは、「その2」で解説します。


最新エアコンの選び方 暖房編

毎年秋はエアコンの最新機種が各メーカー揃って販売される。自称エアコンマニア(浅間の事)が注目する今年機種は・・・       情報が混乱しており赤字にて加筆修正11/22しました。

3位・・・東芝のエアコンRAS-221PDR 251PDR 281PDR

なんといっても東芝のエアコンは、今年から高気密高断熱住宅(マンション含む)向けとカタログ表記されたこと。これは、通常のエアコンのお勧め表示能力で高気密高断熱などの性能の高い住宅で使用すると、少ないエネルギーで運転され本来のCOPピーク値からはずれ、COPの低いところで使うことになる。結果経済的ではないし、無論エネルギーロスが出る(私の2年前の論文で発表した)。しかし、エアコンを購入する人は、どんな性能の家で使うかわからないので、闇雲にも小さい出力値にCOPピークを持ってくるわけに行かない。ではどのように東芝は対処したかと言うと、コンプレッサーを2つにした。出力が小さいときには1つだけ運転し、大きい出力が必要なときに2つ同時に動くようにした。まるで最新の車のエンジンと同じである。東芝はこれをデュアルコンプとなずけた。また、これも前から必要と思っていた、エネルギーモニターも設置。車のプリウスのオーナーが燃費を気にする運転をするのは、その瞬間燃費がわかるエネルギーモニターがついているからとコメントした。だからエアコンもこんなモニターがつけば、COPを気にして温度設定や運転方法を変えるようになるはずと・・・。東芝さんすごく「偉い」。

1位・・・日立の床置きRAF-36Y エアコン 

日立さん「がんばったね」というエアコン。またしても数年前に研究し論文発表した中にあるが、エアコンが発売された当時(50年以上前)は、暖房としてはまったく考えていなかったため当時クーラーと呼ばれていた。ところがメーカーは夏しか売れないのでは困る。冬も暖房機として売ろうと考え本腰を入れたのがおよそ25年前。時代は変わり、今やエアコンは暖房機器として使われるほうが多くなり、年間あたりの消費エネルギーも暖房のほうが10倍になることもある。となると冷房主体だったときに考案された、天井付近に設置することの意味が薄れ、暖房時に効率が良い床設置となる。しかしメーカーは保守的なため、今まで床設置型のエアコンはほとんどなかった。ところが昨年から日立は床置きエアコンを販売しはじめ、今年本腰をいれて商品を投入した。暖房時、エアコンの室内機では室内空気を吸い込んで、暖かい冷媒に触れさせると言う熱交換がおこなわれる。このとき吸い込み温度が低いほど、熱交換の効率がよい。一般に天井付近の空気は、温度が高くこの空気を吸い込むのは暖房時は効率がわるい。つまり天井付近に設置したのは、冷房時の効率を上げるためと邪魔にならないようにするため(当時は畳の部屋が多かった)。なるべく低い位置に設置するだけで効率があがる、と同時に暖房は足元からが基本であるので、床設置は理にかなっているのである。ただ2位になったのは、COPが少し低い。せめて5.5以上はほしい。

2位・・・ナショナル(パナソニック)のお掃除エアコン CS-X229X

ナショナルはお掃除エアコンの元祖。面倒なフィルター掃除をまったくしないで10年大丈夫として数年間に発売し大ヒットした。加えて各社が室内機サイズを小さくしてCOPが落ちたこの3年間も、がんばって大きな室内機でCOPのトップを常に守り続けた。室内機が大きいと販売店(備え付けが面倒)で嫌われるので各社は小さくし、COPも一時低くなった。なぜ室内機が小さいとCOPが悪くなるかと言うと、熱交換器が小さくなるため。COPを簡単に高くするには、熱交換器を大きくし、風量を上げるだけでよいが、この両方とも使用者から嫌われる。6帖用は暖房COPがトップの6.76!!(がしかし昨年は6.85)今年は10畳用機種もCOPが落ちた6.67→6.27(表記の機種はそのまま)。これはAPFという新しい基準値(これもCOPの一種で年間のトータル時のCOP)は上がったのだが、低格時のCOPが落ちては元もこうもない。APFをあげるにはCOPのピーク値を低い出力側にもって行けばよく、エアコンの使い方で悪くなることも予想される。小手先の改善のため2位とした。本来は一位のなのに残念。

□□

今回の東芝製品は自信があるらしく、値段が他メーカーの同等機種より高い。コンプレッサーが2個あるので仕方がないが、数万円も高いとちょっと手が出ない。せめてコンプレッサー1個分の金額だけとしてもらいたい。東芝性エアコンはちょっと気持ちが入れ込む。私が高気密高断熱の暖房用として使い始めたきっかけは14年前に255SDと言う機種が出たから。この機種のCOPが4.65で当時はその効率の高さに大変驚いた。この255SDは自宅、事務所で計4台もある。海沿いの拙宅でもオーバーホール1回(室外機のケースが錆びてなくなった)で11年間動いている。当時の機種の耐久性もたいしたもの。しかしパナソニックの設置フリーエアコンはここ4年くらいトップ性能を維持している。すごい!!


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